回文童話「パラダイス」
仲良し散歩グループが、山歩きをしていた。
「おや、靄が出てきたぞ。気をつけんと」
「もう少しで山頂遊園地や。進め、進むんや」
「なんや、景色のええとこに来たな?」
「道を間違うたか?」
「えええ? 全裸の男女がおるぞ」
「リンゴの木の下で、大きな蛇となにやら話しとるな」
「するとなにかい? あいつら、アダムとイブかい?」
「ほな、ここはパラダイスやな?」
「ああ、リンゴを食ったぞ、あの若い娘」
「男の方も食うたな」
「阿呆やなあ。神様に食べたらあかんて言われとったのに」
「ああ、急に恥部を隠したぞ、あの男女」
「知恵の実を食べて、今、恥じらいを知ったんや」
「人間になった瞬間やなあ。感動したわ、ワシ」
「ほな、わしらもリンゴ食べよ」
「そうや、食べたらエデンの園を追放される」
仲良し散歩グループは、禁断のリンゴを美味しく食べ、エデンの園を追放された。
「元の道に戻ったぞ。知恵もついたんやろか?」
「いやワシ、これ以上、知恵がついたらどないしよ」
「横丁の賢者を名乗ったらええやないか」
そんな会話を交わしながら、身に付けた衣服を脱ぎ始める人々。
知恵の実を食べて、逆転現象が起きたのだ。
山頂に着いた頃には、全員が全裸になっていた。
そして、散歩グループの跡を付けていたアダムとイブは、無事に衣服を整えられたのであった。
(なんでエデンな)
なんで、えでんな?
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回文妖術師・ビキラの冒険ファンタジー、
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本文中、
「食べたらあかんものを、むき出しで植えてあるのもあかんのちゃうか?」
は、余計かなあ、と思って削除しました。
「分かりにくい」という、お話しを頂きまして、書き改めました。




