表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/111

回文童話「魔族チェラゴスモ」

魔族、漫遊のチェラゴスモは、方向オンチであった。


友人である、狂乱のグラーグガーンの屋敷に遊びにいくつもりが、人間界に迷い出てしまった。

(ヤバい。人間どもに見つかったら、(なぶ)り殺しにされる!)


大慌てで、通行人にオリハルコン製の指輪を渡し、ハンチング帽と交換してもらった。

頭の三本ヅノを隠すためだ。


(人間界では異彩を放つ魔装束(ましょうぞく)もヤバい)

カーテン屋で、ヒヒイロカネ製の腕輪と交換して、地味な紺色のカーテンを手に入れた。

そいつで体を(おお)い隠した。


口からにょっきり出ている二本の赤い牙は、(くちびる)をすぼめることによって隠した。


おりしも、人間界はハロウィンだった。

異形の仮装者が多く、(まぎ)れるには丁度(ちょうど)よかった。


それでも、仮装で(にぎ)わう街の歩行者天国で、声をかけられる魔族チェラゴスモ。

「すげえ! あなた、肌が真っ黒やなあ。どうやったん?」


口をすぼめたまま、

「スミ。スミ」

と言ってみるチェラゴスモ。


「へえ。墨汁(ぼくじゅ)で?」


こくこくとうなずくチェラゴスモ。


「すごく背が高いけど、やっぱ、竹馬に乗ってんやろな?!」


こくこくとうなずくチェラゴスモ。


身長三メートル弱のチェラゴスモは、猫背になっても目立った。

掃き溜めに鶴。

紅一点ならぬ、黒一点であった。


怪しまれないように、深夜まで必死に、ハロウィンを楽しむチェラゴスモだった。



(なんと言うか浮いとんな)

なんというか、ういとんな……



今夜は満月。

そしてハロウィンの最中……。

ウチは田舎なので、仮装者も見ませんが。


回文童話「のほほん」毎日更新中です。

今夜はイレギュラー。

朝、ほぼ、7時台に更新。

と、

昼、ほぼ12時台に更新(ない時もあります)。


同サイトにて、

回文妖術師ビキラの冒険ファンタジー、

「魔人ビキラ」を連載中です。

よかったら、読んでやって下さい。

こちらは、毎週、水曜日と日曜日に更新。

次の水曜日(11月1日)に、

第三十ニ話「小夜の早い街(前)」を12時台に投稿予定。

「小夜の早い街(後)」は、木曜日(2日)の12時台に投稿予定です。


ではまた「のほほん」で、また明日。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 関西弁の回文が良いねb 流石のハロウィンでも身長は隠せないな笑
[良い点] 魔族も大変そうだww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ