回文童話「水戸部君の鍛錬。あるいは壁」
学校帰り、水戸部君は部活で遅くなったので、近道をしようと、雑木林の獣道を抜けていた。
そして、丈高い雑草の中に、壁があるのに気がついた。
(ちょうど良いところに壁がある)
と、水戸部君は思った。
「諸手突きの練習に持ってこいだ」
声に出して言った。
水戸部君は相撲部の部員だった。
県大会に出場出来るかどうかは、微妙なところ。
部内の、出場資格試合が近かった。
引いては、勝っても店がカラい。
立ち合いで変わって勝っても、点はカラい。
そして、練習仲間には、もう技を知られている。
「勝ち抜くためには、さらに技を磨くのみ!」
水戸部君は、カバンを地面に置いた。
「よし、ここで諸手突きを極めるぞ!」
体力には、自信のある水戸部君だった。
水戸部君は学校帰り、来る日も来る日も壁を相手に、鍛錬に励んだ。
そして無事に、県大会への出場が決まった水戸部君。
(それもこれも、あの壁のお陰だ)
壁に報告しようと、水戸部君は雑木林に走った。
「ありがとう、壁! 出場選手に選ばれたよ! 県大会に出られるんだ! キミのおかげだ、壁!」
水戸部君は、壁に深々と頭を下げた。
「なんでもない、なんでもない」
まんざらでもない様子で、妖怪ヌリカベは返事した。
(壁と見る水戸部か)
かべとみるみとべか?!
回文童話「のほほん」毎日更新中。
でしたが、ほとんど在庫がなくなりましたので、
11月11日(土曜日)の第111話を持って、
第一部完。とします。
話の補充が思うように出来ませんでした。無念です。
今日のお昼、ほぼ12時台にまた、投稿します。
第一部完結まで、あと4話。
同サイトにて、回文妖術師ビキラの冒険ファンタジー、
「魔人ビキラ」を連載中。
水曜日、日曜日のお昼ほぼ12時台に、投稿しています。
良かったら、読んでみて下さい。
ビキラはまだ在庫がありますので、もう少しは連載出来ます。
よろしくお願いします。




