13話目
「…?レン、どうかしたの?」
アイがレンの方を心配そうに見ると、レンは慌てて笑顔を作り「なんでもないよ!」と言った。
コウは涙を拭うと
「えっと…さっきは勝手に動いてごめんなさい…」と謝った。
レンとアイはキョトンとすると、レンは「無事だったんだからいいよ。気をつけてね!」と笑った。
アイは、その言葉に頷き「無事でなにより」と言った。
レンは「さてさて!探索の続きと行こっか!」と言うと、さっさと前に進んでいった。
アイは、コウに「じゃあ、行こう」と言って手を差し伸べた。
ガタンッ
その音と同時に、どこからか放送が鳴り出した。
『お次は、たのしいたのしいお遊戯会。
楽しんでね、楽しんじゃうよ。そんな場所
みんなで遊んでね。仲良くね。』
言い終えると、ブツンッという音と共に静かになった。
レンは「お遊戯…」と呟くと
「あっはははははは!」と狂ったように笑いだした。
「お遊戯?このボクにお遊戯だって?
舐められちゃ困るよ!お遊戯はボクの得意分野だ!」
「レン、何が起きるかわからないんだから、もうちょっと冷静に…」
アイが困ったように止めようとした瞬間、棚が揺れ始めた。
コウは「な、なに…!?」と怯えながらも、アイの手を離さないでいた。
レンは笑顔で振り向いた。
その顔は、どこか不気味さを纏っていた。
「さて、仕方がないから、このお遊戯は終わりにしよう!」
不気味な笑顔でそう言うと、片手を上へあげた。
「さぁ…Recital Time(お遊戯の時間)」
その声と共に、放たれた銃弾。
それはコウの持っている人形を撃ち抜いた。
コウは、銃弾の衝撃でふらつくと、アイは急いでコウの身体を支えた。
「…っレン、もうちょっと考えないの…!?
このままじゃ、コウが怪我するかもでしょ…!」
アイがレンを睨むと、レンは「え〜?」と笑った。
「だって、その子もともと敵でしょ?別にいいかな〜って!」
レンは笑顔でそう言うと、軽い足取りでアイのもとへ近づいていく。
そして、アイの目の前に屈んでこう言った。
「お嬢さん、君は何をお望みだい?」