回文童話「バクヤくん」
その1「クイズ」
バクヤくんは、少年雑誌に載っているクイズと格闘していた。
父親に聞いても、母親に聞いても、
「わらかない」と言う。
姉にいたっては、怒ったように、
「自分で考えなさい!」と言った。
(きっと答えが分からないから、誤魔化したんだ)
と、バクヤくんは思った。
(お姉ちゃんのことは、どうでもいい。問題は、クイズ。クイズの答えが思いつかない)
ついに声に出して小さく叫ぶバクヤくん。
「『マントを羽織ったお猿の性格は?』って、なんなんだ?!」
(マントヒヒ頓馬) まんとひひとんま
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その2「魚釣り」
バクヤくんは、お父さんと一緒に釣りに出かけた。
防波突堤からの、海釣りだ。
釣りはお父さんの趣味なのだ。
バクヤくんは、釣りにはあまり興味がなく、そのせいか、魚が釣れることはほとんどなかった。
しかし、今日は違った。
お父さんに手伝ってもらったが、大物を釣り上げた!
釣り針を外した途端、突堤の上を跳ねて逃げ出す大魚。
「うおおおおおう!」大魚は叫びながら逃げてゆく。
「ウオウオウ!」バクヤくんも叫びながら魚を追った。
(魚を追う) うおをおう
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その3「バクヤくんの耳」
バクヤくんは眠ると、耳が増えた。
しかしそれは眠った時だけなので、特に問題はないのだった。
(寝耳に耳ね) ねみみにみみね
楽しく、短く、をモットーに書いています。
しかし、意味はありません。
ナンセンスですが、息抜きになればさいわいです。
同じサイトで、
魔人ビキラ」という一話読み切り形式で、
回文妖術師の冒険ファンタジーを連載しています。
よかったら、そちらも覗いてみて下さい。