回文童話「聖母マリアの決断」
有馬温泉をご存知だろうか。
兵庫県にあり、かの太閤・秀吉も愛したという名湯も存在する。
古泉に胡座を描くことなく、台頭して来る観光地に対抗すべく、新しい温泉と一大レジャーランド建設を、会議室で企てる有馬温泉学会の面々。
しかし、なかなかそう簡単に、妙案は浮かばない。
アイデアが出ない時はまさに、椅子に座る尻に剣山を刺すが如し。
会議は踊り、誰かが強気に発言をすると、誰かが無碍に反対するという、痛し勝ち気に機知貸したい、状態に陥っていた。
「ああ、神様!」
行き詰まって、ついに神頼みをする者まで現われた。
「神様は今、多忙である。私でよければ」
と、有馬温泉学会の会議室に、その、神々しい姿を現わす聖母マリア。
「な、なんと。祈りが天に通じた?!」
聖母にひれ伏す学会員たち。
「頭を上げて下さい。あなたたちの望みはなんですか?」
「お恐れながら、新しい温泉が欲しゅう御座います!」
「よろしい、善処しましょう」
こうして、聖母マリアによる温泉探査が始まった。
しかし、聖母マリアにとっても専門外のこと。
なかなか温泉は発見出来なかった。
そして今や、有馬の地を、温泉を探して彷徨う聖母マリアの姿は、有馬の一大新名物となったのである。
「いつまでも温泉が見つからないこと」を祈る学会員の必死な姿を、聖母マリアはまだ、知らなかった。
(サンタマリアの有馬探査)
さんたまりあのありまたんさ!
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と、
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今日のお昼は、「魔人ビキラ」を投稿しましたので、「のほほん」の方は今にズレました。
明日のお昼は、外出しますので投稿時間は、またズレます。
同サイトにて、回文妖術師ビキラの冒険ファンタジー、
「魔人ビキラ」を連載中です。
今日は、最新話を投稿しました。
よかったら、読んでみて下さい。
明日「のほほん」朝の話は予定通り投稿します。
ほな、また。




