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愛のない世界で  作者: 望うさ
2/16

2話目

「生き物とかも居ないね〜、つまんないなぁ」


「……」


アイは無言で歩き続ける。


「あっ!あそこに何かいるよ!アイちゃん!」


レンの声で振り向くと、大きな魚のような生き物がいた。


「どう見ても大きいよね〜」


「…うん」


レンはケラケラと笑うと「さて、行こうか!」と言った。




どこかに行き場所があるわけじゃない。


帰りたいわけでもない。


ただ、どこかに行きたい。




「それは、ボクも御一緒していいかな?」


レンが顔を覗き込んでいた。


アイはキョトンとし、口を開いた。


「ついてきて、くれるの?」


「勿論!多分ね、君とボクは似たもの同士なんだよ!ボクもどこかに行きたいんだ!」


そう言い、レンは手を差し伸べた。


(この人なら…わたしをわかってくれるかもしれない。)


アイは、改めてレンの手をとった。


レンは嬉しそうに目を細めると「改めてよろしくね!アイちゃん!」と笑った。


その笑顔の直後に、爆発音がした。


ギュッと目を瞑る。


目を開くと、レンが笑顔で居た。


「大丈夫?アイちゃん」


「…何の音?」


アイが呟くと、レンは笑顔で「あ〜、あれだよ!」と言った。


見ると、先程の大きな魚のような生き物が、何か黒いものを吐き、その黒いものは大きな爆発音と共に爆発した。


アイはギュッと目を瞑ってから


「…ねぇ、あれこっちに来てない?」と言った。


レンは楽しそうに「来てるね〜!」と笑った。


「さてじゃあ…戦うしかないか!」


(…何言ってるんだ、この人。あんな怪物勝てるわけもない。ましてや人間だし…)


アイが考えていると、レンは「んじゃ!ここはボクに任せてくれ!説明が省けそうだしね!」と言い、手を振った。


(…?説明が省けるって…)




「さぁ怪物くん!こっちだよ!」


レンが手を上げると、大きな魚のような生き物、怪物はレンの方を向いた。


「あはっ♡脳はないみたいだね!呼ばれて向くだなんてバカみたい!」


レンは嬉しそう…いや、もう変態レベルの歪んだ笑顔を浮かべていた。


「ねぇもう我慢できないっ!始めようか!最高のお遊戯をっ!」


レンが言うと、レンの回りに大量の銃が現れ、銃口を怪物へ向けた。


「せーのっ!Recital Time(お遊戯の時間)!」


掛け声と共に、大量の銃が一斉に発砲した。


レンの楽しそうな「もっともっと!」という声に合わせて、どんどん発砲していく。


怪物は避けることも出来ず、みるみる削れていき、そして消えた。

一瞬の出来事だった。


レンは「あ〜楽しかったぁ…♡」と恍惚の表情を浮かべていた。


アイが呆然としていると、レンは「どしたの?」と顔を覗き込んだ。


「あ、あなたは…一体…」


「ボクはね〜…『魔法使い』だよ!」

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