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回文童話「賽銭泥棒」

某神社の境内(けいだい)が、今朝は騒がしかった。


「ついに捕まえたぞ、賽銭泥棒(さいせんどろぼう)っ!」

神主(かんぬし)さんが叫んだ。


「ち、違う。オレは賽銭泥棒じゃない」

地面に倒れている男が言い返した。


「嘘つきやがれ、賽銭箱をひっくり返しとったじゃねえか!」

「地面に散らばった賽銭を、蹴っておったじゃないか!」

「蹴ってたのは、意味不明だが!」

張り込んでいた街の防犯団員が、男を見おろして、口ぐちに言った。


「賽銭を蹴ってたのは、賽銭が憎かったからだ」

「訳の分からない言い訳するんじゃない、賽銭泥棒めっ」

「ええい、これでも喰らえっ」


賽銭箱をひっくり返した男は、鉄拳制裁を喰らった。


交番に突き出される男。

しかし、賽銭泥棒と思われた男は、賽銭泥棒ではなかった。

男は、賽銭箱泥棒だったのだ。


そして、中に入っている賽銭は、邪魔で、本当に憎かったのだ。


「けっ、ややこしい奴め」

「この人騒がせな馬鹿者めが」

「じゃあ、なにかい? 賽銭泥棒は他にいるってことかい?!」


その頃、賽銭泥棒は、神社の境内に賽銭箱がひっくり返り、地面にお金が散らばっているので戸惑っていた。


泥棒は、賽銭箱に入っている賽銭を盗むのが快感なのであって、地面にふしだらに転がるお金には、興味がなかったのだ。



(鉄拳制裁賽銭蹴って)

てっけんせいさい、さいせんけって

同サイトにて、

回文妖術師・ビキラの冒険ファンタジー、

「魔人ビキラ」を連載中です。

よかったら、覗いてみて下さい。

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― 新着の感想 ―
[一言] 賽銭箱泥棒のお陰で1つの盗みを防いだこのお話、女装趣味の男がやむなく女子トイレに入った結果、盗撮趣味の男と鉢合った実際の事件を思い出しました。w
[良い点] ココに出てくる泥棒みんな変な趣味すぎるw悪者に変わりはないが(
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