東方物天秤 第7章 2話 発覚!そして戦闘準備へ
ここ数日の内で、何でかクリスタルが追加で二つ出現しとった。何で?
それはともかく、今日はボヤ―はんの船の資料室に行って商益はんの…病気?についての資料を貰おうと思っとる。
まあ、最初に指定された3日目くらいに資料室に行ったら「まだ見つかっていません」でダメやったけど、今回はその日から追加で2日経ったから大丈夫やろう。
「最後の幻想」号資料室
風渡「資料室はここで合っとるはず…あ、ガナットはんとノアテルはん」
ガナット「あ、おはようございます」
ノアテル「おはようございます」
風渡「そういやボヤ―はんは?」
ガナット「ペイリならまだ寝ていますよ。あの人ロングスリーパーなので…」
風渡「…ガナットはんはボヤ―はんのことをペイリって呼ぶんやな」
ガナット「そうですね。やっぱり、長年の付き合いだとこの呼び方がしっくりくるので」
風渡「長年の付き合いって…あんさん何歳なんや?」
ガナット「言いませんよ…でも、成人はとっくに過ぎていると言う事だけは伝えておきます」
風渡「分かったわ」
ノアテル「繋来さん、ここにキたリユウは…まあ、どうせシリョウのコトでしょう」
風渡「そうや」
ガナット「資料の事でしたら、もう探し終わりました。これです」
風渡「えーと何々、タイトルは…『エネルギーと暴走について』?」
ガナット「26ページと53ページ、後58ページを見て下さい」
(以下要約含む資料の記述)
26ページ
『長年の研究により、暴走はエネルギーが溜まりすぎた場合起こしてしまう事が判明した。ただし、本当に暴走を起こしてしまう人は極僅かであり、それ以外の人は単なるストレスで終わってしまう』
53ページ
『暴走は、簡潔に言うとエネルギー過多の産物なのだが、逆に言うと原因はエネルギーが由来の為病原体などが存在せず、暴走の前兆の判断が難しくなっている』
58ページ
『暴走が起こる際、起こった者がどの様な挙動をするか明確には分かっていないが、動きがとても燃費が悪い事だけは共通している』
風渡「確かに、商益はんの症状に当てはまっとるな、病原体が存在しとらんのも一緒や」
ガナット「この事を一刻も早く関係する人に伝える必要があると思います。資料はご自由に」
風渡「ほんなら、俺は一旦戻るわ。あ、この資料貰うで」
・・・
商益宅
風渡「ただいま、ってまだ早いから誰もおら…
うおっ、八雲はんがおるわ」
紫「その傘は…」
風渡「この傘が何や?」
紫「何でもないわ。それより、貴方誰かしら?」
風渡「…あ、こっちの世界の八雲はんにはまだ会っておらんのやったかな」
風渡「俺は繋来風渡、訳あって商益はんの知り合いや」
紫「繋来ね…」
風渡「で、何で八雲はんがおるんや?」
紫「様子を見に来たのよ」
風渡「そうなんか、でも何故?」
紫「重大な事が判明したからよ」
風渡「…もしや、暴走に関してか?」
紫「!?何でそれを知っているのかしら」
風渡「こっちもこっちで打開策を探した結果それが分かったんや」
紫「どこまで分かっているのかしら?」
風渡「一から説明すると長くなるからこの資料を呼んでくれや」
紫「…結構しっかり書かれているわね。でも、大事な事が一つ欠けているわ」
風渡「何や?」
紫「彼の着けているペンダントは暴走を抑制している事よ」
風渡「何で分かるんや?」
紫「前提として、まず彼の親の事を知っているかしら?」
風渡「まあ、少しは知っとる。とても長生きした妖怪とかなんとか」
紫「その通りよ。…本題に移るけど、その彼の親も私の見る限り一度だけ暴走したことがあるわ」
風渡「ホンマかいな」
紫「本当の事よ。疑うなら貴方の世界の方の私に聞けば良いと思うわ」
風渡「…俺に関係することも何か知ってるっぽいな。でも、脱線するから他の時にするとして、暴走した商益はんの親はどうなったんや?」
紫「無事元に戻ったわ」
風渡「どうやって?」
紫「普通に、彼を倒して解決したわ。それで、ここからが重要なのだけれど、彼、ペンダントが無いときは抑制が出来ないと教えてくれたのよ。尤も、事件が起こったのは何百年も前の話、はっきりと覚えてはいないわ」
風渡「それで、俺はどうしたらエエんや?」
紫「戦力を集める必要があるわ」
風渡「俺は三人なら呼べるで。あ、言っておくとそれなりに強いで」
紫「私は私で数人か呼んでおくわ」
風渡「分かった」
紫「それじゃあ、頼むわね。頼りにはしていなけど…」
風渡「頼りにしていないってなんや!…いってしまったわ」
風渡「…船に行けばエエんよな?」
・・・
船長室
風渡「あ、ボヤ―はん」
ボヤ―「あ、繋来、ケミスはどこにいるか教えて欲しいんだナ」
風渡「ガナットはんなら資料室や。俺も用があるから一緒に行こうや」
ボヤ―「そうだナ」
・・
資料室
ガナット「ペイリ、やっと起きたんですか…もう10時ですよ」
ボヤ―「ありゃ、少し寝過ぎたナ」
ガナット「はぁ…それと、繋来さん、お帰りなさい。何か収穫ありましたか?」
風渡「少しだけや。端折って言うと商益はんと戦う必要があってその為に戦力を上げないけへんのや」
ボヤ―「…それなら、見せたいものがある。ついて来るんだナ」
・・
ワークショップ
風渡「はえ~こう言う部屋もあるんやなぁ」
ボヤ―「戦力を上げるには武器が一番だナ。特に剣とか」
ガナット「銃もお勧めですよ!」
ボヤ―「銃も良いけど…ケミス、アンタはダメだナ」
風渡「何でや?」
ボヤ―「アイツに持たせるとロクな事が無いんだナ」
風渡「どんな事や?」
ボヤ―「それは言えないナ。ま、最終手段みたいな感じに捉えてもらったら良いんだナ」
風渡「分かったわ」
ガナット「で、繋来さん、何か強い武器を持っていますか?」
風渡「それなら、前に使った電撃を発する剣があるで。ついでに言うと改造パーツもちょいちょい」
ボヤ―「それ、全部見せて欲しいんだナ」
風渡「剣とパーツなら今持っとるわ。ほい」
ガナット「どの組み合わせが一番強く感じました?」
風渡「そりゃ、この初期パーツや。分解した方がエエか?」
ボヤ―「出来るのならナ」
・・・
風渡「ほい、分解したで」
ボヤ―「そうしたら、これを複製だナ
…はっ!」
風渡「しれっと手からパーツ複製したのを出しとるけど…いや、もう聞くのも野暮やな」
ボヤ―「ケミス、このパーツを一つの武器にしナ」
ガナット「はい。少し待って下さい。」
・・
ガナット「一つに出来ました!」
ボヤ―「これで実用出来るんだナ」
風渡「…言い忘れとったけど、その武器、商益はんのペンダントが無いと電撃は発生しやへんで」
ボヤ―「なら、ペンダントを使えばいい話だと思うんだナ」
風渡「…それが、あのペンダント、商益はんの暴走を抑制するのに使われていて使用できないんや」
ボヤ―「あちゃー…」
ガナット「まあ、こう言う時は改造して使えるようにするんですけどね」
風渡「そしたら、詳しくは分からへんけどどうせ数日もしたら実戦やと思う。その日まで改造出来るんちゃうか?」
ガナット「商益さんと戦う日まで、出来る限りの事を尽くしましょう!」
日記は書かれていない…
だが、近いうちに書かれる様になるだろう。