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回文童話「補正予算委員会」
補正予算委員会のワタライダさんは、いたってノンキ者であった。
今も部屋で、会議で言う駄洒落を考えていた。
(副委員長のツムザキさんは、入れ歯だったなあ)
(相槌に、『そう言えば総入れ歯』というのはどうだろう?)
(怒られるかなあ)
(なに、構うもんか。他の人にウケたら勝ちだ)
ワタライダさんはノンキ者で、そして、このように人でなしであった。
そこに、連絡が来た。
本予算成立後に、やはり、
「必要経費を追加することになった」
という連絡であった。
委員長のワタライダさんは、あくび混じりに、こう言った。
「追加予算さよか何時」
ついかよさん? さよか。いつ?
ええ、童話とは言いがたい内容になってしまいました。
まあ、こういう時もあるわね……。




