回文童話「虫起き秋惜しむ」
秋である。
公園や、小っぽけな草むら、団地の緑地帯や、街路樹から、色々な虫の鳴き声が聞こえて来る。
「リリリー、リリリー。コロコロコロ」
「エンマコオロギだね」
と、フトシくん。
「うん、エンマコオロギだ」
と、ツトムくん。
「ガシャガシャガシャガシャガシャ!」
「クツワムシだ。うるさい」
と、笑うフトシくん。
「チッチッチ。チロチロリッ」
「マツムシだ」
と、ツトムくん。
「ツィッツィッツィッ。ツィッツィッツィッ」
「この虫は……なんだろう?」
「なんだろう? 分かんないや」
フトシくんとツトムくんは、顔を見合わせた。
実はとても身近な虫だった。
昆虫展で、「鳴く虫のコーナー」があれば、必ずと言っていいほど、飾ってある虫なのだ。
(鳴き声ゴキな) ゴキ → ゴキブリ
なきごえ、ごきな!
(虫起き秋惜しむ) ← タイトル
むしおき、あきおしむ!
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