回文童話「竹馬にしてライバル」
トオル氏とサトル氏は、竹馬の友だった。
そして、会社は違えど、両者とも柔道に勤んでいた。
社会人の柔道大会の対戦成績は、四勝四敗の互角。
良きライバルであった。
会って励ましあいたかったが、それはやめておいた。
トーナメントの決勝で当たる可能性の高い者同士が、試合前日に会うなど、怪しまれるだけだからだ。
「試合の打ち合わせでもしていたのではないか?」と。
しかし、電話をしてしまうサトル氏とトオル氏。
「いよいよ明日だな、トオル」
「うん。お互い、頑張ろうぜ、サトル」
「ぼくは必殺技を編み出したぜ、トオル」
「な、なんだって?!」
「きみの弱点を突いた必殺技だ。楽しみにしていてくれ」
「弱点の克服には研摩して来た。必殺技返しで勝つ!」
「わはははは。明日の対戦が楽しみだな」
「ああ、楽しみだ」
翌日、ふたりとも一回戦で負けた。
運命とは、おうおうにして、そういうものだ。
(爆沈竹馬)
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