東方物天秤 第6章 3話 迫真棒読み者 演奏の裏技
最近、特に病気が悪化してきているが、繋来氏が一週間かけて医者を呼んでくれた。それも幻想郷一の八意氏を。これで良くなれば良いのだが…何か1つ引っかかる。はっきりとは分からないが。
自宅
永琳「…」
風渡「商益はんはどう言う病気なんや…?」
永琳「申し訳ないけれど、全く分からないわ…」
風渡「ええ!?」
商益「げ…幻想郷…一の…名医が…匙を投げて…しまったか…」
ガナット「て…手がかりも無いんですか?」
永琳「ええ」
ボヤ―「オゥ…不味いナ…」
風渡「何故手掛かりすら無いんや?」
永琳「病原体がひとつも無いのよ」
商益「………」
風渡「何や商益はん。何とも言えへん顔して」
商益「…医師は…必要…無かった…」
ボヤ―「ええ?何でなんだナ!?」
商益「黒い…石に…ついて…考えて…いたら…分かった…」
ガナット「ど…どう言う事です?」
商益「この…黒い…石は…必要な…場所…へ…誘う…効果が…ある…はずだ…」
風渡「ま、ペンダントと二人の件からそうやろな」
商益「なら…何故…ペイリッツ氏と…ケミスコール氏は…ここに…来れたんだ?…」
風渡「そりゃ黒い石が二人を必要としたからに決まって…あ!」
商益「これで…分かった…だろう…医者は…必要無い事は…」
ボヤ―「オオゥ…」
ガナット「な…なら、直ぐにでも船を動かしましょうか?」
風渡「ま、それが一番やろ」
商益「…すまない…よろしく頼む…」
風渡(…あれ?俺が一週間かけて医者呼んだの無駄やった?)
・・・
船長室
風渡「おっ!船長室はこうなっとるんか。趣味エエな」
ガナット「そう言ってもらうとありがたいです」
ボヤ―「ケミス、さっさと錨を上げに行きナ!」
ガナット「は…はい…」
風渡(…待っている間はひm)
ガナット「上げてきました」
風渡「早っ!」
ボヤ―「よし、次は運航開始の通信を入れナ」
ガナット「え…またアレやるんですか…?アレだけは勘弁して欲しいけどなぁ…」
ボヤ―「ヒツヨウな事だろ、さっさとやりナ」
ガナット「はい…」
風渡「何が始まるんや?」
ボヤ―「まあ見てナ」
ピピッ
ガナット「コホン、『全クルーに告ぐ!これより、運航を開始する。直ちに機関部のクルーは発進準備をし、それ以外の者は衝撃に備えよ!』」
風渡「通信の時だけは口調を変えるんか、無理してるっぽいけど」
ボヤ―「ケミスはナ、船員の前ではあの性格を見せたくないらしく、ああやってキョセーを張っているんだナ。モチロン、無理して」
ガナット「何を話しているんです?」
ボヤ―「あ、世間話だから気にするナ」
・・
ボヤ―「発進!」
風渡「うおっ!衝撃が」
ガナット「ぼ…僕に摑まって居て下さい…」
風渡「すまへん」
ボヤ―「安定したから、そろそろ手を離しても良いんだナ」
ガナット「と…取り合えず、そこにある椅子に腰かけて下さい」
風渡「ほいな。…で、まずどこに行くつもりなんか?」
ガナット「ペイリの話だと、知り合いの居る星に行くそうです」
風渡「ん?星って事は…」
ボヤ―「ま、所謂宇宙船って奴だナ」
風渡「それで空一面星空ってワケかいな」
ボヤ―「着くまで30分かかるから、ケミスと話してナ。アタシは船を操縦するのに忙しいからナ…」
ガナット「なので、何か聞きたかったら僕に聞いてください。少し恥ずかしいけど…」
ボヤ―「まあ、ヒトコトフタコト位なら言えるから、小さい事はアタシも答えるからナ」
風渡「分かったわ」
・・・
風渡「そういや、二人の事をどう呼べばエエんや?」
ガナット「僕は普通にガナットで良いですけど…別に、僕と分かれば何でも良いです」
ボヤ―「アタシはボヤ―で、別で呼ぶなら船長で頼むナ」
ガナット「逆に貴方はどう呼ばれたいです?」
風渡「呼び捨ての風渡でエエわ」
ガナット「分かりました」
風渡「ほな、それでよろしゅう頼んます」
風渡「他にも聞きたい事があるんやけど、あんさん達ってペンダント持っとる?」
ボヤ―「アンタの首に引っ提げている様な感じのペンダントだよナ?」
風渡「せや」
ボヤ―「アタシのは別の所に保管しているナ。と言うか、大事な部品に組み込んでるから無いのと同じだナ」
ガナット「僕のはどこに行ったか分からなくなってます。探せば見つかるとは思いますが…」
風渡「ま、今は見ることはできないってこっちゃな」
ガナット「そう言う事です」
・・・
風渡「結局聞き忘れとったけど、ボヤ―はんの知り合いっちゅうのはどう言う人なんか?」
ボヤ―「腕利きの女演奏者だナ。名をノアテルと言う」
風渡「そうなんか」
ボヤ―「そうなんだナ。ただ、ザンネンな事が一つあるんだナ…」
風渡「何や?」
ボヤ―「びっくりする程、話が棒読み。直す気も無い」
風渡「それは残念やなぁ…」
ボヤ―「っと、そろそろ彼女の居る星だナ。しっかり摑まって居ナ!」
・・
ボヤ―「よし、着陸成功なんだナ」
風渡「もう外は出れるか?」
ボヤ―「モチロン出れるで」
ガナット「…所でペイリ、前回ここに来たのはいつ位前の事だったっけ?」
ボヤー「えーと、もう10年位前だったかナ…」
風渡「…あんさん達、大人に満たない見た目しとるけど…一体年齢は幾つなんや?」
ボヤ―「また時間があったらナ」
・・・
ボヤ―「確か、そろそろノアテルの家だった筈…」
スッ
ノアテル「もうイますが」
ガナット「!お…お久しぶりです。ノアテルさん…」
ノアテル「ハナすのがニガテなのは10ネンタってもカわらないヨウですね」
ガナット「そ…それは言わない約束です!」
ノアテル「はいはい。で、そこにイるのは」
風渡「繋来風渡や。よろしゅう頼んます」
ノアテル「マルトン・ノアテルです。これからよろしくおネガいします」
ノアテル「で、ナンのヨウですか」
ボヤ―「何でも、風渡のトモダチがヤバい状況になっているらしいんだナ。早い話が助っ人を頼みたいんだナ!」
ノアテル「フダンだったらダメとイうトコロですが、アナタだけはベツです。キョウリョクしましょう」
風渡「よっしゃ!」
ボヤー「アンタの部屋はまだ残してあるから心配はいらんからナ!」
ノアテル「それでホコリまみれとイうオチでしょうね」
ボヤ―「だろうナ」
風渡「…ノアテルはん、その棒読みどうにかならへんの?」
ノアテル「なりません。ウまれたトキからこうなので」
風渡「そうかぁ…で、話変わるけどボヤ―はん、次はどこに行くつもりや?」
ボヤ―「後は船で探し物だナ。商益の病気についての文献が足りなすぎる」
ガナット「探し物は、
数日は確実にかかります…!覚悟の準備だけでもしておいて下さい」
2020/10/29 22:15
また一人 助っ人を 連れてきた らしい。 嬉しい 限りだが 体が あまり もたなく なって 来ている。 ひとつき ほどか それいか か