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楽してのんびり生きていたいけど、やっぱりお金は稼がなきゃ ー宇宙開拓記 その2ー  作者: 杠煬
第5章 宿題があるのよね

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おしごとおわりに

お読み頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら嬉しいです。


キーン、コーン、カーン、コーン.......



終業のベルが鳴ると、まだお仕事中の課員さん達の間にも、どこかしらホッとした空気がただよい始める。

もちろん、ある部署をのぞいてね(苦笑)



「さぁてと、もう他にお仕事はありませんね?.......それではお先に失礼します」

「おつかれさん」

「おつかれさん、また明日ね」



他の課員さん達の声に送られて、解放感と共に出口へと向かう。

少し離れた日来課長の部署ショウコちゃんのとこへ目をやると、ここだけは「終業ベル?なにそれおいしいの??」って感じでまだまだ皆さんがんばってらっしゃる。



ふとショウコちゃんと目が合う。

口パクで「すぐに行くから、待っててね」だって(苦笑)



.......

.....

...



エレベーターで一階(した)に降り、ビルの玄関ホールで待っていると、程無(ほどな)くしてショウコちゃんが「おまたせぇ~」って階段を駆け降りてきた。



「お疲れ様」

「おつかれー!!ふふっ♪無事に脱出せいこー!!」



ショウコちゃんってば、してやったり・・・・・・の笑顔。



うん、日来課長の部署ってば、猫の手どころか猫と意思疎通ができるならちゃんと椅子に座らせてキーボード打たせるぐらいには忙しいから、まかり間違っても「お先に.....」なんて言っちゃったら、とても定時には帰れやしないの。



そんなこと言おうものなら、「あ、ちょっと待ってな」ってなって、また新たな仕事がやってきちゃう。

「お先に....」と言って帰れるのは、ターップリと残業をした後だけらしいわ。



だから早く帰るときは、ニンジャの様に音もなく静かに(・・・・・・・)ってのが鉄則なんだって(汗)



「さ、いこっ!!」

「うん。それにしてもショウコちゃん、なぜ階段で降りてきたの?」

「ん?.....あぁ、前に一度、エレベーター待ってた時に日来課長おいちゃんに見つかっちゃったことがあるもんで、へへ」

「......大変なのね」



.......

.....

...



女2人、ぺちゃくちゃとおしゃべりをしながら地下鉄の駅へ向かう。



いつも「いつ寝てるの?」ってぐらい忙しいわりに、ショウコちゃんってば結構グルメで美味しい店をたくさん知っている。

だから2人で飲みに行くときには、基本的にお店はおまかせなの(丸投げともいうわね)。



接待でいろいろ知ったんだってショウコちゃんは言うけれど、それでも経費で落とさなきゃいけないような高級なお店には決して行かない。

まあ私の懐具合おサイフを心配してってわけじゃなくて(ショウコちゃんって私よりはるかにお給料いいのよ)、ただ単に安く・・て美味しいものが大好きなんだって。



高価なたかいものが美味しいのは当たり前じゃない?ま、たまに高くっても美味しくないお店もあるけどねぇ......」



その意見には、心の底から賛成だわ。



.......

.....

...



電車に乗ると、帰宅ラッシュで女性専用車両の中はかなり混んでいた。



今日はどこへ行くのかしら?

うーん、寒くなってきたからおでんなんかも良いわね。

そういえば去年連れてってもらったおでん屋さん、美味しかったなぁ.......



「ん?ああ、あそこのおでんね。クジラのコロがいいよね?」

「うんうん、それときざんだ青ネギをパンパンにつめた油揚げとかも美味しかったわ」

「そうそう!でもゴメン、今日はおでんじゃないよ」



あ、そうなんだ.......

アタマとおなかが「おでんっ!」ってなりかけていた気持ちを慌ててリセットする。

危ない危ない(苦笑)



「でね、今日はホルモンを食べに行くわよ!美味しいトコ知ってるんだ」

「ホルモン?ああ、モツ鍋を食べに行くのね?」

「ううん、鉄板で焼いたヤツだよ。たしか歌保ちゃんて、ホルモンは嫌いじゃなかったよね?」

「え、ええ、大好きだけど.......鉄板?」

「うん、そう。鉄板で焼いたヤツ」



.......ということは焼肉屋さんかしら??

いまいちイメージがわかないけど、きっと女の子でも楽しめるような、粋でオシャレなお店なんだろうな。













うん、そう思っていた時期が私にもあったわ......



.............................................



「あ、この駅で降りるよ。すいませーん、おりまーす!!」



そう言ってショウコちゃんが人混みをかき分けるようにして乗車ドアへと向かう。

私も慌ててその後ろについて行く。

あんまり、というか、私達以外は誰も女性専用車両からは降りなかった。



この時間帯にしては、ホームはまばら。

ベンチには、幸せそうに弛緩したよっぱらったお顔のオジサンが数名。

私達は定時で退社したからわりと早い時間帯のはずなのに、ホームには既にアルコールの匂いがただよっている。



「さ、行くよ!こっちこっち!!」

「ま、待ってよショウコちゃん.....」



ねえ、ほんとにこの駅で合ってるの??



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