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05 次の目的地


 白い世界、前も、後ろも、右も、左も、真っ白だ。

 ただ、何処からか笑い声だけが聞えてくる。

 というか、驚くほどの事も無い。単にバスタブの中で転がっているだけだ。


「あはははははは。ミユキって笑いを取れる猫なのです」


 うぐっ、何て失敬な女だ。

 これだから、はしが転がっても笑える年頃は嫌いなんだ。

 抑々、このバスタブを手に入れたのだって、お前が臭い所為だぞ!


 さて、現在がどういった状況かと言うと、それほど難しい話ではない。

 いや、とても簡単な話だと思う。

 そう、レストが臭い。とても臭い。鼻が曲がる程に臭い。もう悪臭の権化とした言えない程に臭いのだ。

 そんなレストを何とかする為に、風呂に入れようと思っただけなのだ。


 なんとか無事に作戦を済ませて、廃屋はいおくに戻って来た俺は、豚伯爵の屋敷で頂いてきたバスタブを亜空間収納から取り出し、それにお湯を入れるべく、そのバスタブのふちに飛び乗ったのだが、足を滑らせて中に転がっただけのことだ。

 別段、大笑いする程の事でもないのだが、レストはツボに嵌ったようで、ゲラゲラと笑っている。


 いや、これが地球なら、今頃は動画サイトで笑いを呼んでいるのかも知れない......

 まさか、自分が何時も見ていた可愛い動物動画のネタになるとは思ってもみなかったよ......


「笑い方が下品ニャ」


 仕方がないので、負け惜しみを発動させてみる。

 すると、つい数時間前の出来事で仕返しされた。


「覗いた癖になのです。ミユキはエッチなのです。変態なのです」


 ぐはっ! そんな性癖は全く持ち合わせていないのに......何故、神は俺にこんな仕打ちをするのだろうか......これも罰なのか......そうなのか? トアラ!


 あまりの苦行に思わずバスタブの中でパタリと倒れてしまう。


 そんな俺を彼女は「ハイハイ」と言いながら抱き上げる。


 う~む、これでは俺の威厳が......まあ、初めから、そんなものは無いんだけどね。

 それよりも、抱き上げてくれるのは嬉しいが、お前はマジで臭いぞ! 本当に臭いからな! 動物に臭いと思われる人間なんて最低だぞ?


 それでも、仕方なしに我慢してバスタブにお湯を入れる事にする。


「ちょっと、そのままで頼むニャ」


「これで良いのですか?」


 レストに抱えて貰った俺は、猫の手をバスタブに向ける。

 そして、トアラに教えて貰った......いや、叩き込まれた魔法を発動させる。

 すると、俺の手からは水芸のように、いや、どちらかと言うと、噴水の様にお湯が飛び出してくる。


「ミユキ、凄いのです。お湯も出せるのですか? まるで小便小僧のようです」


 アホか! 小便小僧がお湯を出す訳ないだろ! ん? 何か違和感が......


 何かに違和感を持ってしまったのだが、それを見つけ出そうとした処で、レストから無礼な台詞が飛び出す。


「でも、ミユキって便利なのです」


 なんだと! 便利では無くて、高性能だと言え! てか、呼び捨てか!


 そう言えば、レストは俺の事を呼び捨てにしている。

 俺が主だったような気がするけど......まあ猫だし、仕方ないか。



 レストの物言いに不満をもちつつも、俺はバスタブに溜まっていくお湯を見ながら、これまでの流れを思い出していた。


 豚伯爵を倒した後、レストに腕輪を渡すと、彼女は感極まって号泣したのだった。

 俺はそんな彼女の隣で周囲を警戒していたのだが、特に誰も来ることは無かった。

 彼女も一頻ひとしきり泣いた後に、時間を取らせた事を謝ってきたが、時間が惜しかったので、ニャ~とだけ返しておいた。


 その後は、そのまま逃走しても良かったのだが、噂の件もあったので、豚伯爵の屋敷を調べる事にしたのだ。

 すると、出るわ出るわ。若い女の子が大勢捕まっており、まるで確変に入ったパチンコのようにワラワラと出てきた。

 そんな女の子達から話を聞くと、どうやら全員がさらわらて来たらしい。

 という訳で、正義の味方たるサバトラ強化猫は、女の子達を解放に尽力した。


 その後も、更に調査を進めたとこでバスタブに辿り着いた訳だが、それ以外にも路銀なんて物もたんまりと頂いてしまった。


 拝啓、女神様。わたくしはドンドン悪の道へと進んでおります。まさに猫まっしぐらです。こんなわたくしをお許しくださいニャ。



「お湯がいっぱいなのです!」


 おっと、ちょっと考え事をしている内に、お湯を入れ過ぎてしまった。

 まあいいか。あんまりエコじゃないけど、これくらいの無駄は許して貰おう。

 さて、屋敷からバスタブと一緒に頂戴してきた石鹸を入れてと......これで洋風の風呂の出来上がりっと。


「ところで、こんな廃屋でお風呂を沸かして如何するのです? ミユキが入るには、バスタブが大きいのです」


 何をいっとんじゃ~! 当り前じゃ~~! 俺が入ったら水死体になるわ!


「何を言ってるニャ、お前が入るニャ!」


 この娘、本当に自分の恰好や臭いに気付いていないのか? それともただ単に無精なのか? まあ、どちらでもいい。俺と一緒に居るなら、最低でもその悪臭を絶つ必要がある。鋭い嗅覚をした俺の鼻が曲がりそうだ。


「えっ、入っても良いのですか?」


「勿論ニャ。お前のために用意したニャ。てか、絶対に入れなのニャ。入らないとお前を捨てるニャ」


 レストは、俺の罵声を浴びると、全く気にする事無く喜んで服を脱ぎ始めた。


 おいおい、まだ俺が居るぞ。男の前で服を脱ぐとか、恥じらいを知らんのか?


 だが、俺の考えなど知った事かと言うように、あっという間に素っ裸となったレストは、何を考えたのか再び俺を抱き上げた。


「な、何をするニャ。何をするつもりニャ。まさか、俺を風呂に入れるつもりじゃないよニャ?」


「ミユキも泥だらけなのです。一緒に入るのですよ」


 こら! やめろ! 止めてくれ! いや、お止めになって下さい。

 つ~か、泥だらけになったのは、お前の所為なんだぞ!

 あ、い、いや、止めてくれ、それだけは、勘弁してくれ~~~~!


 何処からか、トアラの含み笑いが聞えてきたような気がした。


 もしかして、これが盗みを働いた罰か、罰なのか~~~~!

 あう......結局、びしょびしょになってしまった。

 もう諦めるしかない。てか、手遅れだ......


 既にビショビショになってしまった俺は、溜息を吐きつつも彼女から聞きたい事があったのを思いだした。


「レスト、ガストってなんだニャ?」


 彼女はニコニコしながら、俺の身体を洗っているのだが、直ぐに彼女の事を教えてくれた。


「ガストさんですか? 彼女は私の守護神なのです」


 いや、あ、そこ、こそばゆいのだ。だめ、だめ~ん。こら、いい加減にせんか!

 そんなことよりも、えっと、守護神? いやいや、破壊神の間違いだろ?

 ただただ、ひたすら爆裂魔法を放っていただけだぞ!


「彼女は、気の弱いあたしの代わりに、悪を倒してくれるのです」


 う~む。奴は悪以外も纏めて殲滅していたようだが......いや、仮に悪だけを倒すにしても、それはそれで問題があるような気がするけど......

 だって、ガストの遣った事の責任は、全てレストに掛かって来るのだから。


「彼女が居ないと魔法が使えないのかニャ?」


 俺の質問に、レストは首を横に振る。


「腕輪が戻って来たから、私にも使えるのです」


 どうやら、あの魔道アイテムが発動体なのか。勝手にそう考えたのだが、彼女のその違いを説明してくれた。


「これはですね。詠唱省略の魔道アイテムなん......」


 彼女が俺に説明する為に、その手を上げたところまでは見えたが......

 ぐるじい...... ブクブクブク......


「あ、ミユキ! ミユキ! 自殺ですか? 溺死は辛いでのです」


 間一髪で、レストが俺をバスタブの底からサルベージしてくれたのだが......

 誰が自殺だ! 完全にお前が犯人だろ!

 いや、それよりも目が、目が痛いぞ!

 あっ、耳にもお湯が......中耳炎になったらどうするつもりだ!

 てか、抑々両手を離す必要があったのか?


「ご、ごめんなさいなのです。ちょっと手が離れてしまったのですよ」


 てか、「ちょっと手が離れて」で俺が死んだらどうするつもりだったんだ?


 そうも思ったが、必死で謝る彼女を見ていたら、怒りも収まってきたので、ニャ~の一言で終わらせる事にしたのだった。







 風呂から上がり、レストに身体を綺麗に拭いて貰った俺は、これも豚伯爵家から失敬してきた絨毯じゅうたんとベッドを亜空間収納から取り出す。


「ミユキって、何ても出来るのですね。めちゃめちゃ便利な猫なのですね」


 あっ、また便利者扱いか! でも、まあ、猫型ロボットには勝てんよ。ルックスは勝ってるけどな。


 俺は、驚くレストを余所に、絨毯の上で丸くなる。

 以前は、丸くなって寝るという恰好に慣れなかったのだが、ある日、全身をだら~んと伸ばして寝ていたら、トアラに大爆笑されてしまったのだ。だから、それからは猫の様に丸くなって寝るように訓練したのだ。


「まるで、ドラ○もんみたいなのですね」


 ん? 今、凄い単語が聞えてきたような気がしたが......

 俺が猫顔をレストに向けると、彼女は両手を振って「何でもないのです」と言っている。

 まあいいか、きっと、俺の聞き間違えだろう。まさかこの世界の人間が耳無し猫型ロボットを知っている筈も無い。

 なんて考えていると、急に身体が宙に浮く。

 顔を上げると、レストから抱え上げられたようだった。


 彼女は先程までとは全く違い、その身体からは、ほのかな石鹸の香りを漂わせている。

 それよりも驚いた事は、身なりを綺麗にしたら、思った以上に可愛かったのだ。

 残念ながら胸の方は、風呂に入っても大きくなる事は無かったが、まあ多少はあるので良しとしよう。

 そんな彼女は、やはり豚伯爵家から失敬した服を着ているので、出合った頃とは打って変わって清潔な状態だ。

 それは良いとして、彼女が俺を抱き上げた理由が解らず、それについての疑問を言葉にした。


「如何したニャ」


 彼女は黙って首を横に振ると、俺を抱いたままベッドの中に入り込んだ。

 どうやら、俺を抱き上げた理由は、一緒に寝ることにあったようだ。

 まあ、風呂にも入って臭く無くなったし、別に構わないのだが。

 彼女は、その大きな双眸に涙を溜めている。

 多分、念願の敵討ちと形見の奪取が成功して、ホッとした所為で逆に寂しくなってしまったのだろう。

 結局、この日は二人で昼過ぎまで惰眠をむさぼる事となった。


 翌朝、というより、寝たのが朝早くだったので、今朝なのだが......

 いや、それにも語弊ごへいがあるだろう。何といっても現在は昼だ。


「ん~~~~良く寝たのです。こんなにゆっくり眠れたのは久しぶりなのです」


 レストは大きく伸びをしながら、安眠に対する感想を誰とも無しに述べている。

 俺はというと、ベッドから飛び降り、廃屋の外を眺めている。

 特に、何かがあった訳ではないのだが、何となく外を見たい気分だったのだ。


「ミユキ、これから如何するのです?」


 レストが俺に尋ねてくる。それも当り前だろう。

 何故なら、よく考えると何も説明していなかったのだから。

 それよりも、彼女は如何したいのだろうか。

 確か、家来になるとか言ってたが、まさか本気ではあるまい。


「レストは如何するつもりニャ?」


 彼女は質問の意味が理解できなかったのか、首を傾げて佇んでいる。

 そんな彼女を見る俺も、思わず首を傾げてしまった。

 暫く、そうやってお見合いをしていたのだが、彼女の表情が次第に曇って行く。

 そして、その瞳に涙をいっぱい溜めたかと思うと、行き成り号泣し始めた。


「もう、あたしなんて要らないのですね。都合の良い女だったのですね。必要が無くなったらポイっと捨てるのです。覗きまでした癖になのです」


 ぐあっ! その最後の覗きはいい加減に止めてくれ。態とじゃないんだ。 本当なんだ。いやいや、それ以前に奴の台詞の全てがおかしいか......


 それよりも、この娘は一体何を勘違いしているのだろうか。

 俺は彼女に自由を与えるつもりで言ったのに......だが、彼女の怒号は更に続く。


「ミユキは人でなし、いえ、猫でなし! 遊び人......遊び猫! 変態猫! エロ猫!」


 猫でなし...... 遊び猫...... なんじゃそりゃ!? いや、変態猫やエロ猫は冤罪だって言ってるのに......


「分かった、分かったニャ、一緒に居ればいいんだニャ?」


 結局、彼女は一人で居るのが嫌なようだ。

 まあ、母親を亡くして身寄りのない状態だし、生活にも困るだろうからな。


「ほんと? ほんとに一緒に居ていいのです? 嘘じゃないのですよね?」


 彼女は俺の言葉を聞いて、鼻をすすりながら確認してくる。


「嘘じゃないニャ」


「やったのです~~! 良かったのです~~! これで食事にあり付けるのです」


 もしかして、これが本音か? なんて強かな娘だ。


「だけど、俺には遣ることがあるニャ。だから、これから世界を回る事になるニャ。それでもいいかニャ?」


 その言葉を聞いたレストは、何度も首を縦に振っている。

 どうやら、世界を旅する事に不満は無いようだ。

 それよりも、世界樹の実を食べたから、お腹は空かない筈なんだが?


「レスト、お腹は空いてるかニャ?」


 すると、レストは何度も首を縦に振る。

 おかしいな~~~。もしかして、習慣の所為かな~~~。

 まあいいか、そんな事よりも他に重要な事がある。


「この辺りで神器とか聞いた事はないかニャ?」


 レストは腕を組み、少し考え込んでいたが、直ぐに顔を上げた。


「この国の王様が持ってると、聞いた事があるのです」


 ふむ、王様か......それだと王城に居るんだろうな~。てか、王城ってどこだ?


「王城って何処にあるニャ? ここから遠いのかニャ?」


「馬車で三週間くらいだと思うのです」


 そう言えば、豚伯爵家から地図を頂戴したんだった。

 そのことを思い出した俺は、即座に地図を取り出して確認する。

 地図で見たところ、この国は大陸最北東にあり、この街は更に北端という事が解った。

 更に、王城があるという王都は、ここから南に向かった所に在った。

 良し、じゃ~次の目的地はトルガルデンの王都ガルドラだな。

 こうして俺の次なる行動が決まるのだった。







 麦畑が広がる景色が続く。

 初めのうちはとても感動したのだが、一時間もしないうちに飽きてしまった。

 今はレストの膝の上でお休み中だ。


 やっぱり、猫って最高だわ。猫になって正解だったな。


 現在の俺達はというと、運良く商人の馬車に乗せて貰えることになり、トランデストの街を出発して二日目となる。

 抑々、相乗り馬車を使おうと思ったのだが、そこに集まっているいかつい乗客を見て諦めることにしたのだ。

 何故なら、あんな男達の中にレストを一人放り込むのは、赤ずきんちゃん達の中に狼を放り込むのと同じ行為だと感じたからだ。

 だって、奴等の結末が目に映るように理解できるのだ。きっと、レストにちょっかいをだして、ガストに吹き飛ばされるはずだ。


 ん? 馬車が止まったぞ?

 あれ?おかしいな......まだ夕暮れには時間がある筈だが。


 商人たちは割と良い人達で、お金を渡すと喜んで乗せてくれたのだが、どうやらそれは俺の勘違いだったようだ。

 そう、俺が起き上がって周りを確かめると、林の中から十人の厳つい男達が出て来た。

 商人はその者達を恐れる事無く、自分から近付いて行く。

 どうやら俺達は商人に売られたようだな。てか、最悪の人種だな......


「レスト、ひと暴れする事になりそ......」


 俺がレストに声を掛けると、彼女は返事を寄こさずにブツブツと言っている。


 マジか! この女はヤル気だ! 早速ガストを呼び出しに掛かった。


 彼女の破壊神召喚の儀式が終わると、レスト、いや、ガストが挨拶をしてきた。


「おう! 猫、元気か?」


 おいおい、元気か? じゃね~よ、破壊神。今度はどれ程の破壊を生むんだ?


「程々にニャ!」


 一応は釘を刺してみたのだが、奴は俺の言葉なんて聞いちゃいなかった。


「爆裂!」


 腕輪を取り戻したお蔭で、詠唱を必要としなくなった爆裂魔法を行き成りぶっ放した。

 その一撃は辺りの草木や土を撒き散らして、大きな地響きと爆音を生み出している。

 破壊神は盗賊らしき十人の男と商人をまとめて爆裂の餌食にしたのだ。


 なんとも、情け容赦のない奴だ。


 俺は爆発跡地に向かったのだが、そこは酷い有様だった。

 これでは何人なりとも生き延びる事は出来ないだろうな。


「ガスト、遣り過ぎニャ!」


 俺がガストを叱責すると、彼女は己の信条をのたまった。


「こんな奴等は、生きていても何の価値も無い。あるのは害だけだ。これまで散々人を殺してきたんだ。その報いを受けるべきだ」


 こいつの台詞を聞くと、まるで台所の悪魔の様な存在に聞こえてくる。

 まあ、こいつの言う事も分からんでもないが、更生させる余地すら与えないのがな......

 しかし、もう終わった事をとやかく言っても仕方がない。ただ、今後は程々にして貰いたいものだ。


「じゃ、先に進むかニャ」


 ガストにそう伝えると、彼女は何を考えているのか、表情を硬くしたまま首を横に振る。


「こいつらのアジトがある筈だ。それを叩き潰す」


 まあ、確かにラノベとかだとそういうパターンが多いけど......

 この女、マジでやる気か?


「猫、一人だけ治癒してくれないか」


 彼女は盗賊の治癒を頼んでくる。

 流石に、彼女は俺が治癒魔法を使える事を理解してるらしい。

 レストの時には、そんな素振りすら見せないのだが、一体如何いう精神構造になっているのやら。


 俺が言われた通り、何とか息のある者を選んで治癒魔法を掛けると、ガストがその男からアジトの場所を聞き出していた。

 その話では、ここからそれほど離れていないようだった。


「じゃ、猫! 行くぞ!」


 行くぞって、俺もかよ。

 まあ、奴を一人で行かせるのも不安だし、しゃ~なしか。

 俺は溜息を吐きながら、奴の後を追うのだった。


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