四話
第一章完結です。
「、、、ふぅ何とか勝てたな、、、ありがとう、アキ」
ヒロトは意識を失っている男に特殊能力を阻害する手錠をかけながらアキにお礼を言う。
「いいよ、それより大丈夫なの?なんか吹っ飛んでたけど、、、」
アキが心配そうな表情で言う。
「まぁ一応特殊犯罪者との戦闘経験者なわけだし、こう言うのは慣れてるよ」
「おいヒロト!!お前特殊捜査員だったのかかよ!凄えな!いつからだ?」
いきなりダイチが笑顔で話しかけてくる。
「ああ、そうだけど、、、怒ったりしないのか?」
ヒロトは意外そうな顔で聞いた。
「何で俺がキレるんだよ。」
「だって特殊捜査員って他の学校じゃ嫌われ者なんだろ?」
「それは特殊捜査員の権力使って学校内で良い顔してるからだろ?お前は俺らに何もいってないし、しかも特殊犯罪者を倒してくれたじゃん。それでお前のこと嫌うらつなんていねーよ」
「そうそう。さっきのヒロトすごいカッコ良かったよ!」
アキも言う。
「そうか、、、ありがとう。それより、早くこいつを何とかしなきゃな、、、」
そう言ってヒロトは倒れている特殊犯罪者の男を見た。
「この後こいつはどうするんだ?」
ダイチがヒロトに聞く。
「もう俺の上司には連絡してあるから、こいつを拘束して他の特殊捜査員が来るのを待つよ。」
「何故殺さなかった?」
いつの間にか起きていた男がヒロトに話しかける。
「お前馬鹿か?確かにお前ら特殊犯罪者を殺しても俺は罪には問われないが、こんな人がたくさんいる所で人殺しなんてしねーよ。あと俺はあまり人は殺さない主義だ」
「そうかよ」
「何故こんなことをした?」
ヒロトは男に聞く。
「へッ、お前には教えられねーなぁ」
そう言って男は笑う。
ヒロトは男の腹を踏みつけた。
「グッッ」
「俺は殺しはしない主義だが、場合によっては躊躇しねーぞ?」
ヒロトは殺気のこもった目で男を見る。
「チッ、ある組織から頼まれたんだよ。学校でもどこでもいいから人が集まる場所で騒ぎをおこせってな」
話をしているうちに、一人の女性が歩いてきた。
「おーい、ヒロト君」
背はヒロトより少し低く、スラリとした体格の女性だ。
「はぁ?何でお前がここにいるんだよ、アオイ」
アオイと呼ばれた女は笑いながら言う。
「赤坂さんから許可は貰ったよ?ヒロト君がこの高校で始めて戦闘したって聞いたから、様子をみに来たのよ」
「余計なお世話だよ」
「ヒロト、その子だれ?」
アキがヒロトに聞く。
「お前ら俺の小学校時代のこと知らねーだろ?その時一緒だったんだよ」
ヒロトは面倒くさそうに答える。
「そっか、、、」
何故かがっかりするアキを不思議そうに見ながらヒロトはアオイに言う。
「?、、、まあ良い、それより、お前が来たってことはこいつのことを特殊刑務所に連れて行ってくれるんだよな?」
特殊刑務所とは特殊犯罪者が入る刑務所のことだ。やっていることは普通の刑務所と変わらない。
「そうだけど、、、ヒロト君こんな弱いの相手に手こずったの?昔のヒロト君だったらこんなやつ簡単に、、、」
「黙れ!」
殺気のこもった声でヒロトば怒鳴る。
「怖い怖い、じゃあ私はこれで」
そう言ってアオイは男を車に乗せて去って行った。
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