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回文童話「黄色い太陽」

此処(ここ)何処(どこ)じゃ?!」

羽織袴(はおりはかま)の若殿が、(うめ)いた。

地方の小藩の若殿だった。


「おそらく、砂漠かと」

お付きの小姓(こしょう)が答えた。

同じく羽織袴だが、若殿よりは軽装だ。


「砂漠とはなんじゃ?」

「このように草木がなく、岩や砂ばかりの場所を言います」

「どうしてこのような場所に居るのじゃ? 藩内の名所で紅葉(もみじ)狩りをいたしておったのに」

「おそらく空間しゃっくりに巻き込まれて、瞬間移動をしてしまったものと思われます」

(くわ)しいのう、そちは」


(ちまた)御伽草子(おとぎぞうし)が大好きで御座いまして、よく読んでおりまする」


「ああ、喉が渇く」

「大変に空気が乾燥しており、太陽が黄色うございます」


「おあっ?! 樹だ! 樹が見える?! 地面に青い場所も見える! 泉ではないのかっ?!?」

若殿は爪先(つまさき)立って叫んだ。

「蜃気楼と言うものにございます。不知火(しらぬい)と同じで、そこには何もないのです」


とぼとぼと、迷い込んだ砂漠を歩き続ける若殿と小姓。

彼らはオアシスを目の前にして、通り過ぎてゆくのだった。



(喉渇く若殿)

のどかわくわかどの

回文ショートショート童話「のほほん」毎日更新中。

朝、ほぼ7時台。

と、お昼、12時台(← コチラはたまに休みます)。

明日は、お昼12時台に「魔人ビキラ」を投稿するので、

「のほほん」の時間はズレます。


同サイトにて、回文妖術師ビキラの冒険ファンタジー、

「魔人ビキラ」を連載中です。

よかったら、読んでみて下さい。

「のほほん」は、また明日、朝7時台に。

    「魔人ビキラ」も、また明日、お昼12時台に。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 袴で砂漠は地獄過ぎるな‥っ さていつまで着てられるか、、
[良い点] 知識が邪魔をしちゃう事……偶にあるよね… 無事に帰れると良いな、殿。
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