~ プロローグ 森の大賢者 ~
幕間が、思ったよりも長くなりそうです……。しかし、どうしても必要な部分なので頑張ります!
プロローグなので短め。では、どうぞ!
さて、今日の授業は、“非声帯言語系種族”の歴史について、解説していこう。
まずは言葉の説明だな。“非声帯言語系種族”、この意味が分かる人?
そう! 正解だ。“非声帯言語系種族”というのは、言語補助装置の助けなく、言葉を話せない種族のことを言う。豚人族や牛人族などが代表的だな。
今でこそ、『言語補助装置』を使って彼らとも普通に話すことが出来るが、昔は喋ることが出来なかったんだ。そして、言葉が通じないということは、悲しい差別を生む。
『言語補助装置』が出来るまでの長い間、彼らは魔獣扱いされて、不当な迫害を受けていたんだ。例えば、豚人族は“オーク”という魔獣扱いを受け、それこそ冒険者ギルドに討伐依頼が出るほどだったんだ。
これは、偏に『言葉が通じない=魔獣』というかつての価値観が原因だ。
動物的特徴を持つ種族。例えば犬人族の場合、『言語補助装置』が無くても言葉が話せるだろ?だけど、同じく動物的特徴を持つ“オーク”は言葉を話すことが出来ない。
それはなぜか?
“オーク”が知恵も理性も無い魔獣だからに違いない、という訳だ。
哀しいよな。
相手のことをよく知らずに、化け物扱いしてたんだから。みんなも、相手のことを良く知らないまま、先入観で排除しようとすることは止めような?
さて、ずっと魔獣扱いを受けていた“非声帯言語系種族”。彼らが社会に参加できるきっかけを作った人物。この教室で、豚人族や牛人族の人がみんなと一緒に勉強できるという“当たり前”の環境。その礎を作った人物。
誰か分かるかい?
そう!『森の大賢者』、『聖豚』アルト=バイエルンだ。
彼こそが、知性を持たない化け物だと思われていたオークが、実は言葉を発音出来ないだけなんだという事を我々に認識させ、“非声帯言語系種族”が社会に参加する、その最初の一歩を踏み出させた人物なんだ。
間違いなく、彼はこの世界を変えた偉大な人物の一人、と言えるね。
さて、それでは詳しく“非声帯言語系種族”と『森の大賢者』の歴史について解説していこう。
『聖豚』アルト=バイエルン。彼の功績を語るためには、ある悲しい姉妹の話をしなければいけないんだ。
彼女達の名は、“リリー”と“アレクシア”。
オルブライト辺境伯家に生まれ、数奇な運命をたどった彼女達の生涯を、まずは説明するとしようか。
感想、ブックマークを頂き、誠にありがとうございます。本当に励みになります!
また、なろう人生で初めて、レビューを頂きました!本当に嬉しいです(#^^#)
寧々様、ありがとうございます。
なんとか面白い作品に出来れば、と考えています。今後ともお付き合いください。
香坂連でしたー。