回文童話「会社員・ウンダさん」
スーパー銭湯とかウルトラ温泉とかに行くと、電気風呂というモノにお目にかかる。
その電気風呂が、ウンダさんは苦手だった。
「ピリピリして気持ちが良い」
社員旅行で来た同僚たちは、だいたいそう言うのだが。
(ハシグチさんなんか、色黒だが、アレ、電気に焼けてんじゃないのか?!)
などと思うウンダさんだった。
ただのお風呂にだって、
(ビッリビリして痛い!)
というのが、ウンダさんの正直な感想だった。
「慣れだよ、慣れ。ウンダくん」
「電気風呂に入れないなんてどうした。早く大人になれよ」
子供だって、入っていた。
「まあ、騙されたと思って、ウンダくん」
「それが会社の付き合いってもんだよ」
「そうですか、それじゃ……」
ウンダ博士の造った人造人間、ウンダ101号は、漏電、過電流の危険もかえりみず、会社の規範に則って、電気風呂に浸かるのだった。
(乗れないタイプ痛い慣れの)
のれないたいぷ。いたい。なれの
同サイトにて、
回文妖術師・ビキラのの冒険ファンタジー、
「魔人ビキラ」を連載中。
よかったら、覗いてみて下さい。
「困った時のロボット、悩んだ時の宇宙人」
というコトワザが世の中にあります。
安易な方向に流れるな、という意味らしいですが、ワタクシは大好きです!




