回文童話「投げられてもくじけないヤノスケ」
ヤノスケ君は、何事においても、一生懸命な少年だった。
練習熱心、勉強熱心、今どき暑苦しい熱血少年だったのだ。
「すごいなあ、ヤノスケの練習量は」
少年柔道部の部員たちは、感心するばかりだ。
「あれで、勝ち星がともなえば……」
と残酷な事実をつぶやくコーチ。
休日の鍛錬量の充実感に満足し、下駄を鳴らして闊歩しているヤノスケ君だ。
と、小さな女の子を囲んで囃し立てている同級生たちを見つけるヤノスケ君。
「むむむっ。あれはイジメではないのかっ?!」
女の子を助けるべく下駄を脱ぎ捨て、ダッシュするヤノスケ君だった。
ヤノスケ君がダッシュしている間に、恰幅の良い女の子が現れて、いじめっ子たちをことごとく投げ捨てた。
(なっ、なんという技のキレ!)
(なんというゴウタンな正義!)
一目惚れしたヤノスケ君は、両手を大きく広げ瞳に炎を燃やして、そのカップクの良い少女に迫った。
「好きだあああ、名も知らぬ少女よーー!」
ヤノスケの暑苦しい愛の威圧も、技術と体力で勝り、なおかつ冷静な岩子さんには通じなかった。
(熱愛で威圧ね)
ねつあいで、いあつね!!
(怖いぞ岩子)こわいぞ、いわこ! ← 再登場
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今日は「魔人ビキラ」投稿のため、時間がズレました。
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「のほほん」は、また明日。




