回文童話「おやつ」
ウカト君は、よく姉のミサトちゃんにおやつを食べられた。
食器棚、勉強机の引き出し、お父さんのフィギュアケース、お母さんの化粧台などに隠しても、ことごとく見つかった。
「考えが単純なのよ。工夫がないのよね」
と、姉のミサトちゃんは笑う。
ならば、と、本棚の大型辞典の中身を抜いて、箱だけを置き、その中におやつを隠した。
「今日はどこに隠したのよ。分からなかったわ」
と、悔しそうにミサトちゃんは言った。
「へへーーん」
得意げに大型辞典の箱を取り出すが、おやつは無くなっていた。
「なーーーーい!」
ウカト君は叫んだ。
「いや、今日はわたしじゃないわよ。知らないわよ」
ミサトちゃんはきっぱりと否定した。
「無ーーーーーーーい!」
再び叫ぶウカト君。
飼い猫のクーちゃんの仕業だった。
(無いが長いな)
ないが、ながいな
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