回文童話「台風の残り香」
思ったより大きな台風だった。
台風一過、某製造工場で被害点検を行なっている各部署の従業員たち。
「小さな物入れは倒されてしまったなあ」
「清掃道具くらいしか入ってないが、失敗だったな」
「ああ。工場内に引き込んでおけば良かった」
「あっ、見ろ! 第二プレス棟の明かり窓が!」
「うわっ、明かり窓が外れている!」
第二プレス工場の高みにある窓を指して、従業員たちが騒ぎ始めた。
話を聞きつけて、工場長がやって来た。
「すぐに新しい窓を入れるよ」
「いえ、窓はまだあるんです」
「舞っているんです、窓たちが!」
「窓枠の隅に止まって、ほら、あっちでもこっちでも!」
その明かり窓たちは、落下せずにいつまでもくるくると、それぞれの窓枠に角を置いて、回転していた。
「早く落ちろよ、危なくて下を歩けないじゃないか」
人集りは増えてゆくが、誰も近寄ろうとはしなかった。
「盆休み前の大掃除で拭き忘れたの、根に持ってんじゃないか?」
そうかも知れなかった。
(止まる窓と)
とどまるまどと!
回文ショートショート童話「のほほん」毎日更新中。
でしたが、在庫がほとんどなくなったので、
11月11日(土曜日)に、111篇をもって、
第一部完、とします。
思ったより補充が出来なかった。実力不足。無念。
また、書き溜めて、再開出来ればと思っています。
同サイトにて、回文妖術師ビキラの冒険ファンタジー、
「魔人ビキラ」を連載中です。
こちらはまだ在庫があるので、続きます。
よかったら、読んでみて下さい。
111まであと、5篇。のほほん、また明日。
本編「魔人ビキラ」の前書きの、ショートショートショート版を、
「ビキラ外伝」として別途掲載を始めました。
本編の前書きショートショートをやめて、「外伝」として本編に割り込ませて連載します。
「のほほん」みたいに無茶はせず、ぼちぼち連載します。
よかったら、「魔人ビキラ」読んでみて下さい。
「のほほん」と平行して書き溜めていたものです。




