プロローグ
まだストックはそんなにないけれど、自分を追い詰めるために発射!
よろしくお願いします。
~天界と呼ばれる、この世ではないどこか~
「うーん……どうしようかねぇ」
「どうしました、先輩?」
「いや……僕が管轄している“魔球”に住む人々がね、僕に祈りを捧げてくるんだよ」
「……?そんなの毎日のことでしょう?」
「そうなんだけどさ……。同じような願いが多くてさ。その中に心にグッとくるのがあったんだよね」
「へぇ……どんな願いなんですか?」
「美しくなりたい。こんなに醜い顔はもう嫌だ。どうか、私を美しくしてください」
「まぁ、よくある願いっちゃあよくある願いですけどね?」
「そうだな。でもね?うちの“魔球”では、美容整形っていうものがないんだ。その分、祈りも切実なんだよ」
「なるほど……。僕が今管轄してる“地球”から、美容整形外科医を一人、こっそりとそちらに送りましょうか?」
「マジ?いいの?」
「先輩の頼みなら仕方ないですよ。じゃあ、次に亡くなった人をそちらに送りますね」
「助かるよ……。願わくばその人が、美容整形を広めてくれると嬉しいんだけど……そう上手くはいかないんだろうな」
「まぁ、人間として生まれてくれたらラッキー、っていうレベルですからねぇ」
「あとは……神様に祈るのみ、だな」