東方物天秤 第3章 1話 自分と同じ雰囲気の男
つい最近、自分は妖(100%)になった。と言っても感じ取れる程の差はあまり無い。強いて言っても能力が強化された位だ。
今日は、護身用で弾幕の出し方を霧雨氏に教えてもらうつもりだ。一応、妖怪になったんだし、弾幕の一つや二つ出すことは可能だろう。ただ、アポは取っていないが、まあ大丈夫だろう。
霧雨魔法店付近
商益「いきなりで悪いが、護身用の弾幕を張る方法を教えてほしい。恐らく必要なのだ」
魔理沙「なんで必要なんだ?」
商益「遠くに旅する時、他の妖怪に襲われないようにな」
魔理沙「…いいぜ!偶然今は暇だしな」
商益「ありがたい」
魔理沙「準備が出来たらこっちへ来てくれ」
商益「わかった」
_____________
商益「…視線を感じるが、気のせいか?」
魔理沙「準備できたぞー」
商益「ん?ああ、今行く」
・
・
???「…」
・・・
魔理沙「じゃ、始めるぞ」
魔理沙「まず初めに弾を出せるようになるまでだな」
商益「あ、その事なのだが、能力で細かい所は写し取るから色々な種類の弾を出してくれれば十分だ」
魔理沙「あ、そうだったそうだった。都合よくて助かるな!」
商益「じゃあ頼むぞ!」
魔理沙「おう!」
・・・・
魔理沙「簡単な奴はコレで全部だぜ」
商益「これくらいあれば護身用としては十分だ」
商益「が、制御が上手くいかないんだよなぁ…」
魔理沙「こういう時は一度最大出力で出すと制御できるって聞いたことがあるぜ」
商益「そういう物なのか?」
魔理沙「そういう物だ『弾幕は火力』だぜ」
商益「何かしら被害が出るんじゃ?」
魔理沙「弾を防ぐから大丈夫だぜ」
商益「ホントに?」
魔理沙「ホントに」
商益「なら最大出力を出すぞ…!」
魔理沙「そう来なくっちゃ!」
・・・
商益「…よし、今から最大出力を出すが、しっかり弾いて欲しい」
魔理沙「分かってるって」
商益「始めるぞ」
スゥゥゥゥゥゥ……
商益「はっ!」
ドドドドドドドドドドドドドシュゥ!
魔理沙「!? は、早い!こ、こんなの聞いていないぞ!」
商益「す、すまない!〈弾幕を止める〉」
魔理沙「私は大丈夫なんだが、取りこぼしがちらほら‥って、あそこに誰かいるぞ!」
商益「危ない!」
???「……!」
‥ ‥ ヒュン… バン!
商益&魔理沙「!?」
魔理沙「商益、これは見間違いじゃないよな?」
商益「ああ、確実に見間違いじゃない。弾同士が引き寄せられて対消滅した。もう一度言う。見間違いじゃない。確実にだ」
魔理沙「だが、私の知っている限りではこの芸当が出来るのは一人しか居ないんだが、そいつは今別の所に用事があって居ない。となると…」
商益「あの噂の人だな」
???「おい、危ねぇやんけ。当たったらどうするつもりだったんや?」
???「って、あんさんが俺が探している人やっちゃな。商益とやら」
商益「何故探しているのかと聞きたい所だが、まず名前を名乗れ」
???「俺の名前は 繋来 風渡 (けいらい ふうと)や。てか、俺が名乗ったんだしあんさんも名乗りんしゃい」
商益「自分の名前は儲平 商益 と言う。だが、続きはもう少し静かな所で話そう。ここなら、自分の小屋が近い」
風渡「なら、そこで話そうやないかい」
・・・
風渡「雰囲気も良うなったとこだし、しっかり話そうやないか」
風渡「いきなりやけどな、俺は平行世界線上のアンタや。って、あまり驚かへんやんけ」
商益「まあ、予想できる内の一つだったしな。それに関する文書もある。どうせ平行世界を移動できる系統の能力を持っているのだろ」
風渡「次行くで、俺の能力は【全てを繋ぐ程度の能力】や。あの対消滅も、弾幕を能力で繋いだのを一気に近づけてやったんや」
商益「おお、それであんな芸当が出来たんだな」
風渡「そしてやな。
今俺は元の世界線に帰れなくなっているんや!助けてくれへんか!?」
商益「待て待て待て。話が飛躍しすぎだ!もっと段取りをつけて話してくれ」
魔理沙「私はそれ以前に話についていけてないぞ!」
風渡「…すまへん。今から詳しく説明するから勘弁してくれや…」
30分後…
商益「では、簡単にまとめると
①あちらの幻想郷に幻想入りする(ついでに妖になる)
②父が残した傘にエネルギーを送る
③こちらへ来てしまう。おまけに傘が壊れた(但し、修理すれば帰れる…かも?)
④そして山に隠れた
という事か」
風渡「大体そんな感じや」
商益「で、会ったは良いが、これからどうするつもりだ?」
風渡「いや、まあ、実は何も考えてないんやけど、何とかなるかもと思うて」
魔理沙「結構リスキーだなぁ…」
商益「だが、繋来氏は運が良い」
風渡「なんで運が良いんや?」
商益「繋来氏は傘を使ってここに来たんだよな?」
風渡「そうやけど、それが何か関係あるんか?」
商益「関係大アリだ。さて、ここに平行世界へ行けるアイテムの設計図がある。ついでに材料もある。」
風渡「という事は帰れるんか!」
商益「ああ、帰れる。おまけにだな、このアイテムは設計図通りだと傘の形をしている」
商益「これが意味するのは何だと思う?」
風渡「! 先祖がこの傘を使って交流していた可能性が多いって事かいな」
商益「そう言う事だ!後、修理している間はこの小屋で寝泊まりしてくれ」
風渡「マジかいな!ありがたいこっちゃな」
商益「但し、寝泊まりは一部別にしても修理は条件がある」
風渡「…何や」
商益「その条件は『修理している間、テント内にある物片っ端から調べ、宝の地図(みたいな物)があればそこへ行き宝を持って帰って来る』だ。後は修理の手伝いをぼちぼち」
風渡「…へ?そんな簡単なことでええんか?それくらいの事なら喜んでやるで!」
商益「じゃあ、交渉成立だな」
風渡「それと、修理する途中、精密なとこはあんさんに任せるけどな、単純作業な所は大体任せてもろてええで」
商益「何故?」
風渡「実はな、俺の家修理屋やってんねん。口で伝わる位の事ならちょちょいのちょいや」
商益「それは助かる。では、簡素な所は頼む」
風渡「任せとき!」
(16:00の鐘)
魔理沙「おっと、もう良い時間だ。私はそろそろ帰るぜ」
商益「また明日」
魔理沙「おう!」
ガチャ キィー バタン
商益「さて、霧雨氏も帰って行ったし、あちらの世界の事とか現在所持している物の事とかを語り合おうではないか」
風渡「ええ考えやな。でも、俺が話すんやしあんさんも語ってくれよな」
商益「勿論」
2020/7/12(日) 21:45
今日、平行世界上の自分にあった。名前は「繋来 風渡」
ただ、繋来氏は帰る手段のアイテムが壊れている為、アイテムを修理している間は自分の小屋に居る。部屋が狭くなるのは少し嫌だが、仕事を手伝ってくれるらしいから存分に手伝ってもらおうと思う。
最近掘り出した謎のマシン(CDプレイヤー型)を調べてもらうとかどうだろうか。