回文童話「朝礼の美談」
「目から鱗って、あれ本当なんだなあ」
某製造工場で朝礼が終わり、現場に戻りながらサワヤマさんが言った。
「何かあったのかい、サワヤマさん」
同僚のムラカミさんが言った。
「今朝の工場長の『間違い電話も掛かってこない独り暮らし』って話さ」
そう言って、自分の目を指すサワヤマさん。
「納得して、ぽろぽろと目からウロコが落ちたんだよ」
「ほんとかよ、それ。工場長にヨイショしてんじゃないのか、サワヤマさん」
今度は、後ろを歩くカワシタさんが言った。
「ほんとだよ。これがその時のウロコだ」
と言って作業着の胸ポケットから、沢山の大きなウロコを取り出すサワヤマさん。
「うわ。仕込みじゃないだろうね、それ」
ムラカミさんが感心したような声を出した。
「おれ、信じるよ」
ムラカミさんと並んで歩いていたソウダさんが言った。
「おれは『面の皮は厚いが人望は薄い』ってところで、こんなものが目からぽろぽろ落ちて……」
と言いながら、ソウダさんは、作業ズボンのポケットから亀を何匹も取り出した。
(目から亀)
めから、かめ!!
回文童話「のほほん」毎日更新中。
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第三十ニ話「小夜の早い街(前編)」は、
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LINE、更新出来ててヨカッタ……




