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回文童話「ルート66異聞」
サンタモニカと言えば、リゾート都市。
サンセット通りの「ルート66」は、テレビドラマにもなった。
その国道66号線に、異世界に通じる脇道が出来たと、もっぱらの噂だった。
「こんな争いばかりの住みにくい世界とはオサラバして、新世界で穏やかに暮らしたい」
「異世界だと、オレ、勇者になれる気がする」
「あたし、悪役令嬢として、人生をやり直したいの」
「きっと、異世界にはハーレムがあると思うのだ」
「人を殺したい。異世界なら、人殺しフリーなはずだ」
人それぞれ、さまざまな理由で、異世界へのルートを探した。
猫も杓子も探した。
もちろん、蟹も。
(サンタモニカで蟹も探査)
さんたもにかで、かにもたんさ




