表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
楽してのんびり生きていたいけど、やっぱりお金は稼がなきゃ ー宇宙開拓記 その2ー  作者: 杠煬
第6章 バイヤーさん

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/49

ポテチ

お読み頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら嬉しいです。


「ふぅ、いいお湯だった~」



と、いつものボケをかましながら暖簾のれんをくぐり、とっとと手続きをすませて宇宙港(スペースポート)内の売店(おみやげやさん)でオヤツを買う。

んで出口の近く、たくさん置いてあるイスのひとつに腰掛けて日来課長おいちゃんを待つ。



うりゃっ!とポテチの大袋を開け、形の良い大きめの1枚をつまみ上げてばりばり。

ばりばり、しゃくしゃく........



塩気と油気が口の中を蹂躙したところで、これもさっき売店で買ったレモン風味の炭酸水をプシュッと開ける。

ぐびぐびぐびぐび.......ベフッ!!



うーん.....美味しい。

小腹と心が満たされていくわ♪



でもこのポテチ、ビーフ味のフレーバーでパッケージには「ルナステーキ風味」ってプリントされてるんだけど.......うん!これは絶対に嘘だと思うな。



数百億人もいる人類ホモサピエンスにあって、ルナステーキを焼くことのできる料理人はたった五百人ほどしかいない。

もともとは月の開拓基地にいた料理人がつくったものらしくて、だからルナステーキって言うのね。

レシピは単純なんだけど、とにかく技術というか職人の腕によるところが大きいらしいわ。

だから、そんな稀少(レア)な味がそう簡単に再現できるとも思えないんだよね。



.......いやでも「風味」ならいいのかな???



もちろん一介の勤め人であるショウコちゃんなんかじゃとても口にできるものじゃないから、本当のところは確認のしようがないんだけど(涙)



.......

.....

...



「.......まだかなぁ?」



あちこち行き来するたびについでとばかりに大荷物を持っていくから、日来課長おいちゃんはどこの宇宙港でも目をつけられててチェックが厳しく、なかなか移動に時間がかかる。

もしかするとまだ地球にいるのかもしれないわね(苦笑)



ちなみに、ルナステーキについて説明しといてなんだけど、ここは火星です((あはは))

今日はバイヤーさんと顔合わせのためにやって来たのよ。



窓から外を見るとどこまでも赤い大地が........続いているわけもなく、地球化テラフォーミングの完了した景色は、はっきり言って地球のそれとあんまり変わんない。

まあ太陽から遠い分、地球よりちょっと寒いかな?



ポテチを食べ終え、今度はゆで卵をオデコにゴンッてぶつけて割る。



あ!やばっ!!

割れたカラに少し付いたファンデを見て、さっきお化粧したばっかりだったのを思い出す。

(転送装置に余計な負担がかかるから、転送の前後でメイク落としとやり直しをしなきゃいけないのがちょっとメンドクサイのよね)



......まあ、いいや。



ポテチの空き袋にむいたカラを入れ、つるつるの卵をパクっ!

少しキツめの塩味がついていて美味しい♪

パクパクパク.......



「ふぅ、お待たせお待たせ」

「モグモグ.....遅いですよ課長」



3つあったゆで卵が、全部ショウコちゃんの胃袋におさまったころ、ようやく日来課長(じょうし)がやってきた。



「うん?.......アンタ、おでこ」

「あ、さっきちょっとファンデ落ちちゃって.....目立ちます?」



ゆで卵の入っていた赤いネットとカラの入ったポテチの空き袋を見て、日来課長(おいちゃん)は理由を察したみたい。



「いいや、まあ大丈夫やと思うわ。化粧よりもアンタ、そのアホ毛の方をなんとかならへんの?」

「いやそのコイツ、今日もなかなかにしぶとくて......」



ハァ.....転送装置もわざわざ、アホ毛まで律儀に再現してくれなくてもいいのにね(汗)



.............................................



宇宙港(スペースポート)の駅からリニアに乗り込み、街へと向かう。

2人掛けのシートに並んですわると、でっぷりした日来課長(おいちゃん)の巨体はなかなかの圧迫感がある。



(う......課長、せまいです)



ノドまで出かかった心の声をのみこんで隣を見ると、窓の外の火星の景色をさえぎるかのようにデンっとすわった日来課長(じょうし)が端末とメモを開いて仕事をしている。



「課長っていつでもどこでも仕事してますよね?」

「このくらい働くのが当たり前。むしろアンタがナマケモノなんよ?」

「そ、そうですか、ねえ?」



火星は日来課長(おいちゃん)の生まれ故郷なんだし、久しぶりの里帰り (今日は泊まりで私はホテルだけど、課長は実家に泊まるそうよ) なんだから、もう少しこう、感慨みたいなのはないのかな?



「別にかまへんよ。盆と正月には帰ってるんやし、そんなに感慨なんかはあらへんから。それよりも妻をひとり地球に残してきてる方が心配やし寂しいわな」

「あーハイハイ(汗)」



そうそう、日来課長(おいちゃん)てば客先にも知ってる人がいるくらいの愛妻家だった。

なるほど、こんなかわいい部下(ショウコちゃん)と出張だなんて絶対に浮気を疑われるから、わざわざ実家に泊まるってことね!



ふっ、私も罪なオンナよね.......
















「んなわけあらへんよ!!」



気に入って頂けましたら、ご評価、ブクマ登録など頂けますと大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ