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このゴールディロックス階層世界の人間は、過去世の地球の人達に比べればたぶんけっこう運動能力が高い。
獣人は元になった種の特徴的能力みたいなのを引き継いでるし、普人にしてみても一般人総アスリートレベルに走れる。動ける。跳べる。
私だって、ちょっと勢いをつけただけで5mもの跳躍をこなしてたりするんだから、2Pカラーなだけで外見は変わってないように見えて、実は過去世とは身体能力的に隔絶してる。
長く走ってもさほど疲れることも無いし、職業柄けっこう身体を動かすことに馴れているから、浮遊石を飛び移ったりよじ登ったりも、落ちないよう気をつけさえすれば割りと平気。
今も問題なくいくつめかの浮遊石へと飛び移り、次の足場を目指すためにちょっとしたクライミングをしてるとこ。
そんな私の横だったり下だったり上だったりをチョコチョコと移動しながら、なんだかジルがブツブツと煩い。
『無理することはない。お前とて資料室にあった狩猟対象のサンプルを見たであろう? あれらは殆ど私が採取して来たのだ。走竜程度で簡単に運べる能力があることはお前でもわかろう。やろうと思えばロック鳥もはこべるのだぞ。万が一落ちたら大変だ。……先ほども言ったが、第96階層からこの第99階層までは区切りなく吹き抜けておる。もちろんお前が足を滑らせた時には拾い上げることも可能ではある。だが、安全を期すなら最初から私が運んでやるのが最善だというのは、再三説明しておろうが』
……要は、自分が私を運んでやるから大人しく運ばれろと言うことなんだけど。
「……やだ」
そんなの、拒否一択。
なんでって?
そりゃあ、ジルに運んでもらえたら楽だし安全だって分かってる。ふつうならそうしてもらって当たり前だと思うよ。
でもね、聞いたらジルの採取物の運び方って、ナノマシンで採取物の表面全体を覆って持ってくって言うんだよ。
ナノマシンってヤツでジルが構成されてるって、さっき言ってたよね。
……それって、銀色の液体に塗れて運ばれるって事じゃないの?
嫌だよそれ。
『全体を覆うと言っても、無生物や死体みたいにはせんぞ。ちゃんと顔が出るようにしてやろうと言うのだ』
「顔出てても銀色の汁まみれとか嫌だってば」
ふつうに平べったい円盤型になって乗せてくれればいいのに……と、文句を言う私にジルは
『滑り落ちたらどうするのだ。いや、むろんさっきも言った通り拾うことは出来る。だがもっとも安全な方法を考えれば包み込むのが一番なのだ。それに汁まみれとはなんだ。私は液体ではないぞ。ちょっと自分を構成する単位が小さいせいで状況によっては液状に見えるだけなのだからな』
とか、親切そうに言い募る。けど、ツルツルピカピカの銀色の球体から顔だけ突き出した自分の姿を想像したら、絶対拒否感湧くよ。
もしくは、全身を覆うってソレ、……身体に沿ってピッタリくっつくとか?
ええと、銀色ピカピカの全身タイツみたいな感じで?
それ、なんの罰ゲームなの!?
もしかして、私が嫌がるのわかっててわざと言ってるんじゃないかと疑うレベルだけど、石から石へとよじ登ったり飛び移ったりしてる私の周りを飛び回るジルの様子はホント、いかにも『オロオロ』って感じがしてるから、そーゆーこともなさそうだ。
「心配してくれるのは嬉しいけど、この程度の難易度の移動くらい大丈夫だから」
『それは、マスター・ノアがお前に渡れぬ順路の設定などするわけはないのだから当然だが……』
「だったら、言い合ってないでサクサク移動した方が早いでしょ?」
『いやしかし、何かあってはいかんだろう。……もちろんさっきから何度も言っているが落ちたとして救助など容易に出来るのだが!』
「なら安心ダネー(棒)」
『任せておくが良い。……いや、そうではなく、なぜそうも嫌がるのだ? 銀色か、銀色なのが嫌なのか??』
銀色じゃなく別の色だとしてもフツーに丸い玉から頭だけ出てる『人間雪だるま』とか『全身タイツ』は嬉しくないよ。
『色が嫌ならいつでも透明にはなれるぞ』
なんか微妙にズレたことを言うけど……って、あれ? ……ちょっと待って。
いまジル、いつでも透明になれるって言った?
もしかして、天空城に来る前に酔っぱらって銀色の丸いの見た気がしてたけど、それってジルがわざと姿を現してたってことだったりする?
……いや、お城に来てからのコレの言動を振り返ってみれば、ジルは私の過去世の記憶をわざと刺激してたんだろうし、チラッと姿を現してみたのもその流れなんだろうから、今となってはノア君のこと思い出せたのもジルがいたからだし、ありがたいとしか思わないけどさ。
『人間好き嫌いがあるのは分かるが、銀色であるからとナノマシンを嫌うのはどうかと思うぞ。だいたい魔導士であるお前の体内には、魔法現象の具現化の為にナノマシンが組み込まれているのだし』
え? なにそれ? どゆこと?
この世界が実は剣と魔法の冒険世界とか言うファンタジーじゃないらしいのは理解したし、魔導士である自分の使う魔法だって科学的何かなんだって分かるけど。
……マジですか。
思わず胸の底から溜息が出た。
自分の吐いたため息で視界の半分が白く染まる。
そういえば、この第99階層は高高度エリアだって言ってたよね。
……で、確か95階層より上のエリアって空気が薄くて酸素供給の装備が無いと攻略は無理だったはず。
私は自分の口……とか鼻から呼吸のたびにフワーっとたなびく白い呼気ごしに、浮遊石の上に立つ自身の身体を見下ろした。
短い程じゃないけど長くもない足とか、誠に遺憾ながら控えめな胸部とか、職業柄過去世での記憶より若干ひきしまってる身体だって見た感じ本当に平凡なんだけど、たぶん……平凡じゃないんだよね。
まあ、魔法を使えるって時点ですでに平凡じゃないんだろうけど。
「……私って、すごーく頑健だよねぇ……」
息が白く染まってるし手足はちょっとかじかむし、高高度エリアは寒い。
うろ覚えの過去世のうんちくだと宇宙の温度って-270度とかだったはずで、ここって一応大気はあるけど高高度って言うからには宇宙にすっごく近い環境だろうし、めちゃくちゃ寒いんだよね。
で、空気だって薄い。
なのに私、普通に動けちゃってる。
すごーく『丈夫』って言葉で済ますには無理があるくらいに、丈夫。
それはもう……過去世の人間よりも明らかに身体能力の高いこの世界の人達と比べても、かなーり……頑丈で健康だ。
『お前の身体はマスター・ノアと同人種のベースで作成されているが、運動能力や筋肉骨格、内臓を含む身体強度……冒険者と言う職業の選択を前提に治癒能力等、彼の方がそれはもう丹念にスペックの上乗せをされたのだ。しかも……お前の魔法を使いたいなどと言う益体の無い希望を叶えるために研究して開発した新構成のナノマシンを幾度も実験を重ね……さらには幾度も安全性を確かめて組み込まれている。お前以上に身体的高スペックを持つ者などこのゴールディロックス階層世界にあろうはずもない』
熱弁をふるうジルの言葉以上にきっと、私と言う存在はノア君に丹精込めて作られたんだろうと思う。
「そっか……」
呟きつつロック鳥の住む大きな浮島や眼下に見える天空エリアの全景にグルっと目を向けた。
全100階層のゴールディロックス階層世界。
そこに住む住人と動植物。
それから、私。
無意識に食いしばった顎と、爪が食い込むほど強く握りしめてしまった両の手を、私は無理矢理に解して次に上るべき浮遊石へと向かう。
こんなトコで感傷に浸ってたり考え込んでグズグズしてる間にだって、時間はどんどん進んでる。
一秒でも早く私はノア君に逢って、それから……彼には回復のためにもゆっくり眠ってもらわないといけない。
「じゃあ、その最強の身体能力にモノを言わせて、サクサク行こっか!」
普通なら凍える低温の中、私は少ない空気でも問題なく動ける身体にあらためて力を込めると勢いよく数メートル離れた足場へ飛び移るべく浮遊石を蹴り空中へと身を躍らせた。
ジルが何かまだ文句を言ってるけど、そこは無視してどんどん進む。
幾つもの浮遊石と浮遊島を経由してたどり着いたのは、『空の果て』だ。
……空の果てって、なんか響きがカッコよくて詩的だけど具体性がなさそうな言葉じゃない?
でも、ここには本当に『空の果て』があった。いや本当に。フツーに空だと思ったとこに手を伸ばしたら、思いっきり天井だったんだから、これは『果て』でしょ。
で、その天井に取っ手がついてて、引っ張るとパカッと開いて登り口があって、それを昇って行ったら小さな昇降機が一台あった。
「…………」
……変な話、空は空だって思ってたのにそれが固い天井だったのが……すごい衝撃。
確かにジルがこの世界はなんかの中にあるって言ってたけど、それって言葉の上だけで理解しただけで、実感なんてなかったと分かった。
ゴールディロックス階層世界の各階層の中ってね、行き止まりがないんだよ。
マップの外側に向かって何日何時間進んでも、端っこには辿りつかなくて、でもくるっと振り向いて一歩進むと外へ向かって歩き出した出発点に戻っちゃう……端っこだけ無限ループしてる感じ。
私も最初はあやふやな外縁の境界線について何だこれって思ってたけど、ここに住んでる人達はそれを当たり前にしてるし、私もこの世界はなんか……階層型のダンジョンなんだし、異世界だったらそういうのもアリなのかなー……って、単純に納得してて、それ以上深く考えてなかったんだけどね……。
それがいま、固い天井さわって初めて本当にこの世界は作られた世界なんだって心の底から実感出来たって感じで……。
外側の境界がはっきりしないから、実際のところゴールディロックス階層世界は一階層ごとにどれだけの広さがあるのか知らない
けど、それでも全部で100も階層があるって言うんだから、広いことは確か。
ここは私がお城を作ろうとしてあっさり挫折したマインクラフトじゃないんだもん。ワールド作成画面を出して簡単な操作でオブジェクトを設置して……なんてふうに創れるとは思えない。
だって、ちゃんと生き物がいて植物がいて人間がいて……私が喋りちらした妄言の話をもとに、冒険者って仕事が仕事としてなりたつようになってるんだよ?
経験値を稼いだり、ただ狩猟を楽しむためにモンスターを倒していくゲームと違って、狩猟したり採取したり採掘したりの物は、なにかの材料になったり食料になったり燃料になったりして、娯楽なんかじゃなく冒険者って存在がこの世界の中で必要な存在として組み込まれてて……それってどういう事かって言えば、冒険者ってのを中心にして動物とか植物とかちゃんと考えてバランス良く配置されているってことだよね。
ふと頭に浮かんだのは、大きなアクアリウム。
あれって何て名前だったかな?
水槽一つに生態系の連鎖が完結してる……ああ、パーフェクトアクアリウムだ。
あれは水草とか海老とか貝とか、わりと単純でそれほど多くない種類の植物か生物でまとめてあるけど、箱庭みたいなものでも世界一つ分、それも冒険者なんてファンタジーな存在ありきで設計デザインするって、どんな難易度なんだろ?
しかも、魔法を使いたいって要望まで叶えてくれるのに、ノア君、どれくらい大変な思いをしてどれくらいの時間をかけてくれたんだろう……。
何て言うか、ノア君のことを思い出してからこっち、ジルのこととか宇宙人とかレンメイがどうしたとか入ってくる情報があまりにも荒唐無稽過ぎて、ちょっと現実感が無くなってたんだと思う。
剣と魔法のファンタジーな世界で魔導士冒険者やってますって状態のこの2年間くらいが現実感無しだっていえばまったくその通りなんだけど。
この世界は私のためにノア君が作ってくれたとかさ……嬉しくて鼻血出そうなくらい嬉しくて、その気持ちはリアルな現実だけど、それでもやっぱり現実感がなかったって言うのか、ね。
……空は、空だと思ってた。
でも、そこは固い天井で、空に見えてただけって現実に自分の手でこう……実際に触れて、ね。
どどー……っと……私が今まで目にして来たこのゴールディロックス階層世界の全部が本当の本当に人の手で作られた場所なんだってことへのリアリティが、なんかホントこう、どどーっと、どどー……んと、ね……。
茫然としたままジルに連れられて、私は第100階層へ向かう昇降機に乗り込んだ。
第95階層から第99階層までよりもずっと短い距離のことだと思う……ぼんやりしてたから、ホントはよく覚えてないけど。
『マスター・明花、到着したぞ。───ここがこの、ゴールディロックス階層世界の第100階層にしてマスター・ノアがお前の為に用意した『はじまりの地』……だ」
ぼーっとしてた私はジルにそんな言葉をかけられ、ハッと顔を上げた。
プシュッと空気が抜けるような音がして、目の前で昇降機の扉が開いてくのが見える。
ダメだ、シャキッとしないと。
これからノア君と逢えるっていうのに、まだやっと第100階層についただけなのに、ぼんやりしてる場合じゃない。
周りを見もしないで昇降機から落っこちかけた第99階層とおんなじ事はしないようにゆっくりと、しっかりと、私は外へと踏み出していく。
ぼんやりしてた頭にビシっとカツを入れる為に自分のほっぺたを両方の手でバチっとたたいて一歩、二歩……それから三歩。
人工的な昇降機の床から踏み出した先は、柔らかく湿った草の上だった。
脛の半ばくらいから腰くらいの高さまでの草が好き放題繁茂したそこは、どうやら小高い丘の上らしい。
四歩……五歩と歩いて、私は足を止めた。
「なに、これ……」
零れた言葉は無意識の産物。
緑の丘の裾野には草原が広がっていた。
『方舟』の皆で走竜を狩った第29階層の草原は平地の草原だったけど、ここは土地自体に起伏があってところどころに岩石が突き出しす中、単体で、または複数本の広葉樹がぽつぽつと木陰を作る変化に通んだ草原で……。
空を見上げればまだ明るい午後の日差しを投げかける太陽。
さっきまでいた高高度エリアの第99階層の凍りつく空気とはまったく違う、穏やかであたたかな空の青。低い位置には真っ白でモコモコした形の綿雲が浮き、空の高い場所には刷毛ではいたような筋雲が薄く模様を描く空の向こうに、薄らと透かして見えるのは見覚えのない昼の月が二つ。
「なんなの、これ……」
今度は無意識じゃなく意識して、私はその言葉を口にした。
二つの昼の月が浮かぶ空を鳥が飛んでいる。
私の目はすごくいい。
たぶん2.0とか余裕で越えて良く見える。
丘の真上の高空でピチュピチュ鳴いているあの小さな鳥は、たぶん居住区のある下層階……第1階層から第3階層あたりで良く見かけるヒバリに似たなんとかって鳥で、丘の裾野の方で高い空から急降下していったのは、アローホーク。
アレは何階層で見かけたんだっけ? 第17階層? それとも第21階層?
アローホークの急降下先、草地の中から自分に迫る危険を察知したのか薄緑色のホーンラビットが飛び出した。
ホーンラビットの茶色の個体は居住区とか耕作地のある辺りでも良く見るけど、薄緑色のやつはもう少し上の階層に住んでた筈だ。
ホーンラビットはその強い脚力と跳躍力を活かしてアローホークの最初の一撃を躱すと、ジグザグに飛び跳ねて低空からの追跡を躱し、低木と広葉樹が数本生えた藪の中へと飛び込んで行く。あれじゃもうアローホークはあの角兎を狙えない。
諦めたアローホークは次の獲物を探すためか、何度かの羽ばたきで上手に上昇気流を捉えて空高くへと昇って行った。
アローホークの舞い上がった草原の向こう側には手前に湿地帯らしい植物相を置いて明るい色味の広葉樹の林が広がり、そのさらに向こう側には、広葉樹と濃緑色した針葉樹が混在する深くて広大な森が見えている。
そして更にその向こうは、藍色がかったなだらかな山の起伏……。
藍色の山の起伏の上を悠々と行くのは、たぶん第76階層に生息している真っ白な巨鳥イグレートで、イグレートが飛ぶ空のそのまた向こう側、山と山との合間から水色に霞む峻厳な山々が真っ白な雪渓を浮かべてのぞいていた。
「本当に……なんなの、ここ」
私はブツブツと呟きながら緑の丘に異物感100%でにょっきり突き出した昇降機の円筒形の構造物を避けるようにして後ろへ目を転じた。
草の覆い茂る様子は山々が連なる手前に森と林、草原の広がる正面と同じ。
でも、違う。
丘の裾野はある程度の部分でぶっつりと断ち切れていた。この地形は過去世で言うフィヨルドみたいな第39階層のものに近い。その向こうに広がるのは、鮮やかな濃藍の海だ。
ぽつぽつと幾つかの島を浮かべた濃藍色の海と空とで描かれるのは、水平線という名の緩やかでまろい曲線。
「ありえないんだけど……」
私がメイ・リンヒルとして暮らして来たゴールディロックス階層世界は、各階、環境が違う階層が積み重なる名前通りの階層世界なんだけど、一階層ごとの環境要素はわりと単純で、例えば湿地帯なら一面ずっと湿地帯だし、遠浅の海の階層なら多少奥へいけば深くなる程度でずっと浅瀬が続いてる。
森の中に湖とか、岩場と草地と砂漠のミックスもあるにはあるけど、環境要素はたいていの場合一つから三つ程度。
それに、基本的には下層階から一階層上に行くたびに生息する採取、狩猟の対象の難易度が上がっていく感じなのに、ここは一体なんなんだろう。
さっきから足元の草陰で触角をのぞかせてるのは、たぶんなりたて冒険者が植物採取クエストから卒業して初めて狩猟依頼として受けるハナアルキの餌に使うブルーグラスホッパーで、それなのに目の前に広がる濃藍色の海を大型船のように航跡を残してゆったりと泳いでいるのは、上級冒険者パーティーがクランを組まなければ討伐の難しいリヴァイアサン……。
ジルはここを何と言った?
『はじまりの地』?
───丘に草原、湿地に林、森、雪を抱く山並み。見晴るかす視界の限りに混在する環境と、一層毎に完結した階層世界では絶対にあり得ない曲線を描く水平線。
足元から香り立つ草の香り、湿った土の匂いにそよぐ風の中に混じる潮の香り。
目に見えている景色の先には目には見えていなくても、その向こう側へ向けて確かに世界の広がりを感じる。
一体ここは何かって?
そんなの本当は分かり切ってる。だって、私はそれを知ってるもん。
ううん、私だけじゃなく、きっと他の誰だって本能的に分かること。
ここは、いままでいた『ゴールディロックス階層世界』じゃない。
「……ここは……外だ」
そう。
第100階層『はじまりの地』は、ゴールディロックス階層世界の外に広がる、本当の世界なんだ……。