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回文童話「ゾンビ現象・二題」

その1「ゾンパニ博士」


街にゾンビが出現した。


某国の侵略兵器か?!

新人類の誕生か?!


対策を講じるべく、政府は早々に、

「ゾンビ対策本部」を立ち上げた。


「ゾンビに噛まれるとゾンビ化します」

と、その道の権威、ゾンパニ博士が講釈を()れる。

「そんなことは分かっておる!」と、某大臣。

「わたしのように」と、ゾンパニ博士は続けた。


ゾンビ化し、シェルターに集まった大臣たちを襲い始めるビック・ゾンパニ!


「わあ!」

「助けてくれ!」

「死ぬ死ぬ死ぬ!」


昭和生まれの大臣たちの(あわ)て様は、さながら無声映画時代のコメディのように大袈裟(おおげさ)だった。


手足をバタつかせ、変顔を作り、とても古典的だったのである。



(今古典的てんてこ舞い) いま、こてんてきてんてこまい




     ***    ***    ***



その2「シバザクラ大臣」


ゾンパニ博士に噛まれた大臣たちはゾンビ化し、次々と仲間を増やしてゆく。


ゾンビ化した大臣の中には、仲間のゾンビを噛む(あわ)て者もいた。


だが見よ、その慌て者のゾンビに噛まれたゾンビは、人間に戻ったではないか!


「逆転現象だ」

「新型ゾンビの誕生だ!」

「シバザクラ法務大臣、そのまま仲間(ゾンビ)を噛み続けろ!」


そそっかし屋で有名だったシバザクラ大臣は、ゾンビであるにも関わらず、そそっかしくも人間の命令を聞いた。

(今こそワタシの存在意義を見せる時!)

と、張り切ってゾンビを噛み始める。


そこでまた、新型ゾンビが誕生した。

仲間のゾンビを食べ始めたのだ。


「うわ、こいつ、仲間を食べるぞ!」

「シバザクラ大臣、なんとかしろ!」


シバザクラ大臣はすでに、新々型ゾンビに食べられつつあった。



(遺体食う喰いたい) いたいくう? くいたい!




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― 新着の感想 ―
[良い点] ゾンビ物が大好きなのでとても良かったです ゾンパニ博士の冒頭の台詞からの急展開や その2 の新しい発想も面白かったです☺️
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