東方物天秤 第5章 第1話 暇を持て余した妖怪の考え
ここ最近、特に自己他問わず噂が無い。まあ、良いことではあるのだが、逆に言うとやる事が無いという事だ。正直、やる事は無いし、何かするあても無いからとても暇だ。勿論、最近あったことも無い。
商益「繋来氏、確か9月を超えたがこれからどうする?」
風渡「…いや、あらへんわ。何もあらへんわ」
商益「そう言われても、もうめぼしい所は行きつくしたぞ」
風渡「ほんなら、そんなにどっか行きたいなら、八雲はんとこ行ったらどうや?もしかしたら何か助言してくれるかもしれへんで」
商益「だめだ。八雲氏の所に行くにしても行き方が分からないどころか、そもそも八雲氏はどこにいるのかの検討すらつかないから行くことは出来ない。
…いや待て、暇を持て余すほど時間があるのだから、ここは一つ頑張って八雲氏の居る所を探してみるのも良いかも知れないと思うのだが、どう思う?」
風渡「あー…うん。別に商益はんがそう思うならそれでエエんちゃう?別に、俺はついて行くだけやし…」
商益「なら決まりだな」
風渡「で、まずどこ行くつもりなんや?」
商益「勿論、ここから近い上に何か知ってそうな博麗氏の所へ行くつもりだ」
風渡「賽銭はどうするつもりや?」
商益「まあ、その時はその時だ」
風渡「ほんなら、行きましょか」
商益「そうだな」
・・・
博麗神社付近
「え‥!? じゃ、あ‥つは‥‥‥‥て‥うの?」
「そう‥う事にな‥‥ね」
「こ‥‥らど‥すべきか‥ら‥」
商益「誰かと話をしているみたいだな」
カツカツカツ
「あら、噂‥‥れば‥こまで来て‥‥わよ。‥ゃ、‥はお暇す‥わね」
霊夢「あっ、ちょっと待っ…行っちゃったわ」
商益「誰と話していたんだ?」
霊夢「あ、気にしないで、こちらの話だから」
商益「?」
霊夢「所で、ここに来たからには何か用があるんじゃないの?」
商益「ああ、そうだった。博麗氏、八雲氏のいる所を知らないか?」
霊夢「理由は?」
商益「これからどうすれば良いか分からなくて、助言を聞きたくてな。聞けるかどうかは別としてだ」
霊夢「まあ、その目的なら別に良いけど、行くのはとても難しいわよ」
商益「何故?」
霊夢「文字通り 行くのが難しい からよ」
商益「もう少し詳しく」
霊夢「道のりが長いのと行き方が面倒くさい」
商益「大体分かった。他に知っていることは?」
霊夢「人里の方へ行けば関係ありそうな人が居るかも」
商益「分かった。礼を言うぞ、博麗氏」
商益「繋来氏、そうと分かれば行くぞ!」
風渡「ほいな!」
商益「っと、その前にお賽銭」
チャリーン
商益「また会おう、博麗氏」
タッタッタッタ
霊夢(…実のところはここに居れば会えるんだけど、あれの見極めもしたいし、黙っておこうかしらね)
・・・
人里
風渡「着いたな」
商益「知ってそうな人を探すついでに買い出しも今のうちにしておくか」
商益「とりあえず別行動、集合は1時間後にここで良いよな?」
風渡「ええで」
商益「よし、一旦解散だ」
・・
人里の食料品店
商益「うーむ、どちらにしようか…」
商益(妖だから本当は何も食べなくても基本平気なんだろうが、やはりこうやって食べ物を選ぶ楽しみは捨てられないな)
商益「よし、店主、どちらとも買おう」
「毎度あり!」
アリス「あら、こんな所で。お久しぶり」
商益「おお、誰かと思えばマーガトロイド氏ではないか。久方振りだな」
アリス「貴方も買い出しに?」
商益「そうだ、と言ってもさっき終わったがな」
商益「…ああそうだ、マーガトロイド氏、一つ聞きたいことがあるのだが良いか?」
アリス「ええ、勿論。で、何を聞きたいの?」
商益「八雲紫氏の基本居る場所だ」
アリス「・・あまり出せる情報は無いけど、妖怪の山辺りだったはずよ」
商益「他には?」
アリス「申し訳ないけれど、場所についてそれ以外は。でも、貴方空は飛べるの?」
商益「いや、飛べない。今のところは」
アリス「地で歩いて行ける様な場所じゃないって聞いた事があるから、飛べるのは最低条件だと思うわ。あ、後、もしかしたら結界で守られているかも」
商益「とにかく、今のままだと行くことは不可能という事だな?」
アリス「そう言う事になるわね」
商益「うーむ、あ、済まないな、マーガトロイド氏」
アリス「別にいいわよ、それくらい」
商益「では、また会おう」
アリス「ええ、また、ね」
・・・(1時間後)
集合場所
風渡「買い出し出来たんかいな?」
商益「ばっちり出来たぞ。それはそうと、八雲氏の所に行くには、まだ準備が必要らしい」
風渡「ほーん。でも、そういう時は」
二人「準備を整えるに限る」
9/6 22:15
取り合えず、八雲氏の所に行くと言う目標を作るには至れたが、まだまだ進捗率が進んだとは言えない。まあ、やる事が無いと言う悩みは無くなった上、別に急かされる様な物でもないから別に良いとは思っているが。