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愛のない世界で  作者: 望うさ
15/16

15話目

「でもねぇ、コウくんの居場所探したんだよ?」


レンは伸びをしながら言うと「はぁ…」とため息をついた。


「見つかったんだけどねぇ…」


レンは困ったように笑った。


アイはキョトンとして


「見つかってるなら、会いに行けばいいんじゃないの?」


と不思議そうに尋ねた。


レンはアイをじっと見つめると笑った。


「それもそうだね!行ってみよっか!」


そう言い、アイの家を出た。


「どうやって見つけてるの?」


アイが尋ねると、レンは「ふっふっふっ」と得意げに笑った。


「魔法だよ!ボクのできる範囲で、だけどね!あの不思議な世界でのことを覚えていれば簡単さ!」


レンが楽しそうに言うと、アイはムッとし


「つまり…どういうこと?」と尋ねた。


レンは手を前に出し「あ、いや企業秘密」と断った。


アイは更に不機嫌な表情になると


「もういい。さっさと案内して。」と言い、顔を背けた。


「あっはは!ごめんごめん!」


レンは笑うとアイの手をとり「ついてきて」と微笑んだ。




暫く歩くと、大きな建物についた。


アイは建物を見上げると「ここって…」と声を漏らした。


レンは寂しそうに笑った。


「うん。そうだよ。コウくんはね…」


「病院に、居るの…?」


レンの言葉を遮るように、アイが言った。


レンは「うん、ここに入院してるらしいよ」と言うと「友達ですって言ったら入れてくれるかな?」と首を傾げた。


「…レンの魔法でどうにか入れない?」


アイは、レンの手を引っ張り、まっすぐ見つめて言った。


レンはキョトンとすると「はは、それでいいの?」と困ったように笑った。


「いいの。確実に入れれば。」


アイが少しムッとして言うと、レンは「まっかせて!」と笑った。


そして、アイとレンは人気の無い所へ行った。


すると、レンはどこからか杖を取り出し、目を閉じた。


笑ったまま、何かを唱えている。


残念ながら、その声はアイには聞こえないようだ。


瞬きをすると、そこはもう病院の中だった。


「転送魔法だよ」


驚いているアイの隣でレンは微笑んだ。


「さ、行こっか。場所はわかってるから。」




「これって…バレない?」


「ボク達の姿を見えなくしているからね!大丈夫大丈夫〜」


アイが不安そうに尋ねると、レンはヘラヘラと笑って答えた。


レンは、ひとつの病室の前で立ち止まった。


「ここかな」


そう言うと、扉を開けた。


そこには…


「コウ……」


そこには、ベッドで眠っているコウが居た。

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