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回文童話「某市の策略杯」
某市で、
「異端児杯」なるものが、開催されることになった。
続々と立候補してくる市内の異端児たち。
「虫も殺さぬ殺人鬼」
「盗撮癖のあるレントゲン技師」
「己れ良ければすべて良しとする賢者」
「泥棒の家にしか盗みに入らない空き巣狙い」
「野良人を拾うのが好きな飼い猫」
「美人を見たら、すれ違いざま屁をカマす勇気を持つ者」
等々………。
しかし、
「ナニモノも持たない我々への当て付けかっ?!」
「持たざる者の怒りを知れ!」
残念なことに、没個性保護団体「なんもない団」の猛反対によって、大会は中止になってしまった。
だが、多くの犯罪者が逮捕されたのは、喜ばしいことであったかも知れない。
(大反対の異端杯だ)
だいはんたいのいたんはいだ
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