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愛のない世界で  作者: 望うさ
10/16

10話目

『終わったんだ?




そう、一人じゃないんだ




その子を助けたいの?




君一人の力で?




できるといいね。




ほら、待ち人のお出迎えだよ。』




真っ白な光に包まれて、目を開くと、室内のような空間だった。


「アイちゃん!」


聞き覚えのある声がした。


そちらを見ると、レンが走ってきた。


「よかった!無事だったんだ!」


レンは安心したような笑顔を浮かべると、眠っているコウを見て「あれ?その子は?」と言った。


「この子は、コウだよ。優しいお花畑で会ったの。」


「優しいお花畑…?」


レンはよくわかっていないような反応をしていた。


「うん、すごく優しいお花畑…」


「…そっか、アイちゃんが言うなら、優しいんだろうね」


レンは微笑むと「じゃあ、その子が起きたら自己紹介しないとね!」と笑った。


(本物のレンだ…)


アイの目から、涙が溢れ出した。


「あ、れ…?」


アイが困惑の声を漏らしていると、レンはキョトンとしてから、優しく微笑み、アイの頭を撫でた。


「よく頑張ったね、アイちゃん。」


アイは涙を流した。ただ、静かに。


それから暫くして、アイが泣き止むと、コウが「う…」と声を漏らし、目を開けた。


レンは「お!生きてた!」と失礼なことを言う。


アイは泣きはらした目でレンをジトッと見ると「失礼」と一言いった。


「初めまして〜!ボクはレンだよ!よろしくね!君はなんて言うのかな?って、もうアイちゃんから聞いてるけど!あははっ!」


コウが、レンのテンションの高さに怯えていると、アイは「レンやめて。コウが怖がってる」と怒った。


レンはパッと離れると「ごめんごめん」と笑った。


(よかった…ちゃんとレンだ…)


アイはどこか安心しながら「ごめんね、コウ」と言った。


コウは「だ、だいじょうぶ…」と小さく言った。


(なんだか、お花畑の時と雰囲気違うな…)


アイがそう思ってコウの方を見ると、コウは困ったように「アイちゃん、ありがたいんだけど…そろそろ離してくれる…?」と言った。


アイはそれを聞いて、ようやく自分がずっとコウを背負っていたことに気がついた。


「あ、ごめんね」


アイはそう言うとコウのことをおろした。


コウは布をギュッと掴み、アイの後ろへ行った。


「…?」

アイは困惑しながら(もしかして人見知りなのかな?)と思った。


すると、レンは「あれ?」と声を漏らした。


「よく見たら君、初めましてじゃなくないかな?」


その言葉を聞き、アイはコウを見た。


「そうなの?コウ」


「ねぇアイちゃんなんでその子ばっかりなの」


レンはジトッとアイを見ながら言っていた。


アイはレンを無視してコウの返事待っていた。


コウは、アイの後ろから顔をひょこっと出し


「いっかいだけ、その人があのお花畑に迷い込んできたの」と答えた。


アイは「なるほど」と言うと、レンの方を見て「で、なに?」と尋ねた。


レンはムッとして「いやー?別にいいけどさ〜…」 と不満げだった。


「まあ、この場所がなんなのか、調べよう」


そう言うと、アイはコウに手を差し伸べた。


コウが恐る恐るその手をとると、その様子を見たレンは「よしきた!」と言い、アイのことを引っ張った。


「早速、探索開始だ!」

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