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回文童話「恋愛コンサルタント」
彼は小学四年生にして、もはや恋愛コンサルタントと言えた。
「彼の言う所に行ったら、今のダンナと出会った」
「彼の言う色の服を着てたら、彼氏と出会った」
「彼の言う遠回りをしたら、遅刻したけど、西条さんの財布を拾って渡して、付き合い始めた」
今日も、クラスの一条寺くん。他校の東条さん。
中学生の中条君。高校生の三条さん。大学生の南条さん。
社会人の北条氏ら、次々と休日を利用して、相談にやって来る。
彼も必死で相談に乗っている。
頼られるのは嬉しい。そして、難しい。
たがそれは、もはや彼の使命と言えた。
名は体を現わす。中身も現わす?!
愛条恋太はそして思うのだ。
「ああ、ぼくも早く恋がしたい」
と。
(個体名こそ恋めいた子)
こたいめいこそ、こいめいたこ
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