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愛のない世界で  作者: 望うさ
4/16

4話目

「……」


何も言わずに歩く。


さっきと違うのは、アイが俯いているということだ。


「ここ全然変わんないね〜」


レンは気にせず笑顔で言った。


「……」


アイは何も言わずに進んだ。


暗い暗い水の中。


息はしていないのか、空気すらない。


「安心してよ、アイちゃん。ボクが守ってあげるから!」


レンは振り向き、笑顔で言った。




「だから__


その手を離さないでね、お嬢さん?」




「…ずっと一緒には居てくれないくせに」


アイが小声で言うと、レンはキョトンとしてから「あはは、ごめんね。アイちゃん。」と困ったように笑った。


「本当に、ここは不思議だね。ずっと居たくなっちゃうよ。」


レンは辺りを見回して言うと、前を向いた。


「でも、ダメだね。進まなくちゃ。」


アイは、何故レンがそう言うのか理解できなかった。


(…ここに居たいのなら、居ればいいのに。)


そして、何故自分がそう思うのかも、理解できなかった。


「あ!あそこ!奥に洞窟みたいなのがあるよ!」


レンが楽しそうに言うと、アイはジトっと見て「洞窟って…危ないとか思わないわけ?」


レンは「あはっ!それもそうかも!」と笑った。


「まあ、前に進まなくちゃでしょ?」


レンが笑うと、アイはため息を一つつき、「…わかった、進も」と言うと、歩き出した。




「まって…」


どこかから、声がした気がした。


「…?」


アイが振り向く。


……何も無い。


「…ねぇ、レン。何か聞こえ__」


アイの言葉を遮るように、足を掴まれた感覚がした。


「どうしたの?アイちゃ_」


レンは振り向き、言葉の途中で止まった。


「っアイちゃん!絶対手を離さないでね!」


レンが言った瞬間、下へ引きずり込まれた。


アイとレンの手は引き剥がされ、アイは沈んでいった。


「アイちゃんッ!!」




(レンの声が聞こえる。でも、もう…)









『次に待ってるのは明るい明るい、




白い白いお花畑。




ねぇ




君はこの場所を乗り越えられる?




勿論、君一人の力で_______』

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