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楽してのんびり生きていたいけど、やっぱりお金は稼がなきゃ ー宇宙開拓記 その2ー  作者: 杠煬
第5章 宿題があるのよね

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上レバー

お読み頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら嬉しいです。


お店のマスターが、大きな鉄板の前で2枚のヘラを器用にあやつってホルモンを焼いている。



ヘラが鉄板に当たるカンカンいう心地よい音。

炒めたホルモンにひとすくいのタレがかけられると、熱せられた鉄板の上でジューっと煮え立ちながらお肉にからんでいく。



そんな工程をぼんやりと視界に入れつつ、ショウコちゃんの話に注意をかたむける。

製薬会社の責任者がみずからお薬の「過剰摂取」をしてたなんて、ちょっと笑えない話だわ。



「でもねでもね、アタシ負けないからっ!!こんなことで、こんなことなんかで負けルモンかっ!!」

「うんうん、つらかったのね。さ、飲んで飲んで」

「えーん、歌保ちゃーん!!」



まあ今日はちょっとお酒がヘンなところに入っちゃってるみたいだけど、ショウコちゃんって精神的にタフな子だから実はそんなに心配してない。



「おまちどおさま!レバーです!!」

「わーいっ!!!ありがとーー!!!あ、缶チューハイも2本ちょうだい!!歌保ちゃんも飲むでしょ?」



.......ほらね、もうニコニコしてるわ。



.......

.....

...



「ま、ま、ま、食べてみてよっ!!絶品だからっ!!」



コップに残ってたビールを片付けるように飲み干してカウンターに戻し、続けて缶チューハイをプシュッと開けながらショウコちゃんが言う。

と言うかこのお店、缶のままのチューハイも置いてあるんだ.......(種類はレモン味のみで、銘柄は見たことの無いやつだけれどね)



ではレバーを頂きましょうか。

お皿の上には焼きたてで湯気を立てているぷっくりとしたレバーがいくつか、タレでつやつやと光っててスゴク美味しそう!

どれどれ......



「どお?美味しいでしょ??」



目を見開いて、無言のままコクコクとうなずく私。

なるほどね......ショウコちゃんが品切れざいこぎれを心配するのが分かるわ。



しっかりと焼かれたレバーの表面は噛むとサクッとした歯ざわり、そして次の瞬間にはホロホロと崩れていく柔らかなお肉。

決してパサついているわけじゃなく、口中をしっとりとした旨味で満たし、濃厚なタレにも負けないその強い味わいは、すぐにお酒を流し込みたいという衝動と、まだこのまま余韻を楽しみたいという思いで、強烈なジレンマを引き起こしちゃう。



「んーっ!シヤワセ~」



ショウコちゃんもレバーをむぐむぐしたあと、2秒おいてからゴクゴク、ゴクゴク.......

私も負けじとゴクゴク、ゴクゴク........



「ぷはっ!!」

「んんーっ!!」



最後の1人前だったレバーは本当に瞬殺だったわ(笑)

だけど、(から)になったお皿を見てショウコちゃんが何故かあわてた声を出した。



「あ!ニンニクと一味かけるの忘れてたっ!!」

な、何ですとっ??



.......

.....

...



「でさー、そんなわけで宿題が出ちゃってるのよ。」

「お待ち、フワです」

「あ、すみません有難うございます」



話の流れを邪魔しないように(ひか)えめな声で、さりげなく次のお皿が置かれる。

でも、あれ??



「これ.....レバーじゃないの?」

「違うよ、これはフワ。色はちょっと似てるかもしれないけどね」

「フワ??」

「はい」

「ハイ?」

「いやあの、返事じゃなくて(はい)。えーと、ここよ、ここ!」

「あ、こら、ドサクサにまぎれて()むんじゃない!」

  (どこを、とは言いませんが......(汗))

「おっき~柔らか~♪」



ショウコちゃんたら、だいぶ酔っぱらってオジサン化してきたわね((ヤレヤレ))



「......で、その宿題ってのは何なの?」

「ま、ま、その前に食べてみてよ!まずはそのまま、途中からニンニク付けてね」



一見レバーのような茶色のカタマリ。

それをおはしでつまみ上げ、口に放りこむ。

肺なんて食べるの初めてだけど、先の2品がとっても美味しかったからためらい(・・・・)は無い。

私はもうすっかり、このお店の料理にはハズレがないって安心感を持ってしまっているわ。



「うんっ!これも美味しいっ!!」

「でしょーっ!!」



レバーとは全く異なる弾力、それでいてふんわりした柔らかさ。

この食感って.....強いて言うならコンニャクが近いかな??

それにしても......



「ホルモンってこんなに食べやすかったかしら?変なクセが全く無いわ」

「ここのホルモンは特別なの。たぶん下処理がカンペキなんだと思うよ」

「なるほどね」



缶を傾けてチューハイを飲み干す。

次は何を飲もうかしら?



メニューとにらめっこの後、私はオレンジジュースの、ショウコちゃんは乳酸菌飲料のチューハイをチョイス。

どちらもちょっと危ないネーミングだったわ。



.......

.....

...



「うーん、やっぱりワケわかんないなぁ」



フワにニンニクと一味唐辛子をたっぷり付けて噛みながら、ショウコちゃんが(つぶや)く。



「なぁに?さっき言ってた宿題のこと?」

「うん。例えば今みたいにウキウキしててさ、それで何かに腹が立ったりキレたりなんか出来ないわよね?」



ん??

どういうことかしら?



「ちょっとその話、(くわ)しく聞かせてくれない?」



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