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回文童話「椿の生け垣」

病気などのお見舞いに、椿(つばき)の花を持って行くのは、縁起が悪いとされる。


花部分が丸ごとポトリと落ちるので、

(いのち)が落ちるようだ」と言う訳だ。


しかし、家で()でる分には、何も問題はない。

椿の垣根(かきね)など、よく見る話である。


「新種の椿なんだってよ。咲くのが楽しみだなあ」

新種椿の()(かき)を作って、花田さんは御満悦(ごまんえつ)であった。


その新種の椿が咲く頃、花田さんは庭に、友人の菊川さんと桜田さんを呼んだ。


新種の椿は、三人のギャラリーを確かめると、大きく花を咲かせ、小話を始めた。


「はいはい皆さん。とくとごろうじろ!」

「ごろう、でーーす!」

「じろう、でーーす!」

「ごろうじろで御座いましたあ」

御後(おあと)がよろしいようで!」


言い終わると、椿の花が三つ、立て続けにぼとぼとと落ちた。


「な、なるほど」

と、(ひさ)を打つ桜田さん。

「見事な、あの、散り(きわ)でございましたなあ」

と、菊川さん。


(あんがい、つまんない)

とは言いにくい、桜田さんと菊川さんであった。



(奇抜な椿)

きばつなつばき




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― 新着の感想 ―
[良い点] 咲くことではなく話すことで生涯を終える椿、ホラーチックだ。。
[良い点] 小話の後に、ぼとりと散られると少し怖いかもしれないw
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