5
足元に地面が無い状態はすごーく不安なものだと、私はたった今、思い知った。
「な……なぜお前はそんなに注意力が散漫なのだ。そこに足場がない事など、ふつうに目を開けていれば気がつくだろうが!? 冒険者たるもの周囲の状況を見て慎重に行動するべきとは思わんのか!? 何かに気を取られて突っ走るような粗忽者など、真っ先に命を失う世界だろう!? だいたいお前は幼稚園の頃からそのそそっかしさで一体どれだけマスター・ノアに迷惑をかけたのだ!?」
私を昇降機内に引っ張り込みながら、もどきが猛烈な勢いで罵倒のような説教をくれる。
言われてる内容は反論の余地なくもっともで、特に幼稚園時代のこととか思い出したてで記憶が新鮮な分だけ迷子紐代わりになってくれたノア君に申し訳なくも恥ずかしい気持ちまでがフレッシュだ。
ただちょっとだけ、昇降機の扉が開く前に前もってどういう階層に着くのか言っておいてくれればいいのにって思わなくもないけど、引き入れられてへたりこんだ昇降機の床から見上げたもどきの蒼ざめた顔を見たら、微かな反抗心は瞬殺された。
地面なんて霞むくらいのこの高さから落ちたら、鋼材にあたって脳漿ぶちまけENDよりもたぶん、目も当てられないレベルでスプラッターになってたよね……。
「ごめんなさい……」
謝りながら頭を下げた私の視界の端に、もどきの吐き出した呼気が白く過る。
鼻息だろうか……?
さっきも言ったけど、その顔で白い鼻息を吐くの出来たらやめて欲しいんだけど、たった今助けて貰った手前そんな文句も言い出せない。
下げた頭を元に戻して見上げれば、顔色を失くして険しい表情をしていたもどきもしおしおとした私の様子に縦シワを刻む眉間から力を抜いた。
「助けてくれてありがとうね……もどき」
ノア君に酷いことした女がいると聞いて頭に血がのぼり、やっと会えると思ったノア君に逢う前に墜落死とか、洒落にならないとこだった。
心の底から感謝の言葉を伝えたんだけど、どうしてだかもどきの眉間の縦シワが復活する。
「……もどき……?」
あ、しまった。脳内での呼称が、ポロっと。
いや、でも、私、考えてみればこのノア君顔のもどきの名前、訊いたことない。
「だって……名前、知らないし」
ってか、金色の王様は金色の王様だから、とか、考えてみれば意味不な理由でコレの名前のことなんて気にしたことが無かった。
「あんた……と言うか、天空城の王様の名前は何ていうの?」
「……未定だ」
えー……何それ?
隠すことなくストレートに胡乱な目を向けられながら、もどきがとんでもないことを言い出した。
「もしもお前の記憶が戻らずじまいであれば、私はお前に『ノア』と名乗る予定だったが」
と。
「やだ、やめて」
ノア君の姿をコピーしてるだけでも腹立たしいのに、名前まで騙るなんてとんでもない。
「あくまでも予定であったのだ。だが、お前の記憶が戻ったからにはそれはもう無い」
「……ならいいけど」
「だから、いまとなっては名は未定だ」
……意味が解らない。
もし、私が完全に過去世の記憶を失っていたら?
なにそれ。ノア君のことを思い出さないなんて、ありえない。
……けど、もしそうだったら、どうなってたって言うんだろ。
ううん……どうなっちゃってたんだろう?
記憶が無い状態でも、このもどきはすごい美男子だし、押せ押せでこのノア君顔した金色の王様に迫られてたら、なし崩しにコレのこと、好きになっちゃってたりしなかったかな?
でもって、そんな私に自分の名前は『ノア』だって名乗るつもりだったってことは、このもどきは私に自分をノア君って呼ばせたかったってこと?
なんで?
え、ナニソレ、どういう意味があるの???
ホントに、心底意味が解らないんだけど。
ポケットなモンスターアニメのキャラクター、カモノハシに似た小鴨みたいに両手で頭を抱え悩む私を見かねたのか、もどきは意味の解らない説明をしてくれた。
「お前が私をノアと呼び、幸せに生きた記録を取ろうと考えていたのだ。いずれマスター・ノアに見せるために、な」
と。
いや、いや、いや、いや、なんですかそれ?
もっと訳が分からなくなるじゃない。
私が幸せに生きた記録ってなに?
なんかその言い方じゃまるで、私がいなくなった後でノア君に見せるみたいじゃな……い……?
「……ねえ、もどき」
「おい。まさかと思うが、そのもどきと言うのは私のことではなかろうな」
あ、しまった。またポロっと。
「えーと、じゃあ、丸い球みたいな形だし『タマ』」
「な、猫の名前じゃないのだ。仮にも天空城の王と言う設定の私がそんな間抜けな」
まあ、確かに王様が猫みたいのは不味いか。
「───だったら……中身が銀色の汁だし、『シル』ね」
「シル……汁だぁ!? ふざけるな、なんだそれは。せめて人間らしい名にせぬか!」
「えー……ちょっとそんなの考えるどころじゃなくて、いますぐ訊きたいことがあるんだから。シルが嫌なら濁点つけて『ジル』。ほら、立派に人名らしいでしょ、はい決定」
なにかまだジルはブツブツ文句を言っているけどスルーして、私は今すぐに聞きたい事を彼に尋ねた。
「ねえ、ジルさっき言ったよね。ノア君は治療用水槽に入ってて動けないけど、生命に問題ないって」
「ああ。確かに言ったな」
「私、ノア君に逢えるんだよね?」
「今まさにマスター・ノアのおられる場所に案内しているところだ」
だよね……。じゃあ、なんで私が幸せだったって記録をノア君に見せるとか言いだすの?
だいたい、考えてみれば色々とおかしいんだよ。だってさ、例え記憶がちゃんと戻っていなくても、私のこと最初から近くに置いてくれててもいいじゃない?
失った記憶についてなんて、口頭で説明するとかもアリのはず。
部屋いっぱいに地球での私の荷物があるんだし、証拠物件には事欠かないんだもん。初めはビックリしても最終的にはちゃんと話、信じると思うよ?
なのに、なんかこのもどき……じゃなく、ジルだってさ、変に私好みの外見に作られてたりしてさ、その上、変なふうに私のこと口説いちゃったりしてさ……。
もし……もしも記憶が完全に無い状態だったりしたら、もしかしてもしかすると私、押せ押せのこの金色の王様にほだされちゃったりしてたかもしれないんじゃないの?
それに、コイツさっき私がこれをノア君の名前で呼んで幸せに過ごしてる記録をノア君に見せてやるんだって言ってたよね。
なんなの、それ?
ノア君、それ、納得してるわけなの?
だって、コイツ……ジルが言う通りにこのゴールディロックスって世界、本当に私の好みに沿って作られてるんだよ。それって、ノア君が私の為につくったって言ってたよね。
───って、今、サラっと流しそうになったし今さらって言えば今さらなんだけど、自分の為に創られた世界ってすごくない!?
うぇ!? うぇええ!?
わ、私の為に世界作ってくれるって……うわぁあ~これ、心がぴょんぴょんとかレベルじゃないよね!?
鼻血出そう。
いや、でも今それどこじゃないし、鼻血出そうだけど!
世界をいっこ作るのがどれだけ大変なんだかは、正直わからない。
でもこれまで冒険者として出かけたいろんな階層とか、犬人とか兎人とか熊人とかっていう身近にもいる前世では存在しない獣人系の人達の存在とか、竜とか巨蜂とかのモンスターとか……冒険者が冒険者ギルドに所属して採取したりモンスターや獣を狩って素材を取って来て素材として流通させる社会の仕組みとか、そういうのを全部、ノア君が作ったんだってこと……なんだよね。
なんかさっきもどき……いや、ジルが、このゴールディロックスはなんかの中にあるって言ってたから、世界の規模じたいは実のトコそれほど大きくないのかもしれないけど、マインクラフトでお城を作ろうとしてあっさり挫折した私の目から見たら、それでもとんでもなくすごいことだと思うんだけど……。
そんなすごい物を創るのが大変じゃないなんて、あるわけない。
私が過去世で死ぬ間際に語りまくった妄想を形にしてくれたんだもん、ノア君、私のことをどうでもいいなんて思ってないのは分かってる。
なのに、この金色の王様っていう私好みの見た目と、オレサマ系で押せ押せに迫ってくるナチュラルボーンジゴロなキャラと絡ませたこととか、ジルの言ってたこと合わせて考えてみれば、なんかノア君、もし私が記憶を取り戻してなかったら私のこと、このもどき汁に託そうとかしてたんじゃない……?
なんで……どうしてなの?
まさか
「逢えるって言ってもノア君の意識がなくて外から見るだけ……とか……?」
自分で言っておいてなんだけど、ノア君が生命の危険は無くとも意識がないって……もしかして植物状態とか?
「常時完全覚醒とは言い難いが、お前と逢っている間くらいは話の出来る状態を維持するだろうな」
想像するだけで身体が震えそうになる問いに、ジルはそんなふうに答えをくれた。
「それって、かなり無理してってこと……?」
だって……脳みその細胞を特に酷使してたって言ってたよね。
「否定は出来ぬ。本来であれば、一刻も早くマスター・ノアは完全に思考レベルをフラットにして休眠されるべきなのだ」
「ど、どうして……ノア君、そんな、無理して……っ」
「……どうしてもこうしても無かろうよ」
ジルの唇に浮かんだ力ない笑みは、かすかな苦味混じり。
自称『便利メカ』な銀色が本体のジルだけど、機械だと言う割には人間味が強い。
ジルがいつからノア君をマスターって呼んでるのかは知らないけど、私が初めて銀色の風船を目撃したのは幼稚園の頃だし、それから少なくとも高校生になるまでの年月にプラスして今この瞬間まで……何年間なんだかよく分からないけどそれなりの時間は経っているんだから、きっとジルとノア君の付き合いは長い。
ってか、私よりもコレの方がノア君のことを良く知ってたりするんだろう。
……じわっとジェラシーが湧く。
どういうことなんだと訊き返そうとしたけど、そうだよね……聞くまでもないよ。
ノア君は無責任な人じゃないもん。私を別の人間として再生してくれた後、無関心に放置するなんてことするわけがないじゃない。
私の記憶が戻るのかどうか、ノア君……その動向を治療用水槽の中にいながらも見守ってくれてたんだ……。
治療用水槽と言う言葉につられる形で、ふと、頭の中にある記憶が過った。
リエンヌから聞いた冒険引退者サークル『燃えよぬれ落ち葉』に参加する二つ名持ち、元有名冒険者『永遠の剣』の魔導士、終焉の炎爆華ベルンハルトさんのことだ。
あの人確か……最後の冒険で負った怪我を治すために年単位っていう長い時間を治療用水槽の中で過ごしたって言ってた。
たぶんすごく酷い怪我だったんだろうけど、身体の一部の欠損とか損傷を癒すためでもそんな長い時間がかかるんだったら、身体の細胞全部と脳みそっていう大事な部分の劣化を修復するのって、一体どれくらいの時間を必要とするんだろう……?
まさかそれって、人間の人生一回分とかに相当したりしない?
急に喉とか口の中が渇いた感じがして、思わずごくりと喉が鳴る。
身体に強張りを覚えるのは、なにもこの第99階層が高高度エリアで寒いからってだけじゃないように思う。
「ノア君は……」
私と逢った後、休眠したら一体いつ目覚めるのか……と、そんな疑問を口にしようとして、私はをれをやめた。
なんかいま、その答え……聞きたくない。
そんなことより、私は今すぐノア君の顔が見たい。
へたりこんでいた足に力を入れて立ち上がる。
金属っぽい材質の昇降機内部から見る第99階層は、ひたすらに青水色の広がりを見せていた。
宇宙の紺色を透かした空色を背景にぽつりぽつりと浮遊島と浮石が散見される光景を、自分の鼻とか口から吐き出される呼気が規則正しく白い靄で霞ませる。
「ノア君は、この階層にいるの?」
昇降機内から見る限り治療に必要な設備があるようには思われなかったけど、ぐるっと後の方とか見づらい下の方とかにあるんだろうか。
「いや、ここはマスターノアのところへ向かう経路ゆえ来ただけだ。この階層の上……事実上の第100階層から直通の到達手段があるのだが、この昇降機はここ……第99階層までで終わっている。この先へは自力で向かう以外にないのだ」
「え……ここじゃないならすぐにでも行きたいんだけど、昇降機って、第99階層で終わりなんだ……」
さっきみたいに感情任せに走り出したりせず、そろっと出口扉まで歩いて行った私は、扉の端を手でしっかり掴んで身を乗り出した。
ジルの言う通り、昇降機の外壁が昇降機内部の高さのちょっと上あたりで断ち切ったように途切れているのを確認して、さて……じゃあどうやって第100階層へ向かえばいいのかと外にはみ出させていた上半身を戻して振り向いた視線の先で、ジルが銀色の汁を吐き出しているのが見えた。
「ぶふっ……! な、なにやってんの!?」
それは全くさっきの天空城での一幕の再現。
きれいなノア君顔したジルの口とか鼻とかアチコチの穴から飛び出した銀色の液汁が、見る間に鏡面のようにツルリとした銀色の球体を形成していく。
『この先の経路は多少険しいのでな、そのような動きに馴れておらんこの身体は、安全の為ここに置いて行こうと考えたまでだ』
いや……うん、言いたいことは分かったけど。
「口から本体出すなら、一言くらい言ってよ……」
じゃなかったら、見ていないうちに脱皮しちゃっていただきたい。
『すぐにマスター・ノアのところに行きたいと言うから急いだのだぞ』
「……心臓に悪いんだけどなぁ」
『お前の現在の身体はマスター・ノアが丹精込めて作成したものだ。これしきの事で心臓に異常をきたすなどありえん。……それよりも、急ぐのであろう?』
「あ、うん」
『お前がさきほど身を乗り出して上を見る時に掴まっていた側の壁面を見ろ。昇降の為のとっかかりがあろう。それを昇れば、昇降機の上面へ出る事が出来る』
「これ、昇ればいいんだね」
私はジルの言葉に従い、再び昇降機の出入り口から顔をだしてみた。彼の言うとおり、外壁部分に一定の間隔で長方形のくぼみが上に向かって続いている。
ちょっと怖いけど、エイっと腕を伸ばして窪みに手を引っかけ外へ出た。腕だけの力で外壁にプラリとぶら下がる。
見当をつけてた辺りを足で探れば、同じような窪みをすぐに足場に見つけられてホッとする。
『ちょうどこの昇降機出入り口からは裏面になる辺りに、いくつかの浮遊石がさほど距離なく浮かんでいるのだ』
外壁を昇り始めた私の後を追って銀色の球……ジルが、ツゥー……っと宙を滑って来た。
「そこが第100階層への経路? ……って、それはそうとジル、あんた……身体、昇降機にそのまんま置き去りにして大丈夫なの?」
昇降機の周辺は安全地帯になっているとは言え、一応ジルの抜け殻って王様なんだし、万が一があったらどうするの。
『昇降機の扉は閉じるつもりだ。それに、そうだな……生体人形には私の『目』をつけておくか』
目って何?
……と内心首を傾げた私のすぐ横で、銀色の球体から二回り位小さな銀色の球体が分離して、昇降機内へと戻って行った。
分離した方の小ジルが操作したのか、ほどなく微かな軌道音と共に扉が閉じられたようだった。
───どうやらこの汁、分裂可能であるらしい。
そう言えばユスティーナさん、金色の王様としてのジルが銀色の球体魔道具を自分の周辺に浮かべて優雅に操ってた話をしてたっけ。
あの話、中身も外に浮いてるのも、もしかして全部ジルだったんじゃない?
こういうのも、自作自演って言うんだろうか。
……そんな、割とどうでもいいことを考えながら私は問題なく外壁を昇り切り、昇降機上部へと到達した。
扉側からは見えなかったけど、さっきジルが言っていたとおりにこの場所からなら飛び移れそうな場所に、いくつかの浮遊石が浮かんでいる。
『右側一番奥の白っぽい浮遊石に飛び乗れ。一番手前の物はすぐそこ、治療設備と解体場の浮遊島へ続く物だ』
「真ん中のは?」
「あれはお前から見て左手下方……ちょっと遠いが、ひと際大きな島が見えておろう? あそこへ続いている』
「……ああ……って、え? 何アレ! なんかあの島のうえ、すっごく大きいのがいるんだけど!?」
ジルが示す巨大な浮遊島に、相当離れているにも関わらずあからさまに巨大な……鳥? の姿が見えていた。
島影が若干かすむような距離感なのに、その鳥のスケールがなんか変。すごく……大きいです。
『あれはルフ……ロック鳥とも呼ばれる巨鳥だ』
「あれが、ロック鳥……!」
高層階の出現ターゲットについて、資料室で調べてはいた。
想像してたよりも大きかったことにも驚いたけど、過去世での記憶が殆ど完全に蘇って……というか、むしろ思い出したてなせいなのか、やたら鮮明だから、ロック鳥を見る目は狩猟対象として見るってよりも、子供の頃にノア君と一緒に読んだ児童向けの本に登場した怪鳥を現実に目にした感動に変わっている。
『シンドバッドの冒険譚はお前のお気に入りだっただけあって、ロック鳥には食いつくか』
ツルンとした鏡面上の球体には表情なんて無いはずなのに、ジルの声にはどことなく笑っているような気配。
気合いを入れて助走をつけ、昇降機の上辺から5mほど離れた白っぽい浮遊石へと飛び移るべく床を蹴り、私は言った。
「うん、食いつくよ!」
食いつく。
食いつくに決まってる。
異国情緒漂いまくりの世界観、王様やお姫様、怪物に怪鳥ロック、お宝がザクザク出て来るあの物語は、私の冒険ファンタジー魂の原典と言えるものだもん。
私は小さい頃からノア君と一緒に、けっこう割とたくさん絵本や本を読んだ。
不思議の国のアリスにシンデレラ、三匹のクマに白ばら紅ばら、野の白鳥にオズの魔法使い……。
きれいなお城やお姫様が出て来る話も好きだったけど、その頃の私は主人公が冒険をするお話の方が大好きだった。
小人に扶養される『白雪姫』よりも、冒険に満ちた『雪の女王』。
受け身に過ぎる『いばら姫』より、自分から鬼と戦いに出向き、戦闘の末にお宝ゲットの『もも太郎』。
金髪娘が意味不明に無礼千万な『三匹のくま』より、陰謀を躱して美姫と地位、栄華を手に入れる『アラジンと魔法のランプ』。
まあ……お年頃になるにつれ、冒険だけじゃなくラブなロマンスにも天秤は傾いで行ったけど……。
このゴールディロックス階層世界の最終階層手前の大ボスは、私が好きだった冒険譚に登場するロック鳥だ。
シンドバッドは冒険譚の中、ロック鳥の脚に掴まって無人島から脱出したけど、この世界ではロック鳥のエリアを超えた先には何があるんだろう……?
こんな時ではあるけど、なんだか胸が躍る。
それと同時に、これら全部をノア君が私の為に用意してくれたと聞いた今は、何故だか胸が躍るこの事実こそが切なくて……涙が出そうになった。