回文童話「ゾンビーズ」
(見つかったら。見つかったら殺される)
ハヤトは、仲間の死体に紛れて、死んだふりをしていた。
(くそっ、宇宙人め。侵略宇宙人め!)
怒りに震えながらも、死んだふりを続けるハヤト。
侵略宇宙人とのパワーの差は、歴然としていたからだ。
と、その時、仲間が近辺の宇宙人を奇襲した。
(よしっ、今だっ。仲間に加勢するぞ!)
ハヤタ以外にも、辺りの四割ほどの遺体が、続々と立ち上がって宇宙人に反撃を始めた。
「なんとか勝てたな、遺体仲間よ」
隣で死んでいたおっさんが、ハヤトに笑いかけた。
それからハヤトは、遺体仲間と共に戦った。
作戦はいつもと同じ、遺体のふり。
なぜかそれで、だいたい勝てるのだった。
「ひょっとしたらこの作戦は、宇宙人どもの弱点を突いているのかも知れない」
ハヤトはそう思い、そして自分に言い聞かせ、自信とした。
(だいたい遺体だ)
だいたい、いたいだ!
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