表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/32

歌保の朝

お読み頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら嬉しいです。


1日が始まる。


私だってそんなにギリギリの時間に出勤してるわけじゃないけど、朝はいつも自分が遅刻したかのような錯覚におちいっちゃう。


理由はモチロン、日来課長やショウコちゃん達のせい(苦笑)


あの部署はまるで24時間営業(コンビニ)みたいに活動してる感があって、そのせいで「あれ?もう始業ベル鳴ったっけ?」って気持ちになるのよ。

もちろん徹夜(そんなこと)は認められてないから、皆さんちゃんとお家に帰ってる筈なんだけどね。

それでも夜討(よう)朝駆(あさが)けが平常運転(あたりまえ)になってるせいか、既に皆さん、フルスロットルでお仕事を始めてらっしゃる。


だから、お仕事の邪魔をしないようにおそるおそる声をかけるとしましょうか。



「日来課長、お早うございまーす」

「はいお早う。今日もいい天気やね?」

「そうですね。えーと.....」



キョロキョロ......

ショウコちゃん、まだ来てないのかな?



「ん? どしたん?.....あぁ、潟田(ガタダ)さんなら今日まで出張やから」

「そうですか。じゃあ出社は明日から?」

「そやね。(なん)か用事でもあった?」

「いえ......ショウコちゃん、いつも頑張ってるなぁと思って」



ちなみに、ショウコちゃんも頑張ってるけど、一番お仕事をしてらっしゃるのはでっぷりと大きなおなかをしたこの日来課長オジサマだけどね。


.......

.....

...


実は日来課長はいつも誰よりも働いていて、そしてこの会社の誰よりも稼いでいる。


それなのに、艱難辛苦に耐えて頑張っているっていうよりも、単にお金を稼ぐのを心から楽しんでいるからってのがすごいと思うのよ。


「やっぱりお金って寂しがりやだから、自分を好きな人に寄ってくるんじゃない?」ってショウコちゃんが言っていたことがあるけど、多分そうなんだろうな。


だから他の課員はもちろん、本来のんびり屋(・・・・・)のショウコちゃんまでが、そのペースにあてられちゃって、いつもバリバリと働いている。


決して強制されてるわけじゃない。

だから皆さん、いつも楽しそうに忙しそうに、たくさん仕事をこなしている。


(はた)から見てても、努力と根気が必要な泥臭い仕事だってのは分かる。

それでも何て言うか........そう、華やか(・・・)なのよね。


「S2」を持ってない私には、それが少し(うらや)ましくもあるし、(くや)しくもある。

私だって、お仕事で完全燃焼してみたいって思う時があるもの。



ま、こんなこと、毎日ヘトヘトになってるショウコちゃんには口が裂けても言えないんだけど.......(汗)



今だってきっと、レヌ星の宇宙人さん達との丁々発止の駆け引きをしてるに違いないわ。

ううん、ショウコちゃんのことだから、宇宙人さん達の胸ぐらをつかんで怒鳴りつけてるかもしれないわね(汗)



「うん、彼女はようやってくれてるよ。(たま)に電話で相手にキレ散らかしたりしても、それで契約がなくなるなんてことがないのはスゴいわな」

「えーと......まあ、確かに......」



(たま)にっていうより、ショウコちゃんの怒鳴り声、しょっちゅう聞いてる気がするのは私だけかしら?



「この仕事、宇宙人達との人脈(にんげんかんけい)って重要やからね?僕はどーしても理屈(リクツ)で推し量ってしまうところがあるけど彼女は違う」

「はぁ......??」


「彼女は感情のおもむくままに仕事をする。それで大失敗をすることも多いけど、切り替えも早い。彼女は優秀なんよ。特に良い意味でえらい鈍感なとこがね」



???....えーと......???



「......それ、褒めてます?」

「もちろん。思考(・・)にムダなエネルギーを使わず、その分を行動(・・)のエネルギーにまわせるのって、これはもう立派な才能やからね?」

「うーん、それは確かにそうかも......(苦笑)」



「何事にもまず着手する、これが大事よ。悩むのは後でいいんよ」

「なるほど、確かにそうかもしれないですね」



(でも無理はしちゃダメよショウコちゃん.......あ!!それと「むちむちウサギ」ちゃんの人形、忘れないでよね?)



.............................................



(数万光年離れたある星にて)


「へくちんっ!!」



気に入って頂けましたら、ご評価、ブクマ登録など頂けますと大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ