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過剰摂取

お読み頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら嬉しいです。


「ごちそうさま、美味しかったでーす」

「「「ありがとうございましたっ!!またお待ちしてますっ!!」」」



元気いっぱいの声に送られてお店を出る。

特に不自然な感じはしないわね。

うん、ま、この感じなら大丈夫かな??



そうなの、さっき言った「お薬」の過剰摂取ってやつね。

実は今ちょっと、これが社会問題化しつつあるんだ。



.............................................



そもそも「お薬」ってのは、本人の人格に合わせて・・・・・・・・・・、喜怒哀楽の感情を細かく「増幅」あるいは「低減」させるというのがその薬効なの。



その目的は、クローンの身体ボディへ書き込んだ記憶の安定化と、クローン本来の人格が発生しちゃうのを防止すること。



まあ、お医者さんの処方箋がいらない程度には副作用も少ないし、そこいらのドラッグストアで簡単に買えるものではあるから、多少の飲みまちがい程度ならそれほど深刻な事態にはならないんだけどね。



で、それをいいことに、本来の自分の性格にはあまり無い要素を「お薬」で(おぎな)おうってのが、一部の人達のあいだで流行(はや)りだしてきてるんだ。



例えば、物事を悪いほうへ、悪いほうへと考えがちだと自覚している人が、そんな自分に嫌気がさしていたとするわよね?

そこへ、いつも楽天的な人が普段飲んでる「お薬」があったらどうよ?



......うん、そういうこと。



「自分を変えたい!」って欲望に負けて、本来の自分に合っていない「お薬」を飲みたくなるのよね。

言ってみれば「陰キャ」が無理やり「陽キャ」になろうとするようなものよ。

(あ、でもこの「お薬」って、心がしんどい時に飲む精神薬(おくすり)とは別物だからね)



で、本来のその人向けとは異なる「お薬」ってのはやっぱり効きが悪いもんだから、どうしても規定量より多めに飲んじゃうってわけ。



だから「過剰摂取」の「過剰」って言葉には、ふたつの意味があるの。

用法(しゅるい)用量(りょう)は正しく守って欲しいのよ。



.......

.....

...



まあでも、気持ちは分からないでもないかな?



私だってガサツな自分が心底嫌になることもあるし、歌保ちゃんみたいなおしとやかなレディになれるならって考えることもあるよ?

(........いやそこ、笑わないでくれる?)



ちなみに私は「S2」を持ってるから、「お薬」が飲みたくても飲めないっていうか、そもそも飲んだとしても効かない体質なんだけどね。

でももし効果があるのなら、一度ぐらいは試しちゃったかもしれない。



でもさぁ、たとえ一時的に人格が変えられたとしても、それは「むなしいこと」だってのは分かってるのよ。

だってそんなことをしたって、本当に自分が変われるわけじゃないじゃない?

それに上辺だけを取りつくろっても、その後で絶対に反動が来ちゃうもの。



うん、そうよ。

例えばね、鬱々としてる人を強引に陽キャのグループに入れてはしゃがせたり・・・・・・・なんかしたら、一人になった後でよりひどく落ち込むことがあるのよ。



それとおんなじで、「お薬」の過剰摂取は本来の人格を「不必要」に、しかも「いちじるしく」歪める可能性があるの。

(大事なことだから二回言うけど、この「お薬」って、心がしんどい時に飲む精神薬(おくすり)とは別物だからね)



一生懸命に毎日を生きてたら、どうしても心がしんどくなることはあるよね?



でもそんな時は(あせ)ったりせずに、まずは頑張ってる自分を誉めてあげて。

そしてガタついた心を大切に守りながら、ゆっくりと時間をかけて生きていくしかないと思ってるわ。



そうよ、「時間」だって心の栄養になるんだからね......



.......

.....

...



......ごめん、なんだか湿っぽい話になっちゃったわね。



ま、ぬぼーっとしたショウコさんだって、人並みには悩むこともあるんです!

(はいそこ、うるちゃい!)



え、ええと......



そんなわけでまあ、「お薬」の過剰摂取のせいで、逆に記憶の固定や維持に支障が出るなんてトラブルが起こることがあるのよ。

場合によっては、理不尽なクレームが来ちゃうことだってある。

そんな時は、原因究明のためにも調査しないといけなくなるし......これが結構大変なんだ(汗)



さ、また忙しい明日がやって来る!!

急いでお家へ帰って、寝ようっ!!!




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