ケルト神話 (ケヒト視点.ミアハとアミッド1)
ケヒトの本当の名前は、ミアハという。
ケルト神話に出てくる、ダーナ神族の1柱である医術の神、ディアン-ケヒトのたくさんいる息子の一人だった。
何千年も昔にミアハはディアン-ケヒトの医療技術をを受け継ぐ存在として創られた。
ミアハは首が座っていない、乳児の頃から自分自身の身体の仕組み、世界の元素について理解していた。
そして、歩き始めた2,3歳の頃からダーナ神族が魔法として利用している力の仕組みを科学として理解出来ていた。
ミアハが4歳になり、言葉を発する様になったとき、宇宙の真理について語る全知全能の神に成るはずだった。
しかし、魂の番である、赤ちゃんのアミッドと出逢ってしまったのだ。
アミッドはミアハの乳母の妹の娘だった。父親はダーナ神族の戦士で戦の中で戦場に散っていた。
アミッドを宿していた、乳母の妹は苦しい旅をして、やっとのことで姉の元にたどり着き、力尽きてしまった。
乳母の妹の腹を割いて、アミッドをとりあげたのは、4歳になる直前のミアハだった。
日本で言う、言霊を載せた言葉を発することで、ミアハは全知全能の神に成るはずが、アミッドの茶色の中に緑色の泉がある純粋に美しい瞳を見てしまったのだ。
あっさりと、アミッドの瞳の奥深くにある魂が自分の番である確信をもったミアハは全知全能の神を諦めた。
「この娘の名前はアミッドだ、私の番だ。」
4歳になったミアハの全知全能の言霊は、アミッドとの魂をつなぐことにすべて使われた。
ダーナ神族は、金髪や銀髪、青い瞳のものが多く、ミアハもプラチナブロンドに深いブルーの瞳だった。
アミッドは榛色の髪に明るい茶色の中に緑色の光がある。まるで、大地に新緑の森が見える様な癒される色。
ミアハにとっては、輝ける世界そのものである。