7話目
「ここもここで、また不思議だね〜!ぽかぽかしてて暖かい!」
レンはスキップしながら言った。
コウは微笑んで
「ここは、暖かいから好きなんだ」
アイは上を見上げた。
優しい白い光が照らしている。
(なんだか…)
「おひさまみたい…」
アイが呟くと、レンとコウはキョトンとした。
アイはハッとして(またわたし変なこと言ったかな…)と口を塞いだ。
コウは「おひさま…」と呟くと、上を見上げた。
「…?」
アイは不思議そうにコウを見ると、コウはアイに気づき「なんでもないよ」と微笑んだ。
レンは「おひさまかぁ…」と呟き
「なるほどね」と小さく言った。
アイが「どうしたの?」と尋ねると、レンは「なんでもなーい!」と笑った。
(…2人して、かくしごとばっかり…)
アイは不満に思いながらも、諦めて前へ進んだ。
「ねぇ、アイちゃん。」
コウが声をかけてきた。
「どうしたの?コウ」
アイが返すと、コウはアイをじっと見つめ
「アイちゃんは、ここに居てくれないの?」
と尋ねた。
アイはキョトンとしていると、ふと、恐怖心に駆られた。
コウは、じっと見つめている。赤い瞳で。
「えっと…レンが一緒なら、ここに居たいよ…」
アイが絞り出すように言うと、コウは微笑んで「そっか、ここにいよ?ここは暖かいよ」と言った。
(…なんだったんだろう、今の…)
アイは疑問に思いながら「進もう」と言った。
(不思議と、進む度に空気が重くなっている気がする)
ふと辺りを見回すと、さっきよりも黒く、赤く見えた。
「…ねぇ、ここなんか変じゃない?」
アイが声をかけると、コウは「そうかな…?あまりこっちの方まで来なかったからわかんないや…」と言った。
レンは「そうなの?」と不思議そうに言う。
アイはレンの方を向いた。
「レンは、こっちから来たよね…?」
「?うん、そうだね」
「じゃあ…この空も見たはず」
レンは黙った。
アイはレンをまっすぐと見つめて強く言った。
「あなた、レンじゃないでしょ。」