人を盗む
マーダーズの事務所についた。
「ここね…」
すぐそこの道は車通りが激しかったがこの建物は防音がされてるのだろか?とても静かだった。
早速、中へとはいる。
「失礼しまーす」
「おう」
中にはサングラスをかけたおじさんがたくさんいた。
「お前さんが探偵のお嬢ちゃんか?」
おじさんが話しかけてきた
「はい、そうです」
「まぁ、立ち話もなんだ、すわってくれい」
私たちは言われるままにソファに座った。
事務所にソファってちょっと、似合わないわね。
「どうも、木村ともうします、さて、先日、事務所に『怪盗』を名乗るものから手紙が来たんす」
手紙の内容はこうだった。
「お宅のブラックを誘拐した。誘拐された殺し屋なんて惨めな汚名をつけられたくなかったら直ちにゼウスとヘラの娘を呼べ」
「なるほど、これで、私のお母様とお父様のところに依頼がきたのね」
「そうでやんす、俺たちもすこし、この、怪盗について調べたでやんす。この怪盗は特殊なんす」
「特殊?」
キムジイが聞き返す。
「やつらは、人を盗む」
「人を盗む?」
「裏社会の人間を誘拐して裏で人身売買してるらしい。人身売買される先は奴隷とか人体実験の被験者だ。最悪の場合、どこかの惑星にどばされたりするらしいぜ」
輝間もそんな目にあってしまうのだろうか。
「はやく、救い出さないと」
そのとき、窓ガラスが割れた。
パリン!!
「危ない」
マキが私を突き飛ばす。
私は2mくらい吹き飛ばされる。
だが、窓の外からの物体は紙の巻き付いた石だった。
キムジイがそれを取り出す。
「では、読みます」
キムジイがいう。
「お嬢ちゃん、大体のことはわかったみたいだね、早く私を見つけ出さないと輝間くん、どっかいっちゃうよ?」
読み終えたらしい。
「お嬢様探偵さん、金ならいくらでも出す!だから、俺たちのボスを取り戻してくれ!」
「かしこまりました、それでは、依頼料の相談に入りましょう」
キムジイがいう。
だが、私はそれどころではなかった。マキはいつも通りにしているが私はそうはいかない。
なにかおかしい。
「キムジイ、ティータイムよ」
「かしこまりました、お嬢様。準備します」
私はキムジイの入れた紅茶を飲む。外の車のおとが少しうるさい。
そのとき、すべてを理解した。
「なるほど」
私はマキに少し頼み事をした。
数分後、私の頼み事は無事、達成された。
「皆さん、そろそろ茶番はやめましょう」
私はいった。
「茶番だと?お嬢ちゃん、ボスの誘拐が嘘だってんのか?」
「いいえ、おそらく、ほんとだわ。私が指摘したいのはあなたよたちよ」
「おれか」
「怪盗はあなたよ、木村さん」
「証拠がねーだろ?殺すぞ?」
「あるわよ、この車の音が証拠よ」
事務所のなかをビュンビュンと音がなる。
「それがどした?殺すぞ?」
「窓が割れるまでこの建物の中は静かだったわ。おそらく、防音設備でも施されてるのかしら、ってことは私たちの会話は外に聞こえないのよ、なのに、外にいる怪盗は私たちの会話を知ってる…」
「盗聴機でもあんじゃねーの?殺すぞ?」
「ないわ、マキが調べてくれたわ」
「……殺すぞ?」
「図星ね」
「まぁ、厳密にいうと少し違うんだがな、まぁいいさ、早くしないと君の助手がいなくなるよ?あはは、じゃ、またね?」
そう言って彼は消えた。