東方物天秤 第6章 1話 病は気から
正体不明の病気にかかってしまった。薬を飲んでも良くなるどころか悪くなるばかりだし、とても辛い。一体どんな病気なんだ…?先日貰った黒い石が何か役に立てば良いのだが
自宅
商益「ゲホッゲホッ、ゼ―、ゼ―、」
風渡「商益はん、無理せんでくれや」
商益「す、済まない…」
風渡「別に俺はええんやけどな。それよりも、あんさんがどんな病気かが心配や」
商益「自分は、全く見当がついていないが…」
風渡「ほんなら、外の世界の流行病は?」
商益「それは無いな。確かに外ではコロナウイルスが流行っているが、ここに来る寸前にかかったとしても潜伏期間はとっくのとうに過ぎているはず」
風渡「ほんなら、風邪の可能性は?」
商益「この症状から見て絶対に無い」
風渡「そうなんか…で、コロナウイルスって何やの?」
商益「…知らないのか?」
風渡「知らへんわ。だって、俺、あんさんの方の幻想郷に来たのはつい数ヶ月前やけど、俺の方の幻想郷に来たのは一年位前やからな。てか、俺の方ではそもそも流行してへん可能性すらあるんやけど」
商益「そうか…なら説明するが、コロナウイルスは主に肺炎を患わせるウイルスで、今年辺りに流行り始めた新しいウイルスだ。その為、新型肺炎ウイルスとも呼ばれている。感染力、致死性どちらも高い危険なウイルスだ。ちなみに、正式名称はCOVID-19」
風渡「説明ありがとさん」(でも、説明そこまで必要だったかいな…)
商益「で、何か策はあるか?」
風渡「当然の如くあらへん」
商益「そうか…」
風渡「でも、あんさん何か持っとるやろ」
商益「…この石か?」
風渡「そう、その石から何かアンカーと似た反応が出とるんや。もしかしたら、それを通じて珍しい場所へ行けるかもしれへん」
商益「なら、氏に預けよう」
風渡「ほんなら、少し見に行ってくるわ」
商益「出来るだけ早く戻って来てくれ、頼む。 ゲッホゲッホ…」
風渡「ホンマ、無理せんでくれや…」
・・・
風渡「石を辿って来た訳やけども…」
場所不明
風渡「ドコやココ?」
風渡「床は金属やし外の景色は辺り一面宇宙やし…てか自然が一つもあらへん」
風渡「あるとするなら立ちはだかっとるバカでかいカベ…」
風渡(…何や?あの釣り針っぽいのは。アレを使えばカベの上に行けるかも知れへんな。でも、あんなハリだけじゃ昇りきれなそうやし、他に行けそうな所もあらへんから…戻るしか無さそうやな)
・・・
二度目の自宅
風渡「戻ったで」
商益「思ったより早かったな」
風渡「まあ、今の状態では行けそうに無かったからなぁ」
商益「ところで、石はどうなっている?」
風渡「…お、よう分からんのではあるけど、別の反応が出とるわ」
商益「そうか、どんな反応だ?」
風渡「説明はムズイけど、取り合えずエリア探知までは一緒や」
商益「なら、これを持っていけ」
風渡「あ、例の音叉やな」
商益「前に調べたとき、宝箱を探すだけでなく、これは他の物と共振反応を示して様々な物を探すことが出来るらしい。試してみてくれ」
風渡「分かったわ」
商益「…ああそうだ、石で思い出したんだが、氏のペンダントはあるのか?こちらにあるのだから、そちらにあっても良いはずだが」
風渡「ペンダントは無いんやけどな、代わりにあんさんのペンダントに付いているヤツ位の珍しい石はあるで。ほら」
商益「おお、凄いな。…少し待て、音叉から微かに共振反応が出ている。恐らく、大事な物があるはずだ。無論、予想の範囲ではあるのだが」
・・・
風渡「反応がデカいのはやっぱ宝物庫かいな」
風渡「っと、おお!反応が一番デカいのはこのエレベーターか」
風渡(ボタン云々は…問題無さそうやな)
カチッ ガガガガガガガガガ
・・・
地下100M地点
風渡(石が示す宝物は何やろな…)
風渡「ん?」
風渡(この形は…)
風渡「やっぱりペンダントやったな。あ、でも石がハマっておらへん」
風渡(と言う事は…)
カチッ
風渡「やっぱ虹色の石がハマったな」
・・・
グラップルの練習塔
風渡(また前の様に上へ上がっていく訳やけども…)
風渡(突起しかあらへん)
風渡「…!まさかペンダントを投げろという事かいな」
風渡「ホッ!」
シュッ ビッ!
風渡「ほーん、エネルギー的なヤツで繋がれるんやな」
風渡「で、ペンダント自体から強力な反応が出ているから、
シュッ
風渡「能力を使えば逆に俺が引っ張られると」
風渡「これは便利そうやな」
・・・
またまた自宅
風渡「戻ったで」
商益「結構時間がかかったな…収穫はあるんだよな?」
風渡「俺のみグラップリングが出来るペンダントを見つけたで」
商益「そうか、なら良かった」
商益「ところで一つ気になったんだが、繋来氏が別世界に行ったときは何で直ぐ帰って来たんだ?」
風渡「一つ釣り針を除いて何も無かったからや」
商益「なら、釣り針をどうにかすれば進捗は出るんだな?」
風渡「まあ、そうなるやろな。打開策は別として…」
商益「…グラップリングはどの様にして出来るようになっている?」
風渡「何かしらの突起にペンダントを実体化させたエネルギーで繋ぐ感じや。 …あ」
商益「だったら、釣り針にそれを使えば良くないか?」
風渡「確かにそうやな」
商益「まだ慣れていないのだったら数日の間に慣らしておけ、いつ何があるか分かった物では無いからな」
2020/10/15 22:40
繋来氏任せではあるものの、宝物を見つけた。と言っても繋来氏の物ではあるのだが。それと、黒い石の効果が少しわかった。どうやら、現在必要としている場所を示してくれるようだ。まだまだ奥が深い。
もう書く気力もさほど残されていない程辛くなって来ている。早くどうにかしなければ