回文童話「夫婦喧嘩」
「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」と言う。
ゴンゾウさん夫婦は、もはや恒例と言ってよい、朝練のような朝喧嘩を始めた。
隣の飼い犬、ポチポチは、犬小屋に引っ込んで頭をかかえている。
喧嘩自体は、小さいと言えば小さい、問題と言えば大問題な出来事だった。
たとえば、
「トイレを使った後、ゴンゾウさんは水を流さない」
たとえば、
「食べた後の食器を、ゴンゾウさんは片付けない」
たとえば、
「食事中でもおかまいなく、ゴンゾウさんは大きな音を立てて鼻を擤む」
食事中と言えば、
「平気でウンコの話をする」
奥さんは、当然ながら、きちんと注意する。
「う、うるさいっ。実家に帰れ!」
ゴンゾウさんは、決まってそう言う。
しかし、その日の奥さんの反応は、いつもと違った。
積もり積もったものが爆発したのだろう。
「はい、分かりました。そうさせて頂きます」
と言って、かねてより押し入れに潜ませてあった『実家に帰らせて頂きますセット』のキャリーバッグを取り出した。
「お、おう、帰れ! 帰れ!」
引っ込みがつかなくなって、ゴンゾウさんは叫んだ。
「ワシもついて行くからな!」
(家内は居ますが住まいは田舎)
かないはいますがすまいはいなか
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その方が良い、という助言を頂きましたので。
とりあえず。行けるとこまで行こうかと。
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そして、時間が若干ズレる場合もあります。




