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26 死国への道中


 あなたに贈る高度一万メートルの風。


 なんて言っても、風なんて全く感じない。

 確かに景色は最高だが、全く風を感じないのだ。

 そう、俺達は魔法の絨毯じゅうたんで空を移動しているのだが、その高度は途轍とてつもなく高い。

 何故、それ程の高度を保っているかというと、それはアーニャの警告によるものだ。


「夜中ならまだしも、明るい時間に低い場所を飛ぶでないぞ。空飛ぶ絨毯なんて代物を知ったら、欲に塗れた有象無象うぞうむぞうが何を仕出かすか解ったものではないからのう」


 確かにその通りだろう。なにせ、この絨毯の真価を知ったうちの有象無象が、見事にそれを証明したからなぁ~。


「師匠、これを僕に下さい」


「貰って如何するニャ?」


「これを売ったら、一生遊んで暮らせます」


「バカだニャ~~~。こんな物を持っていると知られたら、一生どころか、その瞬間にその命が無くなるニャ」


「そうですよね~~~。世の中とは世知辛いものですね」


「いや、世知辛いのは確かだが、この場合はお前が愚かなだけだニャ」


 という具合に、マルラが有象無象の心理を説明してくれたのだった。


 ああ、それと風を感じない件は別の話だが、それは簡単な理由だ。

 この絨毯には結界が張ってあって、外部からの影響を遮断しているのだ。

 そうしないと、空気は希薄になっているし、風圧で吹き飛ばされたりするからな。

 という訳で、その結界のお蔭で搭乗者が落ちることも無い。


 さて、現在の状況を知らせるのなら、そんな事よりも、俺達が絨毯に乗って空を飛んでいる理由の方が大切だろう。


 端的に言うと、神器を求めて移動中だと答えよう。

 それが何処へという問いになるのなら、死国に向かっているという答えになる。


 その死国という最悪な名前を持つ国だが、トルガルデン王国の南、アルラワ王国から見ると東南に位置する国だ。そして付け加えるならば、文字通り人が沢山死んでいる国だ。

 いや、沢山という言葉には語弊があるな。この国では誰一人生きていないのだ。

 村も、街も、王都も、国も、全ての場所で人が生存していない。

 そんな国で生きているのは、人間以外の生物だけだ。


 何故そんな国があるかと言うと、全てがトルガルデン王国の所業だ。

 それ故に、あの国は本当にろくな事をしない国だと言えるだろう。


「それにしても、流石はトルガルデン王国ですね。他国を死の国に変えるとは」


「早く潰した方が良いの。ミーシャ、さっさと潰すの」


 事の発端を作り出した彼の国をマルラが酷評すれば、ミララが速攻で討滅を進言してきた。


「でも、トルガルデンが死の国を作った訳ではないのですよね?」


「うむ。アーニャの話だと、死が迫った時に死国の王が神器を発動させたという話だニャ」


 アーニャとの会合に居なかったルーラルが経緯を尋ねて来たので、俺が聞いた内容をそのまま伝えると、今度は会合では爆睡していたメルが疑問を投掛けてきた。


「じゃ~神器の所為で国が丸ごとゾンビ化したん?」


「そういう話だったニャ」


 そうなのだ。メルが言う通り、この国は丸ごとゾンビ化しているのだ。

 トルガルデン王国に攻められて窮地に陥った時に、時の王が彼の国に蹂躙じゅうりんされるくらいならと神器を発動させたらしい。

 

 そんな感じで、仲間を見ながらアーニャから教えて貰った情報を思い起こしていたのだが、ふと、視線の先に居る存在を見て疑問を感じてしまった。


「それはそうと、レスト、何で豆柴のままなんだ?」


「クゥン? (なに?)」


 こ、こいつ、もう完全に豆柴状態が定着しているのではないのか?

 犬で居る事に疑問を感じていないようだぞ? もしかして、自分が人間だった事を忘れている?

 まあ、その仕草も可愛いし、そのまま豆柴の方が世の為だろうけどな。


「オン! オゥ~~~ン! (あ、犬のままだったのです~~~!)」


 どうやら、俺の指摘で気付いたようだ。

 もう、豆柴のままで良いのではないだろうか。

 なんか、豆柴の時の方が異常に可愛く思えてくるのが不思議だ。きっと、豆柴という存在が愛らしいという魅了の魔法なのだな。


「まあ、レストは良いとして、ゾンビってどうやって倒すんですか?」


「オ~~~ン! オン! オン! オン! (マルラのバカ! バカ! バカ! バカ!)」


 レストのクレームは置いておいて、ゾンビだよな。


「武器による攻撃は、相手を行動不能には出来るが、時間が経つと治るみたいだニャ。だから、浄化するか、燃やすしかないニャ」


「オン! オン! オン! オウ~~ン! (キタ! キタ! キタ! 私の出番なのです~~!)」


 俺の言葉でレストが一気に元気づいた。

 でも、その立ち上がって吠える姿も、なんか可愛い。


「ただ、混乱や麻痺はしないから、メルの武器はキツイんだよニャ」


「ああ、うち? 大丈夫だと思うよ。うちの念を込めて叩けば死人は砕けるはず?」


 ほう。流石は星獣だな。そんな能力があるのか。


「でも、それなら、僕達はどうするの?」


「抑々、ゾンビ退治が目的じゃないからニャ。行動不能にできれば問題ないニャ。神器を奪えば、全てが土に還ると思うニャ」


「なるほど、では、私達は一時的に敵を動けなくすれば良いのですね」


「浄化できないのが残念なの」


 マルラの質問に答えると、ルーラルとミララが己の考えや感想を述べてくる。


「もう不毛の地ですよ。高度を下げても良いのではないですか」


 どうやら、ルーラルもあまり高い所が好きでは無いらしい。不毛の地と呼ばれる砂漠地帯に入った事で、見る者がいないと判断したのだろう。

 どの道、そろそろ夕暮れの時間だし、お腹が減ったと煩く騒ぐ者も居るから、一旦地上に降りる事にしたのだった。







 ここは不毛の地。

 いや、そのままんまなんだが......草すら生えてない赤土と砂の世界だ。


 ここは、最早、人の生きる場所では無い。

 もっとも、誰もこの地で生活してないんだけどね。

 時々、罪を犯して逃げ出した者達が逃げ込むらしいんで、無人という訳ではないらしいが、普通に生活できる場所ではなさそうだ。


「師匠、これでどうですか?」


 マルラが調理中の料理を少しだけ取り分け、俺の前に差し出すので口にする。


「あっち! ニャ~、火傷したニャ~」


 猫舌とは本当に困ったもんだ......

 普段、食事を摂る必要がないから、ついつい忘れ勝ちだが、熱い食べ物は苦手なんだよな~~~。


「ごめんなさい、師匠! 大丈夫ですか?」


 マルラが必死に謝って来るが、別に彼女が悪い訳ではないので、当然ながら怒ったりしない。


「いや、大丈夫ニャ。いいんじゃないかニャ」


 少し冷ましたものを口にして、料理の味に合格点を出す。


「やった~~~! ついに合格点を貰いました」


 まあ、正直言って、凄く美味しいという物では無いが、十分に食べられる物になっているので良しとしよう。

 それに、俺は食べないし、豆柴レストと星獣メルティはそれほど味に煩くないし、文句を言うとすればエルカとミララくらいだろう。


「じゃ~~みんな、ご飯ですよ~~~~!」


「オン! オン! オン!」


「お腹空いた~~~~」


「腹減ったよ~~~」


「空腹なの」


 マルラの声にレスト、エルカ、メル、ミララが集まって来る。

 みんなお腹が空いて死にそうにしていたので、きっと猛烈に食い始めるだろう。

 そんな光景を眺めつつ、俺はやはり食事を摂らないルーラルの膝の上でのんびりとしている。


「主様、明日は死国の領内に到着すると思いますが、直接城に向かいますか?」


 俺を膝の上に乗せたルーラルが背中を撫でながら、明日の予定を確認してくる。

 その眼差しは、どこか幸せそうな雰囲気をかもし出している。


「そうだニャ。出来ればあまり戦いたくないから、その方が良さそうだニャ」


 ルーラルの問いに答えると、彼女は黙って頷いて優しくお腹を撫でてきた。


 う~ん。そこ! そこがいい! 気持ちいんだ。


 彼女は喜ぶ俺を見て幸せそうな表情となり、お腹を優しく撫で続けてくれるのだが、その表情は何時もよりも幾分か暗いような気がする。

 恐らく、初めて見る不毛の地に心萎えるものがったのかも知れない。


「それにしても、何で大陸の真ん中に不毛の地なんかがあるニャ?」


「私も聞いた話ですが、神々が戦った結果だと聞いてます」


 ルーラルの返事はなかなか興味深い話だったが、きっと、詳しい事は知らないだろう。


 その話を切り上げ、ルーラルの膝から下りた俺は、テントの前に敷いたマットの上でお休みタイムに入る事にしたのだった。



 翌日、暗いうちから出発して、昼過ぎには死国の領内へと入った。


「主様、あれを見て下さい。どうも人が死人に襲われているようです」


 空飛ぶ絨毯に座って地上を眺めているルーラルの言葉に、俺は閉じていた瞼を開いて眼下の状況を確認する。


 確かに五人の人間が、数えきれない程のゾンビに追われているようだ。

 まあ、ゾンビは足が遅いので逃げられなくはないだろうが、この状況は拙いだろうな。

 何と言っても、四方をゾンビに囲まれているのが、上空からだと良く解るのだ。


「師匠、どうしますか?」


 見てしまったものは、助けない訳にはいかないだろうな~。

 でも、魔法の絨毯は見られたくないし......


「助けるが、ゾンビの少ない所に降りるニャ。それと、レスト、降りたら直ぐに焦土魔法でゾンビを燃やしてくれニャ」


「オン! (分かりました)」


 てか、犬のままだし、本当に分かってんのか?


 しかし、アホな行動は許さんとばかりに、エルカが何処からか出した猫じゃらしで豆柴レストの鼻をくすぐる。


「オン! オ......クシュン! あ~~久々に戻ったような気がするよ~。って、なんか違和感があるような......」


 おい! 人間に戻って違和感を感じるってどうだよ! もう一生犬の方がいいんじゃね~か?

 てか、それならそれで、俺は反対しないぞ! だって、豆柴で居る時のレストは最高に可愛いからな。


「着陸しますよ~~~!」


「まってなの......まだ着替えが......」


 マルラが着陸の合図を出すと、ミララはまだ甲冑を着こんでいる途中だったらしく、待ったを掛けてくるが、マルラは「大丈夫! 大丈夫!」と言って強引に着陸させた。

 因みに、絨毯の操作はマルラに遣らせているのだ。


「いっけ~~~~~! 焦土!」


 着陸早々にレストの魔法が炸裂する。流石は無詠唱の腕輪を付けているだけあって、攻撃速度が異様に速い。ああ、食べるのも、逃げるのも、寝るのも、異様に速いけどな。


 それは良いとして、レストが魔法を放った先は大炎上となっているのだが、この国なら全く問題ないだろう。


「てか、なんでこんな所にゾンビが沢山居るんニャ?」


「戦場だったのかも知れませんね」


 俺の疑問にルーラルが透かさず答えてくる。


「なるほどニャ」


「アーニャさんの話だと、攻めて来ていたトルガルデン王国の兵士も、その全てがゾンビ化したって言ってませんでしたか?」


 マルラが横から補足をしてくれたのだが、なんで俺はその話を聞き逃したんだろうか......

 ああ、思い出した。ミリアがしつこく抱き付いて来たからだ。

 確か、あの時にそんな話をしてたんだ。くそ~~~、あのメス猫め~~~! 勝手に交尾を始めようと......俺の貞操を奪おうとしやがったんだ。

 あ~~、いやいや、今はそれ処じゃないんだ。


 そう、炎上をまぬがれたゾンビが次から次へと襲い掛かって来ているのだ。


「やっ! えいっ!」


 マルラは何時ものようにレイピアで刺突攻撃をしているのだが、ゾンビは全く気にする様子も無く突撃してくる。


「きゃっ! こないでよ! てか、凄い悪臭......うっぷ......」


 複数のゾンビに叩き飛ばされたマルラは、尻餅を突いた状態で罵声を上げたのだが、ゾンビが放つ腐臭に顔をしかめている。

 だが、その間にもゾンビが襲い掛かって来るのだ。


「きゃ! こないで!」


 焦るマルラは座ったまま必死にレイピアを振り回すが、全く効果が出ていない。

 それを見て、俺は即座に魔法を放とうとしたのだが、そこへ助けが入った。


「潰れるの!」


 マルラがピンチと知り、甲冑を着込むのに手間取っていたミララがメイスを持って参戦したのだ。

 ミララはマルラに襲い掛かっていた複数のゾンビを即座にメイスでぶっ飛ばし、マルラの前に出る。


「マルラ、下がるの」


「ありがとう、ミララ。助かったわ」


 ミララは次々と襲って来る敵を殴り潰しながら、マルラに後退を進言する。

 マルラの方も己の状態をかんがみて、ミララに礼を述べながら後ろに下がる。


「マルラ、ゾンビは突いては駄目ニャ。足を切り落として動けなくするニャ」


「はい! 師匠! 風刃!」


 俺がすぐさまマルラへ戦い方の変更を告げると、彼女は返事と共にレイピアに仕込まれた風魔法の能力を発動させる。

 その攻撃で数体のゾンビを足止めするが、敵の数が多い所為で、全体的に押され気味なのは否めない。


「レスト、ガンガンぶち込むニャ」


「は~~い! 焦土!」


 レストに発破を掛けてみたが、この調子だと彼女の魔力も直ぐに尽きるだろう。


 周囲を見回すと、ルーラルが盾でゾンビをぶっ飛ばしながら、ランスで突いている様子が目に留まるが、あっちの戦況もあまりかんばしくなさそうだ。


 メルなんて、自慢げに言っていた割には、全く効果が無かったらしく、エルカの後ろに隠れているしな。


 しゃ~ない。ここは俺が一発デカいのをお見舞いするか。


 あまりの戦況の悪さに、俺は魔力を大量消費してしまうのを覚悟して魔法を使う事を決意する。


『癒しの女神トアラルアの名において命じるニャ。不浄なる者を救い賜えニャ。浄化ニャ!』


 俺が浄化の魔法を発動させると、ゾンビ達に向かって光の波が押し寄せるように被さってゆく。

 すると、これまで襲って来ていたゾンビ達が動きを止めたかと思うと、次々に砂となって崩れ始める。


 その様は、まるで砂山が崩れて行くような状態だった。

 その一撃で周囲に居たゾンビが全て砂と化したのだ。

 それは、魔法が発動してから、ほんの一瞬の出来事であり、それを見た仲間達も暫くは唖然としていたが、その意識が現実に戻って来ると、次々に称賛の声を上げ始める。


「流石、主様です」


「すご~~~い。師匠! あの魔法を教えてください」


「あ~~~ん、あたしの獲物が~~~!」


「ミーシャ。遣り過ぎなの」


「す、すごい。猫ちゃん、唯者じゃなかったんだね。ん? 唯猫?」


「ニャア~~~、お腹空いた~~~」


 まあ、ルーラルとマルラは良いだろう。だが、レストとミララは自分の獲物を取られたと不貞腐れ、エルカは褒めているつもりの筈だが、訳の解らない事になっている。


 唯猫ってなんだよ...... あ、メル? あれは放置で...... だって今更だろ?


 それは良いとして、この周辺は片付いたけど、ゾンビはまだまだ沢山いるのだ。

 やるべき事をさっさと済ませる方が良い。


「みんな集まるニャ。それで、武器を前に出すニャ」


 みんなにそう叫ぶと、全員が俺の前に並び武器を前にかかげた。


 そんな娘達は何が何やらと言う顔で首を傾げているが、俺には考えがあるのだ。


 よしよし、取って置きのを披露して遣ろう。


『癒しの女神トアラルアの名において命じるニャ。この者達に聖なる力を分け与え賜えニャ』


「よし! これで良いニャ」


「師匠、何をしたんですか?」


 全員が疑問に思っていたようだが、マルラが一番に聞いて来たので、それに答えて遣る事にした。


「みんなの武器に聖属性を付与したニャ。だから、さっきより攻撃力が上がるニャ」


 その返事に全員が顔を見合わせて驚いている。

 だが、そこにツッコミを入れてきたのは、賢者エルカだった。


「猫ちゃん。何で初めから使わなかったの?」


「......」


「まさか、忘れていたとかじゃないよね?」


「......」


「猫ちゃんだもん。そんなヘマはしないよね?」


 うぐぐ、しつこい娘だ......


「如何したの猫ちゃん。急に黙っちゃって」


「にゃ~~~~ん」


 取り敢えず、猫なで声で誤魔化してみたのだが、みんなの表情を見ると、あまり上手く行ったとは言えないようだな。


「さあ、時間がないニャ。急ぐニャ」


 今は、こんな所でゴタゴタしている暇はないんだ。

 だから、それを口にしてみたが、全員が白い視線を送ってきた。

 だが、その視線に負ける事無く、俺は声を高らかに上げる。


「さあ、行くニャ!」


「あ、猫ちゃん、逃げたよ?」


「師匠~~~~!」


「ミーシャ、私もいくの!」


「あたしも~~~! 今度はもっと派手にやるのですよ~~~!」


 結局、俺が叫んで走り出したら、みんなは付いて来てくれた。


 本当に信頼できる仲間達だ...... だよね?



 それは良いとして、暫く進むとゾンビに囲まれている五人を見付けることが出来た。

 流石に他人の前で魔法を放つのははばかられるので、ここは仲間に任せることにした。

 因みに、聖属性付与は、解除しなければ二時間程度は余裕で効果が維持される。だから、これくらいの戦闘であれば、付与の効果が切れることを気にする必要はない。


「そりゃ! えいっ! うは~~! 切れ味が全然違う~~~!」


 マルラがさっきとは打って変わってサクサクとゾンビを切り裂ける事に感嘆の声を上げる。


「潰れるの!」


 ミララがメイスを横降りにすると、三体のゾンビが砕け散った。


「凄すぎるの! さあ、もっと潰れるの!」


 彼女はその威力に感激しながらも、次々にゾンビを粉砕していく。


「消し炭になるのです~~~! 焦土!」


 レストは周囲のゾンビを燃やし尽くしているが、そろそろ止めさせないと味方も燃えそうな勢いだ。


「大丈夫ですか?」


 レストの魔法を打ち止めにしようと考えていた処で、ルーラルの声が耳に入ってきた。

 どうやら、向こうの人間と接触できたようだ。


『兎に角、ここを脱出するニャ。その五人にそう伝えてくれニャ』


『はい。了解しました』


 五人と接触したルーラルに次の行動を念話で伝えると、彼女は直ぐに応答してきた。

 そんな彼女と話をしている五人組を見遣ると、男一人に女四人のグループなのが解ったのだが、それを見た瞬間、俺のひげが嫌な予感にれるのだった。


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