表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/79

51 予想外の来訪者


 綺麗なバラにはとげがあると、しばしば例えに使われる言葉ではあるが......

 確かにバラは綺麗だし、うっかり手を伸ばしてしまうものだ。

 それで痛い目にあうのは自業自得であり、仕方ない事だろう。

 ただ、手を出す処か文句ひとつ言っていないのに、綺麗な女性から戦闘の申し入れがあるのはどうかと思うんだ。

 これが、なんちゃらクエストの様なゲームの世界であれば、行く先々で当たり前のように敵と遭遇するのも已む無しと思えるのだが......


 理由も不明な上に、全く見知らぬ者から戦いましょうと声を掛けられたら、あなたは何と答えますか?


 仮に、渋谷で見知らぬ人に、私と戦いましょうなんて言った日には、速攻で駅横の派出所にしょっ引かれることだろう。

 現状の俺の心境は、まさにそのままだ。この世界にお巡りさんが居るのなら、丁重にお呼びさせて頂いた事だろう。


「大変申し訳ありませんが、つつしんでお断りさせて頂きますニャ」


 目の前の綺麗な女性からのお誘いを丁重にお断りさせて頂いた。


 だって、戦う理由も無ければ、争う意味も無い。

 それに揉めるわれも無い。まあ、その豊満な胸を揉めと言われれば、謹んでお受けしたと思うが......


 それは置いておくとしても、出来れば意味の無き事は遣りたくないのだ。

 それが、命に関わる事なら尚更だと言えるだろう。

 ところが、この水色美女はヤル気満々なようだ。


『だめよ。猫ちゃん。早く本性を現しなさい』


 仕方ないので馬車から地面に飛び降り、その場でゴロンと転がって一鳴きしてみた。


「ナ~~~~~」


 ハッキリ言って、これは俺の究極奥義だ。間違いなく一子相伝の芸の筈?


 とはいえ、誰にも教えて貰ってないけどな......


 エルカには不評だったが、トアラは超絶に喜んでくれたのだ。

 俺の究極奥義を見た者達は、誰もが戦闘など忘れて心和やかになる筈なのだ。


 ところが、それに対する苦言は敵では無く見方から放たれた。


「師匠、気持ちは解るけど......」


「ミーシャ、それはないの」


「ミユキ、空気を読むのですよ」


「主様、とっても可愛いです」


 世の中とは理不尽だ。

 誰も俺のラブアンドピースを理解してくれない。

 仲間ですら、半眼で、氷の視線で、呆れた様相で、地に転がる俺を見詰めてくる。

 ああ、唯一、ルーラルだけが幸せそうな表情で和んでいる。

 やっぱり、ルーラルが一番だな。お前は最高だよ。


 ただ、こんな事を仕出かしてしまった俺にも言い分があるのだ。

 そうとも、こんな行動に出た理由があるのだ。

 だって、これこそが俺の本性だもの......だから、本性を出せと言われたら、こうする他ない。

 のんびり景色でも眺め、それに飽きたらのんびり昼寝、偶には子猫や人の相手もいいだろう。そんな落ち着いた生活を求めるのが俺の本性だ。


 俺が転がって何が悪い!


『猫ちゃん。とっても可愛いけど、真面目にやりましょうね』


 がーーーーーん!


 目の前の美しき女性に可愛いと言って貰えたものの、戦闘回避は無理のようだ。


 ああ~、解ってたさ、どうせ俺のキャットスマイルはその程度さ。

 だが、行き成り戦えと言われて、誰が真面目に受けるんだよ。バカ野郎~~~!


 絶望のふちから素に戻った、いや、凍えるような心境に至った俺が、なにもかもを氷結させるかのような声色で念話を飛ばす。


『ミララ、装備はニャ?』


『あうっ』


 ミララは焦って甲冑をまとわずメイスを持った状態だし、そんな恰好で戦える訳がない。

 更に、俺は全員に告げる。


『みんな、勿論、今回は指輪を外してるよニャ?』


 その念話に仲間全員がギクリとしている。


 そう、この娘達は、例の虎娘と戦った時、アーニャから貰った試練の指輪を外していなかったのだ。

 後々、あの時の動きの悪さを指摘したのだが、そこで初めて発覚した事実だった。

 あの指輪をめたままだと、本来の能力の十分の一しか力が出せないのだが、あの指輪の装着に慣れた娘達は、コロッと忘れていたらしい。


『準備は良いかしら?』


「まだニャ」


 もう少しの間、俺のくつろぎアピールでも眺めてるのニャ。


 まるで嫌がらせのように、そんな気持ちを乗せて水もしたたる美人の問に即答で返す。

 すると、水色美女は頬を膨らませ、両腕を腰に置く。しかし、その仕草も良く似合っていると思える。

 そんな感じで水色美女と睨めっこをしていると、準備を終わらせたミララが念話を飛ばしてくる。


『準備完了なの』


 ミララの返事を聞いた処で、俺はスタッと四足で立ち上がる。


『もう大丈夫みたいね。それじゃ行くわよ』


 俺の行動を見た水色美女は、何処からか二メートルくらいのほこを取り出して両手で構える。

 しかし、まだだ。まだ、戦闘には早い。


「もう少し待つニャ」


『もうっ! 猫ちゃん我儘だわ。トアラにそっくりよ』


 再びほおふくらませる彼女の言葉を気にしつつ、俺は幌馬車を亜空間収納へと仕舞う。

 この辺りが、元々が日本人だった所以ゆえんだろう。

 大した物では無いのだが、壊れてしまうと勿体もったいないと思ってしまう。

 まあ、日本人と言うよりは、小市民と言った方が良いのかも知れない。


「いいニャ」


 壊れ物が無い事を確認して、俺がれる水色美女へと声を掛ける。


『じゃ、行くわよ~~~!』


 彼女は元気よく声を上げると、即座に鉾を横に振る。

 すると、無数の水の矢が飛んできた。


「炎壁!」


 その攻撃を防ぐために、レストが即座に炎の壁を作り、ルーラルとミララが即座に側面へと回り込む。


「ピアース!」


 水色美女の右手側に回ったルーラルが透かさず装備スキルを発動させるが、水色美人が右手に持った鉾を一振りさせると、美しい水の壁が出来上がってルーラルの攻撃を防ぐ。

 しかし、間を空けず、反対からミララがメイスで襲い掛かった。

 その攻撃タイミングは、俺の目で見ても絶妙なものだと思えた。

 ところが、水色美女が左手をミララに向けて突き出すと、逆に巨大な水の塊が物凄い勢いでミララに襲い掛かる。

 その水の塊は、襲い掛かるメイスどころか、ミララ自身をも弾き飛ばしてしまう。

 そんなタイミングで、転がるミララを横目でチラ見したマルラが正面から攻撃を放つ。

 更に、それに合わせてレストも魔法を発動してた。


「風刃!」


「氷矢!」


 ルーラルとミララの相手をしたことで、両腕を広げた状態となっている水色美女だが、その攻撃を見もせずに右足を一歩踏み出すと、地割れが起きると共に大量の水が吹き出す。

 その水の勢いで、無情にもマルラとレストの攻撃が防がれてしまう。


「てか、なんで水で防げるのよ」


「ん~~~吹き飛ばしたいのです」


 不満をぶちまけるマルラとじわじわと鬱憤うっぷんが溜まっていくレストだが、これくらいで音を上げて貰っては困るのだ。


「気を抜くニャ」


「「はい!」」


 二人にそう叱咤しったするが、これだけの攻撃を浴びても水色美女は涼しい顔をしている処をみると、まだまだ本気を出していないのだろう。


『ミララ、ファイナルスマッシャーだニャ。マルラはギロチンだニャ。上から攻めるニャ』


『解ったの』


『了解です』


 俺は攻撃に変化を付ける為に、二人に上からの攻撃を指示する。


『レストは地槍だニャ。ルーラルは、最後にブレイクスピアで止めを刺すニャ』


『了解なのです』


『了解しました』


 ミララ、マルラの指示を行った後、即座にレストとルーラルにも次の手を伝える。


 すると、水色美女はまるで俺の念話を読んだかのようにニヤリと笑っている。


 まさかと思うが、俺達の念話が聞えている訳ではないよな?


 水色美女の態度をいぶかしく思いながらも、仲間の行動に視線を向ける。

 すると、俺の指示通りにミララが装備スキルを発動させる。それに合わせてマルラも装備スキルを発動させている。


「ファイナルスマッシャー!」


「ギロチン!」


 幾ら水を操ると言っても、上からの攻撃を止める事は出来なだろう。

 そう思った俺を驚かすために遣っているのか、彼女は右手の鉾を天に向けて突き上げる。

 すると、彼女の頭上には大きな水溜りが出来上がり、二人の攻撃は全てそこへ吸い込まれていった。

 しかし、既にレストが次の攻撃に移っている。


「地槍!」


 今度は地面からの攻撃だ。

 流石に、上に意識が向いている今、その攻撃を防ぐ手はないだろう。

 ところが、水色美女はクスクスと笑いながら、再び俺に衝撃を与えてくる。

 そう、彼女は瞬間移動かと思う速さで頭上の水溜みずたまりの上に移動したのだ。


『ウフフ。甘いわよ。猫ちゃん』


 ぬぬぬ、完全に遊ばれているようだ。

 ここは本気で行くしかないようだな。


 楽しそうな表情で水溜りの上に乗った水色美女の念話に、歯噛みをしながら眺めていると、彼女は水溜りごと元の場所に降りて来る。

 それをチャンスと見たのか、次の瞬間、ルーラルが装備スキルを発動させる。


「ブレイクスピア!」


 隙を突いたルーラルの攻撃が水色美女に届くかと思った瞬間に、水溜りが盛り上がって丸い水球に変わり、無情にもルーラルの攻撃は、その水の障壁によって防がれてしまう。

 だが、これで終わらせない。


 ルーラルが放った攻撃を水の障壁で遣り過ごした彼女が、水球となった障壁を解除するが、恐らく彼女は俺を見付ける事が出来ないだろう。


『やるわね。猫ちゃん。それが本性かしら』


「違うね。これは業務用だ。飽く迄も、本当の俺はのんびり過ごしたい唯の猫さ」


 これまた俺の予想をくつがえし、彼女は俺の位置を悟っていた。

 恐らく、視認した訳では無いだろう。きっと、俺の行動を読んでのことだと思う。

 しかし、もう遅い。そう、俺の左手に握る短剣が、既に彼女を背後から切り裂いているからだ。


 彼女が水球を作ってルーラルの攻撃を無効化した時、俺は既に人間体となって背後に回り込んでいた。そして、水球の障壁が解けた瞬間に襲い掛かったのだ。


 いささ卑怯ひききょうな手ではあるが、これが戦闘だというのなら、こんな手を打たれるのも仕方ない事だろう?


 俺の一撃で、彼女は水の塊となり、それが水溜りに落ちる。

 闇帝の攻撃を受けたのだ。きっと消滅してしまったのだろう。

 それほど悪い者には見えなかったが、吹っ掛けてきたのも彼女の方だ。

 それに、手を抜いて戦える相手でもないだろう。


 水色美女を始末してしまった事を少し後悔しながらも、戦闘の厳しさを己に言い聞かせていると、突然、背後に気配を感じてその場から神速で移動する。


『まあ、合格にしましょうか』


「えっ!?」


 その念話の声、水溜りに立つその姿、その両方に驚いてしまった。

 そう、俺の背後に現れた気配は水色美女だったのだ。


「な、なんで生きてるんだ?」


『ウフフ。ニャ~! は止めたの?』


 驚愕きょうがくする俺に、彼女は笑いながら返事をするが、全く答えになっていない。


 あ、あれはトアラの悪戯なんだよ!


 思わず不平を漏らす俺は、周囲を確認する余裕もないのだが、それ以前に誰の声も聞こえてこない。きっと俺と同様で、彼女が生きてる事に唖然あぜんとしているのだろう。


『なんでそんなに驚くの?』


 誰からも返事が無い事を不満そうにしている彼女は、逆に唖然とする俺達に尋ねてきた。

 それに答えるかどうか悩んだが、彼女からの戦意を感じられなくなった事もあり、仕方なく答えて遣る事にした。


「だ、だって、俺の短剣で死なないとか在り得ない」


『ああ、それね。闇帝のおば様が手を抜いてくれたんじゃないかしら。流石に本気でやられると拙いわ。炎帝のおじ様なら問題ないんだけど』


 そ、そうなのか? てか、なんで闇帝と炎帝を知っている?


 そんな俺の疑問に答えるかのように、闇帝と炎帝が口をはさんでくる。


『まあ、あなたが本気じゃないと解ってますから』


『我だと問題ない......それは盛り過ぎだ』


 てか、お前等、知り合いなのか?

 いよいよ頭が混乱して来た。ここは素直に尋ねた方が良いだろう。


「というか、あんたは誰なんだ?」


 彼女は俺の質問を聞くと、再びクスクスと笑いながら口を開く。


「私は水帝よ。あなたが持つ闇帝と炎帝のお仲間かな。実はトアラとも仲が良いのよ」


 な、なんだとーーーーーーーーーー! だったら何で戦おうなんて言うんだ?


 そんな事を考えていると、水帝は透かさず話し始めた。


 てか、俺の考えている事って、そんなに簡単に読めるのだろうか?


『実はね。こうなるだろうってトアラから聞かされていたのよね。ただ、今まで身動きが取れなかったから』


 なに!? トアラはこうなる事を昔から予測していたのか?


『それより、お主は邪竜をい付けてた筈では?』


 なにそれ? ねえ、炎帝! それってなんだよ。もしかして、邪竜を封印していた神器の話?


「申し訳ないが、一から説明して貰えないかな?」


 最早、頭が混乱して何が何やら分からなくなった俺は、彼女や炎帝、闇帝に一から説明して貰う事にしたのだった。






 水帝が力を収めた事で、空は晴れ渡り、丁度夕刻という事もあって、綺麗な夕日が俺達を赤々と染め上げている。

 そんな誰もが朱く染まった姿で佇む中、水帝から順を追って話をして貰った。

 ああ、因みに、俺は猫に戻っているし、炎帝と闇帝は地面に転がしている。

 その扱いに炎帝と闇帝が不平を述べていたが、何時までも人間体で居ると魔力がもたないのだ。だから、申し訳ないが了承して貰った。


 それは良いとして、話を戻すと、彼女は海国で神器として邪竜を封印していた存在らしい。

 ところが、アフォ勇者が彼女を抜いた事から、邪竜が解放されると共に、彼女も解放されたという訳だ。

 更に、彼女曰く「あんなチ○コ臭い手で触りやがって」という想いで、怒りを露わにしつつ逃げ出したということだった。

 それを聞いた時、ザマ~~~! と、思ったのはご想像の通りだ。


 そんな話で気分を良くしていた処に、隣で聞いていたマルラが、素朴な疑問を投掛けた。


「あの~、神器って誰でも触れるんですか?」


 確かに、そう言われると、これまでに確かめた事が無かったな。


『無理よ。適性があるから、誰でもという訳にはいかないわ』


 水帝の言葉に、今度はレストが首を傾げて問い掛ける。


「じゃ、なんであのアフォ勇者が触れたのですか?」


『それは私にも解らないわ。ただ、適性は高くないと思うの。だって私が認めなかったんだから』


 ふむ。理由は解らないが、神器を手にするには資格が必要なようだ。

 それはそうと、今更ながらに気付いたんだが......


「もしかして、炎帝と闇帝も神器なのかニャ?」


『主殿、何を今更。神器に決まっておるではないか』


『そうですよ。主様。妾こそ神器に相応しいでないですか』


 トアラ......ちゃんと説明してくれよ~~~。


 憤慨する炎帝と闇帝の言葉を聞きながら、俺はここに居ないトアラに対して愚痴を溢す。


「じゃ、水帝も俺達に協力してくれるという事でいいのかニャ?」


 トアラの友達だし、炎帝と闇帝の知り合いだし、実は簡単に了承して貰えると思って問い掛けたのだが、彼女は腕組みをした状態で頭を捻っている。


 何か問題があるのだろうか。


 俺としては、水帝が手に入ると、炎帝と闇帝も含めて全部で八つの神器を手に入れた事になる。

 更に、アーニャとクラリスの分があるから、十の神器が集まった事になるのだ。

 そうなると、一つはニルカルアが持っているが、残り二つを探せばいい事になる。

 だから、是非とも了承して欲しいのだが、当の本人は何やら悩んでいる様子だ。


「何か問題でもあるのかニャ?」


 何時までも悩んでいる水帝に声を掛けると、彼女はうつむけていた頭を上げて話し掛けてきた。


『ちょっとね~。今のあなた達だと少し頼りないのよね~。まあ猫ちゃんは合格点だけど、他のお嬢ちゃん達がまだまだなのよ』


 水帝の歯に衣着せぬ言葉に、ルーラルを始めとした四人の娘達が項垂うなだれる。

 そんな事はない。彼女達は良く遣ってると思う。

 というか、抑々がこんな面倒事に俺が引きり込んでしまったのだ。

 ただ、そんな事情なんて全く知らない水帝の考えは違うのだろう。


 結局、暫く悩んだ挙句、彼女は真剣な表情でこちらを見詰めて口を開いた。


『協力するのはいいわ。ただ、条件があるの』


 彼女の真剣な表情に、少しビビりながら尋ねる。


「条件って何だニャ?」


 すると、彼女は真面目な顔で答えてくる。


『私は神器としてでは無く、神としてあなた達を鍛えるわ』


 またとんでもない話を持ち出したと思ったのだが、それに賛成する声が上がった。


「お願いします。もっと強くなりたいんです。師匠の足手まといになってばかりで......」


「私もなの。ミーシャの力になりたいの」


「あたしにもお願いするのです。ミユキの役に立ちたいのです」


「私もお願いします。主様の重荷を少しでも肩代わり出来れば......」


 水帝の言葉を聞いた四人が、喰い付くかのように願い出ると、彼女は和やかな笑顔で頷いている。

 それは良いのだ。それよりも俺が気になるのは、彼女の発した言葉が全く条件になっていないような気がすることだ。

 だって、みんなを鍛えることは、彼女に取って何のメリットも無いのだから。


 そんな思いで首をかしげながら彼女達を見ていたのだが、水帝はよしよしといった調子で話を続ける。


『それで、条件は~~~』


 ほら、条件は別にあるんだよな?


『猫ちゃん、あなたは私と結婚しなさい』


 な、な、なんだとーーーーーーーーーー!


「師匠と結婚?それはダメです」


「それは認められないの」


「ズルいのです。それは違反なのです」


「最悪の条件です。納得できません」


 俺の驚きを余所に、さっきまで意気投合していた女達が一気に修羅場を作り上げている。


 いや、それよりも、神と結婚なんてそれ以前の問題だろ?


 そう考えた俺は、水帝に異議を申し立てる。


「抑々、神に結婚なんて概念がいねんがあるのか?」


 その質問を聞いた水帝が、何を言ってるのとばかりに首を傾げる。


『あるわよ? だって、そこに居る炎帝と闇帝も夫婦じゃない』


 ええーーーーーーーーーー! 炎帝と闇帝って夫婦だったのか!?

 いつも喧嘩ばかりしてるから仲が悪いのだとばかり思ってた。


『こら! それは内緒だと言っただろうが』


『ああああ、とうとう知られてしまった......』


 俺の驚愕の裏では、炎帝と闇帝が水帝に苦言を申し立てているが、驚きの所為で全く気にする余裕がない。

 初耳な話ばかりで全く頭の中が整理出来ないのだが、水帝は全く気にする事無く、元気に念話を飛ばしてくる。


『じゃ~~、手始めに邪竜を討伐しましょうか!』


 こうして俺達は新たなメンバを増やして邪竜討伐へと向かう事になるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ