東方物天秤 第1章 2話 香霖堂
昨日は色々なことがあった。八雲氏の知り合いを紹介するとは言っていたが、巫女と魔女だったとは。神社にはお参りしたが、全く人が来ていなかった。大丈夫なのか?このままだと危なそうなので、博麗氏に万札を渡しておいた。手持ちの金は多いから別に困らないからいいが。…昨日、能力についた分かったことが2つある。1つは調べる権限のある物しか鑑定ができない事、もう一つは2つ以上の物を一緒に鑑定すると、特別な情報が得られる事。どちらも大きな収穫である。ただ、まだ能力が全て出ていないと言っていたが、どんな能力なのだろうか…
そういや、今日からテント暮らしが主になったからか、夢見が良くない。
今日は、「香霖堂」という店に行くつもりだ。場所を教えてくれた霧雨氏が言うには、そこには森近霖之助と言う半人半妖の店主がおり、外の世界の物とかが沢山あるらしい。話もつけてくれているようだから、とても楽しみだ。
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香霖堂
商益「…教えてもらった情報によるとここか」
ギィィィィ
霖之助「いらっしゃい、話は聞いてるよ。なんでも、物の情報を調べられるとか何とか」
商益「そこまで話をつけてくれていたのか、話が早くて助かる」
霖之助「さて、ここに来たからには僕に何か用があるのだろう?」
商益「ああ、自分は森近氏と取引と話をしに来た」
霖之助「あまり売れるものは無いと思うが、まあ見て行ってくれ」
霖之助「さて、僕はお茶を入れてくるよ。少し待っていてくれ」
商益「ありがたい」
商益(待ってる間は少し暇だな…)
・・・
商益「それにしても、珍しいものが多いな…蓄音機なんて本でしか見たことが無いぞ…」
商益「…! この売り物を「鑑定」してみるとどうなるのだろうか…?」
商益「・・調べてみる価値はありそうだ」
「取引」
蓄音機
商益「ここは一緒だな」
売値 非売品
価値 3625円
=購入不可 価値<売値 ※譲渡可能
商益「おお!じゃあ、時計はどうなんだ?」
時計
売値 1200円
価値 1300円
=購入不可 価値>売値
商益「これもダメなのか…もしかして」
1ドル紙幣
売値 105円
価値 105円
=購入可能 価値=売値
商益「やはり、そういうことか」
商益「物を売るときはどうなるんだ?持っているティッシュボックスを使ってみよう」
ティッシュボックス
買値 200円
価値 120円
=売却不可 価値<買値
商益「売ることも同じなのか…」
霖之助「待たせてすまなかったね。…何かあったのかい?」
商益「ああ、聞いてくれるか?」
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霖之助「そういうことがあったのか…」
商益「八雲氏が全部の能力は出ていないと言っていたのはこの事だったのだな」
霖之助「この能力を使ってくれたら価格設定が楽だよ」
商益「ただ、この能力は欠点の方が大きいな」
霖之助「僕はまだ能力が出きって無いと思うな」
商益「そう言ってくれて助かるよ」
霖之助「それはそうと、何か買っていくかい?」
商益「ああ、欲しいものは沢山あるからな」
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商益「もう夜か。1日が経つのは早いな」
商益「森近氏、テントを外に張らせてもらっても良いか?」
霖之助「ああ、良いよ。物も買ってもらったし」
商益「ありがたい。そういや、これから先行くところは決まってないな。森近氏、何か知っている所は無いか?」
霖之助「それだったら、玄武の沢に行った方が良いよ。物作りが得意な河童達がいるから、君の目的にぴったりだと思う。ただ、そこに行くには結構な日数がかかる。もっとも空を飛べる者なら別だが」
商益「わかった。情報提供感謝する」
商益(明日からそこへ行ってみようかな…)
2020/5/28 21:35
今日は香霖堂で色々な物を買った。どれも素晴らしく難解な物で、場合によっては自分の能力が無いと分からない物まであった。そういや、まだ出て無かった能力が分かった。物を等価交換すると言う物だ。まあ、取引と呼んでおこう。
明日から、玄武の沢と言う所に行ってみようと思う。食料品はあるし、足りなそうだったら里で購入するつもり。
…ここ最近、自分の一族に疑問を持っている。そもそもここに来れたのが少し不思議だし、自分も父さんも他の人と比べて身体年齢が若かった。それに、一族の職業が何でも屋なのがその不思議を深くしている。…今は深く考えても何も出ないだろうから、とりあえず今日の所は寝るとする。