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回文童話「食用金箔」
ピョンカさんは友人に、食用金箔をもらった。
その量、0.05グラムもあった。
「あなたの食卓を華やかに演出します!」
と、書いてある。
さっそく、夕食に振り掛けてみるピョンカさん。
チャーハンに。お味噌汁に。野菜サラダに。お茶に。焼きナスに。
「おおっ、豪華に見えるぞ!」
ピョンカさんは大喜びだ。
妻と娘には、
「わたしは、要らないから」
と、断られた。
テンションが上がってしまったピョンカさんは、まだ何かに金箔を振りたかった。
「あっ、良いものがあったぞ」
ピョンカさんはインク壺を見つけ、フタを取ると振りかけた。
(金色黒インキ)
きんいろくろいんき
食用金箔をもらったのは、事実です。
野菜サラダに振りかけたのも、事実です。
ヨメに「わたしは要らない」と言われたのも、事実です。
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